電池を捨てるときはエネルギーを放出しない状態にする
null電池は、種類によって捨て方が異なります。
- 一次電池の場合
使い捨ての「一次電池」と呼ばれるアルカリ乾電池は、自治体の指示に従って廃棄してください。各自治体により廃棄方法が決められています。またボタン電池の廃棄の際は、家電量販店などの回収缶へ。
- 二次電池の場合
充電して繰り返し使える「二次電池」は、家電量販店や公共施設などに設置された専用の回収ボックスへ捨てます。
一次電池は「絶縁」してから捨てる

筆者は100円均一で購入した3本110円(税込)のビニールテープで絶縁しています(トップ写真参照)。
「いろいろな電池が一箇所に集まると、ショートして発煙や発火のリスクがあります。つまり、回収されたときに絶縁させていないと危ないんです。アルカリ乾電池やマンガン乾電池、リチウム一次電池といった『一次電池』の場合は、使い切っていなくても絶縁してあれば捨てられます。
絶縁の方法は、セロテープやビニールテープなど絶縁性のテープで、プラス極とマイナス極を覆います。あとは、自治体の指示に従って捨てましょう」(以下「」内、全て『電池工業会』長谷洋志さん)
「リチウムイオン電池」は使い切ってから捨てる

筆者が愛用するワイヤレスイヤフォンにもリチウムイオン電池が使われています。
リチウムイオン電池とは、「二次電池」と呼ばれる、充電して繰り返し使える電池。モバイルバッテリーやハンディファン、ワイヤレスイヤフォンなど、私たちの身近なところで使われています。
「これらを捨てるなら、できるだけ充電を使い切ってから。ただし、廃棄する際には燃えないごみでは捨てないで」と長谷さんは注意を呼びかけます。
「なぜ燃えないごみで捨ててはいけないかというと、ごみ収集車で回収する際に圧力がかかると発火する可能性があったり、ごみの集積場で発火して施設の火災につながるからです。お住まいの地域のルールに則って、正しく捨てましょう」
「リチウムイオン電池」のメリットと危険性
nullアルカリ乾電池とリチウムイオン電池との大きなちがいが、エネルギーのもととなる物質です。
- アルカリ乾電池は電解液が皮ふにつかないよう注意する
「アルカリ乾電池は、その名の通りアルカリ性の電解液が入っているため、皮ふや衣類などにつかないよう注意が必要です。ただ、この液自体は燃えることはありません」
- リチウムイオン電池は圧力や衝撃を加えないようにする
「リチウムイオン電池に使われている電解液は、非常に燃えやすい素材です。だからエネルギーをもった状況で圧力や衝撃が加わると、電池内部でショートして火災につながることがあります。ニュースで見かける発火・発煙事故は、使用中の衝撃によるものがほとんどだと思います」
- リチウムイオン電池は長持ちで便利!だけど、使用中の異変にはご注意
リチウムイオン電池は、いろいろな機器に使われています。だからこそ、知らず知らずのうちに使っているとリスクが高いともいえるのだとか。一方で、きちんと知識をもって使っていれば、長持ちで、エネルギーをたくさん蓄えられる便利な電池、とも。
「たとえばモバイルバッテリーを使っているときに、熱を持ってきたとか膨らんできたとか異常があれば、すぐに使用をやめる。そもそも機器に圧力や衝撃をかけないなど、ご自身で注意しましょう」
「ボタン形電池」「コイン形電池」は小さなお子さんやペットの誤飲に注意
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直径1cmほどの、ボタンほどの厚みがある小さな円盤状の「ボタン形電池」や「コイン形電池」。腕時計や電子体温計など、精密機器や小型電子機器に使われています。
「ボタン形電池やコイン形電池は飲み込んでしまうと、最悪の場合は胃や食道に穴があくなど生命の危険があります。交換される際は、絶対に電池から目を離さないでください。小さなお子さんや、ペットのいるご家庭はとくに注意してください」
なお、ボタン形電池・コイン形電池もプラス極とマイナス極をセロテープやビニールテープで 絶縁してから捨てましょう。「小さいですが、とくに封筒に入れるなどしなくても大丈夫です。絶縁だけ、お忘れなく」
生活になくてはならない電池だからこそ、正しく安全に使いましょう
nullもはや「ない生活は考えられない」といっても過言ではない電池。今回教えていただいたことをまずは知って、使用環境をチェックしてみてください。そして、安心・安全で便利な電池のある生活を送りましょう。
【取材協力】
電池工業会
朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote













