呼び名は「親自身の姓や名」派と「子どもの名前」派に二分される
nullまずは「ママ友のことをどう呼んでいますか?」と質問したところ、その回答は以下の通りとなりました。
【ママ友のことをどう呼んでいますか?】
第1位:姓+さん(例:タナカさん)・・・35.8%(29人)
第2位:子どもの名前+くん・ちゃん・さん+ママ(例:タロウくんママ)・・・17.3%(14人)
第3位:親の名前+さん(例:ハルカさん)・・・11.1%(9人)
第4位:親の名前+ちゃん(例:ハルカちゃん)・・・9.9%(8人)
第5位(同率):姓+くん・ちゃん・さん+ママ(例:タナカくんママ)・・・8.6%(7人)
第5位(同率):子どもの名前+くん・ちゃん・さん+のお母さん(例:タロウくんのお母さん)・・・8.6%(7人)
第7位:姓+くん・ちゃん・さん+のお母さん(例:タナカくんのお母さん)・・・3.7%(3人)
その他・・・4.9%(4人)
一番多いのは「タナカさん」などの「姓+さん」で、それに続くのは「タロウくんママ」といった「子どもの名前+くん・ちゃん・さん+ママ」。
全体の流派としては「タナカさん」「ハルカちゃん」のように「親自身の姓や名で呼ぶ」派(56.8%)と、「タロウくんママ」「タナカくんのお母さん」のように子どもの名前で呼ぶ「~ママ/~のお母さん」派(38.3%)で二分されることが分かりました。半数以上の人は、「親自身の姓や名」で呼んでいるようです。
とりあえず無難?一定の距離感持っている「姓+さん」
null続いて、その呼び方で呼んでいる理由を具体的に尋ねてみました。今回一番多かったのは「タナカさん」などの「姓+さん」。この呼び名は社会などでもごく一般的な呼び方ですが、ママ友界ではある意図があるようです。
「距離感をある程度もって接しているから」(42歳/主婦/姓+さんと呼ぶ)※他多数
「一番失礼にならないと思うから」(40歳/その他/姓+さんと呼ぶ)
「自分の友達ではなく、あくまで子どものお友達のお母さんなので、同僚と同じような感覚です」(35歳/主婦/姓+さんと呼ぶ)
「きっかけが子どもだとしても、それもお友達としての出会いです。〇〇(子どもの名前)ママとは呼びたくないです。でも、人それぞれの考えがあるので苗字で呼んでいます」(40歳/主婦/姓+さんと呼ぶ)
「姓+さん」派で一番多かったのは「距離感を持って接している」という理由。つまりこの呼び名は寄せられた「自分の友達ではなく、あくまで子どものお友達のお母さん」という距離感を崩さないという意思表示の表れであることも多いようです。
ただその一方で「友達としての出会い」という認識で「〇〇(子どもの名前)ママ」とは呼ばないための「姓+さん」という人もいました。確かにこれも納得できる理由です。
一見ポップだけど、実は距離感が一番ある?「〇〇くん・ちゃんママ」
null続いて多数派だったのは「タロウくんママ」といった子どもの名前で呼ぶ「~ママ/~のお母さん」派。これはまさにママ界特有の呼び方という感がありますが、どういった意図でそう呼ぶようになっているのでしょうか?
「他の保護者のかたも同じように呼んでいるから」(38歳/主婦/子どもの名前+くん・ちゃん・さん+ママと呼ぶ)
「子どもが呼んでいる友達の名前しか分からないことが多いから」(45歳/公務員/子どもの名前+くん・ちゃん・さん+のお母さんと呼ぶ)
「保護者と直接関わることがなく、呼ぶ機会があるとすれば我が子との会話の中だけなので」(32歳/主婦/子どもの名前+くん・ちゃん・さん+のお母さんと呼ぶ)
「お母さんの名前を知らなかったり、みんな子どもの下の名前で呼びあっているので自然とそうなった」(39歳/総務・人事・事務/子どもの名前+くん・ちゃん・さん+ママと呼ぶ)
保護者間でそういった呼び名で呼ばれることが多いのでなんとなく同様に、そもそも子どもの名前しか知らない、といった理由があがりました。
子どもの名前だけ覚えればいいため呼びやすく、名前を間違えずに済むというメリットはあるものの、だからこそ、「あくまで子どもを通した関係性」という印象を生むことも。呼び名としては一見「姓+さん」よりもポップですが、さらに距離感のある呼び名といえるかもしれません。
親しい友達の証?「親の名前+さん・ちゃん」
null続いての流儀は「ハルカさん」「ハルカちゃん」といった、親の名前+さん・ちゃんの呼び方。子どもの存在を飛び越えての友達という意識をより強く感じさせる呼び名というイメージがありますが、実際呼んでいる人はどういった意図があるのでしょうか?
「元々名前で呼ぶ習慣があるので」(39歳/会社経営・役員/親の名前+さんと呼ぶ)
「私自身が“〇〇ちゃんママ”と言われるのが嫌で、本当の名前で呼ばれたいから」(40歳/主婦/親の名前+ちゃんと呼ぶ)
「その方の名前を呼んであげるのが一番嬉しいと思う」(32歳/その他/親の名前+ちゃんと呼ぶ)
「自分がちゃん付けで呼ばれたい。仲が良いのに何年も苗字にさん付けされていると壁を感じる」(42歳/主婦/親の名前+ちゃんと呼ぶ)
やはり多いのは全体的に“親しい証”として親の名前で呼ぶという意見。確かに自分が仲良くなりたい人から名前で呼ばれると、ちょっとうれしい気持ちになるのは分かります。
ただ問題は、その距離感を見誤るケース。「名前を呼んであげるのが一番嬉しいと思う」というケースに当てはまらない人も、場合によってはいる可能性も……。
「親の名前+さん・ちゃん」に警戒感を感じる人も多い
nullこれまでのエピソードから察するに、ママ友をどう呼ぶかは相手との適度な距離感をどう考えているかによるところが大きいことが分かりました。しかし問題となるのは、その距離感がお互いに異なる場合。もっと距離をつめたい人と、そうじゃない人。そういったズレがあると、呼び名でモヤモヤ感も生まれやすいようです。
「それほど仲良くもないママ友から、自分の下の名前で呼ばれると、距離感が近いと感じて警戒してしまう」(35歳/主婦/子どもの名前+くん・ちゃん・さん+ママと呼ぶ)
「本当に仲良くしたい人以外から馴れ馴れしく名前を呼ばれたくない」(27歳/主婦/子どもの名前+くん・ちゃん・さん+ママと呼ぶ)
「いくら年齢が上でも、いきなりちゃん付けで話しかけられると戸惑う」(42歳/主婦/姓+さんと呼ぶ)
「仲が良いのに何年も苗字にさん付けされていると壁を感じる」(42歳/主婦/親の名前+ちゃんと呼ぶ)
「苗字だと本当の意味で踏み込めていない気がします。どうせなら友達として下の名前で呼びたいけど、相手が同じ意見か解らないので踏み込めません」(40歳/主婦/姓+さんと呼ぶ)
「苗字にさん付けだと壁を感じる」というモヤモヤ感もあるようですが、全体的に多いのは「親の名前+さん・ちゃん」に対して「距離感が近いと感じて警戒してしまう」というモヤモヤ感。「親の名前+さん・ちゃん」はやはりお互いにそう呼んでもいいという信頼関係がないと難しいことが多いようです。
「ママ友の呼び方」の怖いところは、その呼び名によって相手が自分にどんな距離感で接したいかが如実に分かってしまうこと。それをぼかしたい時は「ねえ」などを駆使してあえて明確に呼ばないという選択肢もあります。しかしママ友同士のグループラインなどではしっかり呼び名を明記しなければ会話が成り立たないケースも多く、そういったときは何かしらの選択をしなくてはいけません。
とはいえ今回の結果をみるかぎり、とりあえず迷ったら「姓+さん」が無難といえそう。もしそれでは物足りない、もうすこし仲良くなりたいと感じたら思い切って「〇〇ちゃんって呼んでいい?」と聞いてみるのも手かもしれません。言われたほうはよっぽど嫌ではない限りは断らないとは思いますが、一度そういったワンクッションがあると、相手の警戒心も薄れるのではないでしょうか?
ちなみに筆者はママ友同士の距離の詰め方が苦手という自覚があるので、だいたい一貫して「姓+さん」を採用しています。そんな私でもたまに「めぐみさん」「めぐみちゃん」と名前で呼んでくれるママ友がいると、むしろちょっとうれしい。そういったことをスマートにできる人に憧れます。
東京都出身、千葉県在住。短大の春休みより某編集部のライター見習いになり、気が付いたら2022年にフリーライター歴25年を迎えていた。現在は雑誌『DIME』(小学館)、『LDK』(晋遊舎)などで取材・執筆を行うほか、『kufura』などWEB媒体にも携わる。
執筆ジャンルは、アウトドアや子育てなどさまざま。フードコーディネーターの資格も持つ。