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娘(高1)の「おにぎり弁当」作りは夫の担当。気仙沼産の「瓶詰めの具」が大活躍【お米農家のヨメごはん】

こんにちは! 富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・16歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らす。そんな私たちの、食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載141回目。

今回は、旦那さんが作る娘のおにぎり弁当について、そして稲刈りが終わっても農繁期が続く様子をお伝えしたいと思います。

娘のリクエストで、お弁当は「おにぎり」に

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いつ頃からか、娘がお弁当におにぎりをリクエストするようになった。理由は、限られたお昼休み時間にササっと食べられるから。

この連載でも何度か紹介してきたように、我が家の朝ごはん担当は旦那さん(連載115回「我が家の朝食担当はダンナさん!」)。

その横で私がお弁当を作っていたわけだけれど、おにぎりなら旦那さんでも作れるのでは? 朝ごはんを作るついでにどう? と、しばらく旦那さんにお任せしてみたら、すっかり旦那さん担当になった。しめしめ。

おにぎりの具は、その日の気分で変わる。
この時は、鮭と鯖。どちらもマヨネーズ和え。

冷蔵庫に常備している、水産加工品の瓶詰め各種。気仙沼の「あかふさ食品」から時々お取り寄せしている、お気に入りだ。

「あかふさ食品」は東日本大震災で工場が甚大な被害を受け、社長さんも逝去。その後、息子さんが工場を立て直す際に、添加物を使った味付けは一切やめて、すべて無添加・自然な素材だけを使った商品作りを行っている、という会社だ。

我が家ではこれを、おにぎりの具にしている。

ご飯は無理せず、冷凍してあったものを使う。
レンジで温めて、具を置いていく。手のひらを水で濡らして、塩を少々。

あとは、ふんわり握るだけ。

海苔にはこだわって。

本当に美味しい海苔を一度でも食べてしまうと、もう元には戻れない。シンプルなおにぎり弁当なんだから、海苔くらいは贅沢に。

海苔はしっとり派の娘。おにぎりができたら、すぐに海苔で包む。
冷ましてから、さらにラップで包む。

そうそう、一昨年にもご紹介した「おにぎりアクション」が、今年も始まっている。

私たちの食=おにぎりを通じて世界をちょっとだけ良くする行動で、「おにぎりの写真」をSNS(Instagram、X、Facebook)、または特設サイトに投稿すると、世界の子どもたちに給食が届く仕組みだ(協賛企業から給食5食分相当がアフリカ・アジアへ寄付される)。

必要なのはおにぎりだけで、作っても買ってもOKという手軽さ。期間中(~11/16)は何度でも、特設サイトへ又はSNSで #OnigiriAction とハッシュタグを付けて投稿するだけだ(ストーリーズや非公開アカウント、友達限定投稿は対象外)。

さておにぎりも冷めたようなので、専用の保冷バッグに入れて。お味噌汁が入ったスープジャー、麦茶のボトルの3点セットが、最近の娘のお弁当の定番だ。

これなら旦那さんも無理なく、娘もササっと短い時間で食べられる。そして私は、朝の時間をゆっくり過ごせる。

三者が笑顔(旦那さんは仕事が増えたから笑顔ではないかも?)になれるおにぎり弁当、最高!

娘のお弁当が「おにぎり弁当」になる前は、お弁当で作ったおかずをお昼ごはんに食べていた私たち夫婦。

おかずがなくなったので、私たちも「あかふさ商店の瓶詰」から、その日の気分で好きな物を選んでいる。あとは簡単にサラダや前の晩の残り物、そしてお味噌汁。

この日はちょっとエスニックな「ピリ辛の鮭」をチョイス。白いご飯にとっても合う。

しばらくは、これが私たち家族のお昼ごはんのおかずになりそうだ。

稲刈りの片付けと、堆肥の仕込みの日々!

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さて農作業の方は、稲刈りが終わっても引き続き忙しい日々が続いている。
稲刈りの片付けと並行して、堆肥の仕込みがこの時期の主な作業だ。

乾燥調製(刈り取った“籾=もみ”を乾燥させて、玄米にする作業)で、大量に出てくるのが籾殻(もみがら)。お米を守っている一番外側の皮の事だ。実はこの処理には、多くの農家が困っている。とにかく大量に排出されるのだ。

稲刈りの合間に乾燥調製をして、そこで大量に出る籾殻を、乾燥調整の作業の合間に田んぼにまきに行く。そういう流れが延々と続くので、稲刈りに集中できない。

これまでずっと、籾殻の一部を堆肥に熟成させて田んぼに散布していた。今年からは意を決して、全ての籾殻を堆肥にするべく籾殻置き場を増設した。

きちんとした設備は金銭的に苦しいので、自分の手で、できる範囲で無理なく。ホームセンターで購入した単管などを使って組み立てた。

このおかげで今年は、乾燥調製の合間に籾殻を処分するという工程がなくなった。

乾燥調製が終わってから、全ての籾殻を堆肥に仕込む。米糠(こめぬか)や、発酵を進めてくれる微生物を混ぜて熟成させる。

「混ぜて」と一言で片づけたが、大量なので手やスコップでかき混ぜるのは不可能。トラクターに取り付けた作業機で、何度か混ぜる。1カ月ほどたてば、良い堆肥になっているはず。

11月には、田んぼに散布できるでしょう!

濱田律子
濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係わらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。黒部の専業米農家『濱田ファーム』はこちら。

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