「【ゴミ清掃芸人に聞く】『資源』に出したいけど、コレって大丈夫?」はこちらをチェック!
まずはゴミや資源として「回収してもらえるか」を確認
null集積所で、ときどき見かける「回収できません」という張り紙が貼られたゴミ。これは明らかにマナー違反です。
「可燃ゴミの日にスプレー缶を出すのは、清掃車火災の可能性もあるので絶対にやめてくださいね。何事もそうだと思いますが、判断に困ったら調べる! 僕もいまだによく調べますよ。
中には、リチウム電池のようにリサイクル協力店で回収するものもあります。使い捨てコンタクトレンズのケースなど、プラ製品を回収してくれるところもありますね。自治体によっては、衣類を古布回収で受け付けていたり、天ぷら油も回収してもらえたりもしますよ。
牛乳パック、ペットボトル、プラ製のトレイなどの資源は、回収しているスーパーへ持っていくのもおすすめ。洗って乾かすなどきれいな状態でないと回収してもらえませんが、好きなときに持っていけるし、牛乳パック6枚とトイレットペーパー1個を交換、なんてお店もあったりして! それに、清掃員が分別する手間が省けるので、税金も使わずにすみますよね」(以下「」内、滝沢さん)
回収が難しい・出来ないゴミがある
null冒頭の写真のような「回収できません」というゴミの中でも、よく見かける“困るゴミ”を滝沢さんに聞きました。
Q.花火はどうやって捨てればよいですか?
A.水に浸してから捨てましょう。
使い切れなかった花火は、たとえ湿気ていても火薬が使われているので、そのまま捨てるのはNG。また、紙製でも、資源に混ぜてはいけません。
「パッケージのまま可燃ゴミに入れるのではなく、水に浸してから捨てましょう。同じように、クラッカーも水に浸してからが安心です」
※地方によっては可燃ゴミではなく不燃ゴミとしての回収となるエリアもあるため、お住まいの自治体のルールをよく調べてください。
Q.使い捨てカイロは可燃?不燃?
A.基本的には不燃ゴミだけど、僕は中身を土に還します。
自治体によって、捨て方が異なるのが使い捨てカイロです。一つひとつは小さいから、可燃ゴミでもOKというところもあります(*)
「コンポストがある方は、カイロの中身は無害なので使えますよ。ただ、観葉植物に混ぜるのは避けた方がいいです」。
*カイロの捨て方は自治体のルールに従ってください。また塩化ナトリウムが入ってる物もあるので土に混ぜると作物に影響する場合があります。
判断に迷う、趣味のもの
null趣味のアイテムは、どう捨てるかジャッジが難しい! 滅多に捨てない場合も多いからこそ、確認してから捨てるのはマナーです。
Q.キャンプやBBQで使いきれなかった炭は、どう処分するのが正解?
A.可燃ゴミか、炭素化して土に還しましょう
基本的には、現地で燃やしきって、炭素化を。キャンプ場内に専用の“炭捨て場”があれば、そこへ捨てましょう。
「持ち帰って、保管しているうちに湿気てしまった場合は、可燃ゴミに出してください。炭素化したものなら、コンポストに混ぜちゃうのも手ですよ! ゴミも減ります」
Q.テントはどう捨てればいい?
A.そのままなら粗大ゴミ、分別するなら不燃と可燃。
そのまま捨てるなら、粗大ゴミ。金属パーツと本体などを細かく分ける場合は、金属パーツは不燃ゴミ、本体は可燃ゴミに出します。
「テントは、長いと修理しながら10年くらい使えますよね。ただ聞いた話だと、キャンプをする人の7割が、まだ使えるテントを捨てちゃうそうです。自然の中で気持ちよく遊ぶアイテムを使い捨てるのは寂しいですよね。もう使わないなら、必要としている人に譲ってみたら?」
Q.推し活で手に入れたTシャツ、思い入れもあって捨てづらい…
A.捨てづらくなるなら、そもそも買わない
Tシャツなど衣類は可燃ゴミです。ただ、自治体によっては古布回収をしていたり、店頭で衣類回収をしているブランドなどもあるので、捨てる前にチェックするのも一つ。
「厳しいことを言うようだけど、捨てづらくなるなら、そもそも買わない(笑)。どうしても捨てられないなら、人に譲って第二の人生を歩んでもらいましょう!
古布回収や衣類回収で発展途上国へ届けるのも素晴らしいけれど、本当に必要としている国や地域に届いているかわからない場合も。だから僕は今、ハンドメイドが得意な芸人を集めて、リユースが出来ないかなって考えているところ」
資源に出してリサイクルはもちろん、回収、必要としている人に譲る、そしてリメイクと、捨てる前に出来ることは、たくさんありそうです。
捨てようかなと思ったら、その未来にどんな選択肢があるか、一度考えてみるのもよいですよね。そう考えたら、ワクワクしてきました!
撮影/五十嵐美弥(小学館)
【取材協力】
滝沢秀一(たきざわしゅういち)
1976年生まれ。1998年に西堀亮とお笑いコンビ『マシンガンズ』を結成。
『THE MANZAI 』 2012、2014年認定漫才師。
2012年より定収入を得るため、ゴミ収集会社に清掃員として勤務を始める。
現在、SNSや執筆、講演会等にて、ゴミ清掃中に気がついたことを発信している。
著書に『このゴミは収集できません』(白夜書房)、『ごみ育 日本一楽しいごみ分別の本』(太田出版)などがある。
「滝沢ごみクラブ」というゴミを減らすためのオンラインサロンを開催中。
朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote