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雨でも濡れない駅スグ! 個人コレクションも大充実「東京オペラシティ アートギャラリー」【ふらりと大人美術館】vol.12

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京王新線で新宿駅から1分の初台駅に直結している『東京オペラシティビル』は、建物内にオフィス、飲食街、コンサートホール、美術館がある、地下4階地上54階建ての複合文化施設。

このオペラシティビル内の3階にある美術館が、今回ご紹介する『東京オペラシティ アートギャラリー』です。約3,800点の収蔵品のほとんどがひとりの個人コレクターによるもので、見応えたっぷり。後半では、個人コレクターのコレクションを堪能できる都内の美術館もご紹介します。
(上記写真:『高橋コレクション』展 ミラー・ニューロン 2015年 photo:KIOKU Keizo)

企画展だけじゃない! 収蔵品も大充実の駅スグ美術館

初台駅前の一帯は、「東京オペラシティ街区」と呼ばれている文化の香り溢れる地区。ちなみに、オペラシティと名前がついているものの『東京オペラシティビル』にはオペラ劇場はなく、お隣の『新国立劇場』にあります。

『東京オペラシティビル』には『東京オペラシティアートギャラリー』の他に、以前【子どもと楽しむ美術館】vol.2「好奇心をくすぐる!“ICC”で最新メディア・アートを体感」でご紹介した『NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]』もあります。

1999年に開館し、来年で20周年を迎える『東京オペラシティアートギャラリー』。
これまでには、ファッションデザイナー高橋盾が率いるブランド『UNDERCOVER』の歩みを振り返る展覧会「LABYRINTH OF UNDERCOVER “25 year retrospective”」や、ベルリン在住で日本人の父を持つアーティスト、サイモン・フジワラの日本における初個展「サイモン・フジワラ|ホワイトデー」など、様々な分野の最先端のアーティストやデザイナーに注目し、バラエティに富んだ企画展を多数開催。

「LABYRINTH OF UNDERCOVER “25 year retrospective”」2015年 photo:KIOKU Keizo
「サイモン・フジワラ ホワイトデー」2016年 (C)Simon Fujiwara / courtesy of the artist and TARO NASU photo:KIOKU Keizo

現在、“アメリカでもっとも注目されている写真家”とも言われるライアン・マッギンレーの「ライアン・マッギンレー BODY LOUD !」は、自選による日本の美術館における初個展でした。

(C)Ryan McGinley courtesy the artist and Team Gallery, New York / Tomio Koyama Gallery 2016年 photo:KIOKU Keizo

他にも、彫刻家 イサム・ノグチや詩人の谷川俊太郎といったビッグネームから、若干40歳にもかかわらず世界中で活躍する新進気鋭の建築家 田根剛まで、美術だけにとどまらず建築や音楽など、ジャンルを越えた展覧会が開催されてきました。

刺激的な企画展を支えているのが、天井高6メートルにも及ぶ、広く大きな展示室。開放感にあふれた空間は、巨大な作品でもゆったりと観ることができ、若干後ずさりしても壁にぶつかったりしないのが素晴らしいところ。作品と併せて、空間を最大限に活かした展示方法をチェックするのも楽しいものです。

4階で見られる収蔵品展入口 photo:KIOKU Keizo

そして、『東京オペラシティ アートギャラリー』に来たら必ず観てほしいのが、上階の収蔵品展。展示されている収蔵品の核となっているのは、「寺田コレクション」。

「寺田コレクション」とは、東京オペラシティの共同事業者のひとりである寺田小太郎氏が収集した約3,800点におよぶ近現代美術を核にしたコレクション。

寺田は先祖代々この地に暮らしてきた家系で、東京オペラシティの計画が立ち上がり美術館を作ろうという話が持ち上がったとき、その理念に賛同して本格的な作品収集を開始。わずか3年で約2,700点もの作品を個人的に購入し、そのコレクションをアートギャラリーに寄贈しました。

もともと美術が好きでコレクションを始め、後に美術館に寄贈するコレクターは数多くいますが、「美術館をつくるために」という理由で美術品を集める方はそうそうおらず、非常にめずらしいこと。

難波田龍起『西方浄土2』1976 年 油彩、キャンバス 80.3 x 100.0cm photo:斉藤新

「寺田コレクション」のテーマは、戦後の日本美術と東洋美術。なかでも軸となっているのは、日本を代表する抽象画家 難波田龍起(1905−97)の油彩画、水彩画、版画、そして次男 難波田史男(1941−74)の作品群。親子2人のコレクションは日本最大級のものとされています。

難波田史男『宇宙船がくるよ』1961年 水彩、インク、紙 77.0 x 109.5cm photo: 斉藤新

他にも、韓国生まれの美術家 李禹煥(リ・ウーファン)や画家 相笠昌義(あいがさまさよし)、現代美術家の大竹伸朗(おおたけしんろう)や奈良美智(ならよしとも)、彫刻家の舟越桂(ふなこしかつら)など、「寺田コレクション」には戦後から現在までのさまざまな作家の作品が揃っています。

李禹煥『線より』1976年 岩絵具、膠、キャンバス 100.0 x 80.0cm photo:早川宏一
相笠昌義『日常生活:公園にて』1973年 油彩、キャンバス 130.0 x 162.0cm photo:斉藤新

ということで、『東京オペラシティ アートギャラリー』を訪れたらぜひとも収蔵品展のチェックをお忘れなく! また、所蔵品展と同じフロアで開催されている「project N」は、同館キュレーターが注目する若手作家を展示する企画展でこちらも毎回刺激的です。

 

バラエティに富んだ企画展だけでなく、「寺田コレクション」の収蔵品展も楽しめる『東京オペラシティ アートギャラリー』。企画展を目がけて訪れるのはもちろん、新宿で時間が空いたときなどにも、ひと駅電車に乗ってふらりと立ち寄ってみてはいかがでしょうか? 駅直結なので雨の日でも濡れずに行けますよ!

【施設情報】

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都新宿区西新宿3−20−2  東京オペラシティビル 3階

開館時間:日曜〜木曜 11:00~19:00/金曜・土曜 11:00〜20:00
※ 展示により変更の可能性あり
※ 入館は閉館30分前まで

休館日:月曜(月曜が祝休日の場合は翌火曜)、年末年始、展示準備期間、全館休館日
※休館日は展覧会により異なる

最寄り駅:京王新線「初台駅」直結 徒歩5分

個人コレクターのコレクションを楽しめる都内の美術館4つ

『東京オペラシティ アートギャラリー』の「寺田コレクション」のように、コレクターが個人的に収集した作品を核にした美術館は多くあります。コレクターのプロフィールをチェックしてから作品を観ると、面白さも倍増するはず。都内で個人コレクションを観られる美術館を4館ご紹介しましょう。

原美術館

実業家原邦造のかつての邸宅を改装して作られた現代美術専門の美術館。期間によって公益財団法人アルカンシエール美術財団の理事長原俊夫による現代美術のコレクションをたっぷりと堪能できます。

松岡美術館

大正から昭和の時代を駆け抜けた実業家松岡清次郎による、エジプト、ガンダーラ、エコール・ド・パリ、中国の陶磁などをはじめ、古代オリエント美術、古代東洋彫刻、現代彫刻といったさまざまなジャンルの美術品が集められたコレクション。1日いられる充実した展示です。

根津美術館

【ふらりと大人美術館】vol.7「毎年1度だけ!圧巻の国宝“燕子花図”が観られる“根津美術館”へ」でもご紹介した美術館。東武鉄道の社長などを務めた実業家で、茶人、そして美術品のコレクターだった初代根津嘉一郎の集めた日本と東洋の古美術品が揃います。国宝だけでも7点を所持!

アクセサリーミュージアム

父親の代からアクセサリー卸会社を営んでいた館長 田中元子の膨大なコレクションに目が釘付けになるミュージアム。バブル時代の凶器のような大ぶりのアクセサリーも必見!

 

※ 画像の転載は一切禁止させていただきます

(※ 情報は2018年10月現在のものです)

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