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どこで探す? ペットショップ以外にも「飼う犬と出会う場所」【ペット雑学帳】vol.3

犬を飼いたいと思っても、経験がないとどこから迎えればいいか迷ってしまうかもしれませんね。まず思い浮かぶのはペットショップという方も多いと思いますが、犬と出会う場所や機会はほかにもあります。自分の生活スタイルと合った犬種や年齢の犬とは、どこで出会えばいいのでしょうか?

動物を飼うために覚えておきたいことなど“ペットと一緒に暮らすためのあれこれ”をご紹介する【ペット雑学帳】。犬編vol.3の今回は「飼うと決めたときに知りたい犬と出会う場所」について、麻布十番犬猫クリニックと日本動物医療センター監修のもと、同センターの獣医師・眞鍋日登美先生とドッグトレーナー・宮本あかりさんに教えていただきました。

買う、譲り受ける…「犬と出会う場所」3つ

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vol.1vol.2でもお伝えしたように、ただ「こんな子が飼いたい!」というだけではなく、自分や家族がどんな犬を飼うことができるのかを考え、生活や環境に合った犬を選ぶことが大切です。

犬を飼うために出会う場所や方法はいくつかありますが、中でも一般的なのは、「ペットショップで購入する」「犬のブリーダーから購入する」「譲渡会で譲り受ける」の3つ。

どんな犬にするのか決まっている場合はペットショップやブリーダー、譲渡会に直接足を運び、まだはっきりと決まっていないならば、まずペットショップや近所の動物病院で相談してみてください。譲渡会以外に、保護犬(諸事情で飼い主の手元を離れた犬)が預けられている保健所や各施設もあるので検討してみましょう。

他にも、知人や友人の飼い犬が産んだ子犬を譲り受けるケースなどもありますが、今回は主な上記3つの方法についてそれぞれの特徴と選び方をお伝えします。

まずは近年活発になっている「譲り受ける」場合からご紹介しましょう。

さまざまな犬種・年齢の犬がいる「譲渡会で譲り受ける」

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全国各地で定期的に開かれている「譲渡会」には、自治体の動物愛護センターや民間の動物愛護団体が保護した犬がいます。

譲渡会が開催される場所は、動物愛護センターや各地のイベント会場など。最近ではペットショップ内で譲渡会の場を設けているところもあり、“保護犬カフェ”として常設されている施設も。

近隣の保護動物を動物病院を通じて引き取ることができる取り組みも始まっていますので、近くの動物病院に問い合わせてみるのもいいかもしれません。

また、“里親募集サイト”として団体や飼い主が譲渡先を募集しているWEBサイトもあります。動物用医薬品を扱う共立製薬の『veterinary adoption』という保護犬・保護猫の譲渡活動支援サイトでは、動物病院での検診や相談をすることもできるので予防接種やかかりつけ医を探したい場合にもチェックされてみるといいでしょう。

(1)特徴:性質を把握しているスタッフに相談できる

譲渡会にいるのは、何らかの理由で放浪していた犬や飼い主から引き取った犬なので、犬種や年齢はさまざま。両親犬がはっきりわからない犬や、ミックス犬もたくさんいます。

センターや団体のフタッフは、保護した犬の性質や体質をある程度把握してから譲渡会に連れて行きます。選ぶときに迷ったら相談してみましょう。

また、飼い主向けにペットの“適正飼養講習会”を開いている自治体もあるので、迎え入れる前の準備として参加してもいいですね。飼い始めた後も、困ったときに相談に乗ってもらえるケースも多いようです。

(2)選び方:主催者の「譲渡可能な条件」に合うか確認しよう

譲渡会では、新たな飼い主となるために条件を設けていることが大半です。条件は主催しているセンターや団体によって変わるので、事前に自分や家庭が条件に合うかどうか確認し、合致するところを探してみましょう。

人気犬種の子犬が多い「ペットショップで買う」

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ペットショップでは主に純血種の子犬を販売しています。血統などを考えて動物を繁殖し育成しているブリーダーなどから仕入れた生後2カ月以降の子犬が中心で、成犬はほぼいません。

近年の試みとして、何らかの理由で保護された犬を犬種や年齢を問わず店内に受け入れ、新たな飼い主と出会う機会をつくる“常設譲渡会”の場を設けているペットショップもあります。

(1)特徴:保険加入や健康チェックなどの処置をしてくれている場合も

犬種は、日本で人気が高い「トイ・プードル」、「チワワ」、「ミニチュア・ダックスフンド」などの小型犬が多く、純血種同士のミックス犬、例えば「チワワ」と「ダックスフンド」をかけ合わせた「チワックス」や、「ポメラニアン」と「トイ・プードル」をかけ合わせた「ポメプー」などに出会えることも多いでしょう。

ペットショップによっては、子犬を購入するときに今後の生活に必要なアイテムをまとめ買いできるサービスをしているところも。もちろん、できれば事前に用意しておいたほうが安心ですが、揃え忘れていたものがあった場合には便利ですね。

また、これもペットショップによりますが、すでに“ペット保険”に加入していたり、行方不明になったときに見つかりやすいようにマイクロチップを装着されていることも。動物病院(麻布十番犬猫クリニックも対応)で子犬の健康チェックをしてもらっているペットショップもあります。

保護犬の譲渡会活動をしているところもあるので、希望する処置や共感できる活動をしているペットショップを選ぶといいですね。

(2)選び方:子犬の状態や店内の住環境をチェックしよう

ペットショップで買う場合は、世話が行き届いている店を選ぶと安心です。排泄物や食べ残しで汚れていないことを確認しましょう。

衛生的な環境で過ごしていれば病気の心配が少なく、人(ショップスタッフ)と触れ合っていれば迎え入れてからの生活やコミュニケーションもスムーズに進むことが多いはずだからです。

子犬の気分転換や、外の音・もの・におい・景色、地面の感触、人間や他の犬に慣れさせる“社会化”のため、ときどき広めのスペースで遊ばせているペットショップもあります。子犬への配慮がうかがえるペットショップが良いでしょう。

特定犬種の子犬が見つかる「ブリーダーから買う」

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犬のブリーダーは、純血種の犬を育成する動物取扱業者です。日々の世話に加え、交配や出産などの“ブリーディング(繁殖)”も行います。

(1)特徴:扱う種類は限られるが、犬種のアドバイスをくれることも

ペットショップのように扱う犬種は多くなく、1人のブリーダーが育成するのは1種類のみの場合もあります。産まれた子犬はペットショップなどに買われていきますが、飼い主が直接購入できる場合も。

見学を受け付けているブリーダーであれば、子犬の父犬や母犬、同じ犬種の成犬や老犬に会えることもあります。子犬の将来の姿を想像しやすいですよね。

また、育成している犬種の知識が豊富なので、さまざまなアドバイスをしてくれるブリーダーもいます。飼う犬種を決めるときだけでなく、子犬を迎えた後も相談にのってくれるかもしれませんね。

(2)選び方:事前見学や犬について相談できるか確認しよう

健康的な犬を育成しているか、清潔な住環境で育てているか、動物福祉の観点からも信頼できるブリーダーを選ぶことが大切でしょう。また、犬種や子犬の迎え入れに必要なこと、飼い始めの生活について相談できると安心ですね。

見学できるブリーダーを探して、まずは見に行ってみると良いかもしれません。

覚えておきたい! 購入できる子犬は「生後56日以降」

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子犬を購入する場合に覚えておいていただきたいのは、「動物の愛護及び管理に関する法律」により、生後56日以下の子犬の販売や展示は禁止されていること(現在は附則で49日以下)。

この法律が定められた理由は、販売される時期が子犬の将来を大きく左右するからです。

麻布大学教授の菊水健史先生の研究により、犬の成長後の問題行動は、母犬や生育環境から7週目で離すより8週目で離したほうが減少することがわかりました。この研究結果を受け、附則49日以下の条件を変更するための法律改正を目指す動きもあります。わずか1週間の差が、犬の将来の性格を大きく変えることになるとは驚きですね。

生後56日前後の子犬は、人間の年齢に換算して保育園児くらいかと思われます。家で長時間1匹でおいておくことはできません。犬の年齢は人間の約4倍と言われているので、最初の1年でやっと成人レベル。49日であれば、さらに年齢が低く赤ちゃんに近い状態と言っても過言ではありません。

子犬を迎え入れる場合は、念のため生後何日目なのかをきちんと確認し、愛情を持って近くでみていてあげられるようにしましょう。

 

未来の愛犬をどこから迎えるかは飼い主の考え方次第ですが、いずれにせよ動物への愛情と知識をきちんと持っているところを選ぶことが大切ですね。犬を迎え入れる時期と環境も慎重に考えましょう。


 

【取材協力】

日本動物医療センター・・・1966年に設立された日本初の大規模な総合動物病院。準備を経て1969年に開業。以来、24時間診療を行っている。人と動物の関係の変化や動物の長寿化に対応するため、2004年から24時間看護にも取り組んでいる。

獣医師 眞鍋日登美、ドッグトレーナー・受付 宮本あかり

 

【監修】

獣医師/麻布十番犬猫クリニック 院長

島田健一郎

日本獣医生命科学大学卒。東京農工大学にて大学院博士課程(獣医皮膚科学専攻)を修了後、麻布十番犬猫クリニック院長として皮膚科専門外来を開設。港区のスキンホームドクターとして犬猫の皮膚病治療に従事。診療の傍ら、日本獣医生命科学大学保健看護学科にて犬猫の皮膚バリア機能に関する研究も行っている。カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)医学部皮膚科研究室に短期留学。日本獣医皮膚科学会認定医。獣医療関連誌の執筆、講演、セミナー等の活動も行なっている。

獣医師/日本動物医療センター マネージャー

長沼裕美子

岩手大学卒業後、獣医師として日本動物医療センターに勤務。1頭のビーグル犬と暮らし、毎朝の代々木公園の散歩が日課。

【参考】

保護犬譲渡活動 – P’s first

動物病院で実施される項目 – 『veterinary adoption』共立製薬

動物愛護法の改正に向けた調査研究を行っています – 麻布大学 獣医学部 動物応用科学科

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