見るだけでなく美術作品を「体験」してみよう
null新宿から京王新線でひと駅、初台駅に直結している東京オペラシティタワー内にある『NTT インターコミュニケーション・センター』(以下、『ICC』)は、好奇心いっぱいの子どもたちも楽しめるメディア・アートの文化施設。
日本の電話事業100周年の記念事業として作られ、NTT東日本が運営しています。
ロビーの床面にある1900年代から現在にいたるまでの芸術文化と科学技術のかかわりあいを示した展示も非常におもしろいものですが、こちらはまだ導入部。
『ICC』が主に展示しているのは、“メディア・アート”と呼ばれている作品群です。
新しいアート「メディア・アート」にふれてみよう
null“メディア・アート”とは、インターネットやコンピュータ、テレビやラジオなど“メディア”に関する技術や装置を利用した芸術作品を指します。
見る人が触ったり、声をかけたり、体を動かしたりすることで作品そのものの形状などが変化するものが多いのも特長。少し専門的な言葉を使うと、“双方向性”がある作品、あるいは“インタラクティブ性”がある作品です。
絵画や彫刻のように、立ち止まって見るものではなく、五感を使って“体感”していきます。
たとえば、緒方壽人の『Oto-megane』は、何も映っておらず、けれども何かの音がする白いディスプレイの作品。このディスプレイを“音めがね”をかざして覗いてみると、その音の正体がわかる仕組みです。
岩井俊雄の『マシュマロモニター』と『マシュマロスコープ』は、かわいらしいフォルムのなかに、モニタやカメラが組み込まれた作品。作品内に映し出された自分や友達の姿は、そのままではなく、“ある変化”が加えられています。
その“ある変化”については、ぜひ実際に見て体感してみてください!
このほか、『herering』のように、鑑賞者が何かアクションを起こせば、目の前の作品の音や映像がわかりやすく変化するものが多く、大人も子どもも作品を“体験”することに夢中になってしまう場所なのです。
こちらの『振動電話“ふるえ”』は筆者の個人的なお気に入り。耳ではなくお腹と背中に振動スピーカーを取り付け、振動で会話を試みるという作品です。
親子で、夫婦で、お友達同士で楽しんでみてくださいね!
安心しておむつ交換・授乳ができる、ママにやさしい設備
nullそして『ICC』を訪れたときに嬉しいのは、その設備! 今年度からベビーコーナーが新設され、おむつ交換台2台と施錠可能な授乳スペース2室が設置されました。
さらに、調乳用の給湯器とシンクも設置されています。
小さなお子さん連れの方は誰でも利用できるそうで、授乳期のママにも、おむつ替えが必要なお子さんと一緒のパパにもうれしい設備ですね。
“メディア・アート”はまだ歴史も浅く、さらにこれから広がっていく新しい分野の芸術。テクノロジーの進歩が著しくすっかりデジタルが浸透してきた現代でも、誰もが新鮮に受け止めることができるはず。
休日に家族で出かけて、最新アートを体感してみませんか?
【施設情報】
東京都新宿区西新宿3‐20‐2 東京オペラシティタワー 4階
開館時間:11:00~18:00
休館日:月曜、年末年始、保守点検日(8月第1日曜、2月第2日曜)
最寄り駅:京王新線「初台駅」下車 徒歩2分
体験型の展示は大人も子どもも大喜び!
null『ICC』以外にも、じつは体験型の展示をしている美術館はたくさんあります。都内近郊でアートを体感できる施設を4つご紹介しましょう。子どもはもちろん、いつの間にか大人も夢中になって時間を忘れてしまうかもしれませんよ!
『東京おもちゃ美術館』
廃校となった小学校を利用した、おもちゃ専門の美術館。10万点以上のおもちゃが収集・展示されています。実際に手にとって遊べるコーナーが大人気。
『深川江戸資料館』
江戸時代 天保年間の江戸、深川の町並みを再現した資料館。長屋や商店、屋台のなかを自由に歩き回って江戸の文化を学ぶことができます。八百屋さんにならぶ野菜(レプリカ)なども、おさわり&撮影OK!
『東京国立博物館』
「【ふらりと大人美術館】vol.1 国宝89件! 夜も楽しめるトーハク“東京国立博物館”」でもレポートした「トーハク」こと『東京国立博物館』は、じつは子ども向けの教育普及活動も活発。
本館19室に設置された「みどりのライオン 体験コーナー」では、スタンプを押してオリジナルのポストカードを作ったり、3D画像で作品画像を動かしながら鑑賞したりする体験ができます。
『彫刻の森美術館』
箱根にある野外彫刻専門の美術館。広い敷地内には、子どもたちが体を使って遊べる作品や場所があります。彫刻のなかに入って遊べる「しゃぼん玉のお城」や、「ネットの森」では1日中遊ぶ子どもも!
(※ 情報は2017年11月現在のものです)