日本のソフトボール界の風雲児・本庄遥
nullソフトボール選手として活躍する本庄遥さんは、現在立命館大学4年生。自ら見つけてきたスポンサー15社と契約し、男子ソフトボールチーム「てっぺんレッドスターズ」に在籍しながら活動中です。
本庄さんがソフトボールを始めたのは、小学2年生のとき。その後、めきめきと実力をつけ、高校時代にはインターハイ優勝を経験。名門・立命館大学に入学した後は、大学1年生で最優秀投手賞を受賞するなど、輝かしい戦績を重ねてきました。
ただ、その後、本庄さんは圧倒的にオリジナルな道を歩き始めます。
8倍の倍率の奨学金を勝ち取ってオーストラリアへソフトボール留学。帰国後は自らスポンサーを探し、クラウドファンディングでファンを獲得しながら、選手としての活動も続けるなど、ソフトボール界の常識にとらわれない活動を行っているのです。
目下の目標はアメリカリーグ進出と東京オリンピック出場。10月にアメリカで現地のトライアウト(入団テストのようなもの)を受けるため、現在は渡米準備期間だそう。
本庄さんのこの類まれな行動力と、自ら道を切り開いていくタフな精神力はどうやって育まれたのか……お話しを聞いていると、ご両親の子育て方針が大きかったことが伺えます。
【本庄家のルール1】どんなことも自分で考えさせる
私はとにかく小さい頃から好奇心旺盛。そして両親は、その好奇心にいつも火をつけてくれました。私が「なんで?」と聞くと、いつも「なんでだと思う?」とまずは、私の意見を聞くというのがお決まり。
おかげで、何事も「まずは自分で考え、自分の意見を言う」というのが習慣になっていったように思います。
私は今、この業界では非常に珍しい「フリー」のソフトボール選手という立場です。実業団入りを目指すのがスタンダードな日本で、あえて「フリー」を選んだのも「自分で考えた」結果。
今はSNSをはじめ、色々なツールがありますから、それをうまく使うことで多くの人に私を知ってもらうことができますし、YouTubeやTikTokで動画をあげたり、ブログでもいろんな記事を書いて発信することも可能です。
少しずつではありますが、スポンサーも増えていますし、クラウドファンディングでファンの皆さまからの応援も受けることができます。
実業団に所属しないでやっていく……じゃあ、どうすれば?となったとき、自分の頭で考え、活動できる、そんな素地を作ってくれたのは間違いなく両親の教えですね。
【本庄家のルール2】怒らない、とにかく褒める
私は今まで一度も両親に怒られたことがありません。そして両親に褒められた経験は星の数ほどあります。
日常のどんな些細なことでも褒めてくれるんです。今思えば、父や母に褒めてほしいという一心で色々なことに挑戦してきたなあ、と思います。
そして「これ言ったら怒られるかも」と思わないので、どんなことでも話せるんですよね。これも大きかったと思います。
褒めてもらえると、自信がつく。自信がつけば、また次のステージにステップアップできる。
それは、オーストラリア留学のときも同じことを思いました。海外の人は自己主張が強いけれど、一方でとても素直な人が多い。よいプレイをすれば、たくさん褒めてくれるし、ダメなプレイをすれば、きちんと注意してくれるんです。
オーストラリアは、自分にはとても合ってる環境だったと思います。
【本庄家のルール3】大事な判断は自分で決めさせる、反対はしない
私はこれまで、進路はすべて自分で決めてきました。親に「〜したほうがいい」と言われたことは一度もありません。
中学進学のときも、近くの中学校ではなく、自宅から少し離れた場所にあるソフトボールが強い学校を選んだのも自分ですし、高校も自分で選んだ学校に進学しました。
高校は親元を離れての寮生活でしたが、私が決めたことだからと、両親は一切反対することはなかったですね。留学を決めたときも、これからアメリカのリーグに挑戦すると決めたときも同じ。いつだって両親から返ってくる言葉は「好きなようにやりなさい」なんです。
今まで何度かソフトボールをやめたいと思ったことがあるのですが、そのタイミングでも両親は「やめたければやめればいい。自分で決めなさい」と。
だから私の行動は100%自己責任。自分で決めたから言い訳はできない。だからたくさん努力する。「自立している」と言われることが多いのですが、それも子どものころからの積み重ねなのかもしれません。
オリンピック出場が目的ではない。その先にあるのは……
null私はとにかくソフトボールが好き。
アスリートなので、選手としてトップを目指したいという気持ちはもちろんありますが、一番幸せな瞬間はいつかと聞かれたら「みんなで勝ちにいってる、あの瞬間」なんですよね。
だからこそ、もっともっと多くの人にソフトボールをプレイしてほしいと思っているし、そのための環境を作っていくのが夢なんです。
東京オリンピックの先は、私自身もっといろんな国でプレイしたいし、海外でソフトボールをやりたいと思っている後輩たちの助けになるような活動も広げていきたい。そのためにコーチングを学んだりもしています
子どもが野球やソフトボールなどをやっているお母さんたちから「どうやったら本庄さんのようになれますか」と相談を受けることがあるんです。
そういうときに必ず言うのが「あなたが楽しいと思ってやっていることを、ママは応援してるよ」と伝えてください、ということ。
それが、今の私にとっても何よりの支えになってくれているから。
誰よりもパワフルに、伸び伸びと自分の人生を切り開いている本庄さん。東京オリンピックもその後も、活躍が楽しみです!
(構成・文/皆川彩乃)
本庄遥(ほんじょう はるか)
フリーソフトボール選手。1996年3月29日生まれ。O型。身長154cm。小学生でソフトボールをはじめ、高校時代にはインターハイ優勝。立命館大学在学中にオーストラリアへソフトボール留学。現在、男子ソフトボールチーム「てっぺんレッドスターズ」に在籍。スポンサー15社と契約。
好きなアーティスト:aiko、西野カナ、EXILE
特技:歌を歌うこと 趣味:読書、ブログを書くこと、動画編集
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