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子育ての要注意ワード、「絶対に言わないと決めている」ことは何?実践してどうだった?

子育ては悩みがつきもの。自分にとっては何気なく発した言葉でも、子どもにうまく伝わらなかったり、かえって逆効果になったりする場合があります。LINEなどのメッセージとは違い、生で発する言葉だからこそ気を付けたいもの。

そこで今回『kufura』では、子育て中の20~50代の男女173人にアンケート調査を実施。「子どもに絶対に言わないと決めていること」について聞きました。

「これだけは言わない!」と決めていることがある、という人が半数以上

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まず、「子どもに絶対に言わないと決めていること」の有無を尋ねてみたところ、以下のような結果になりました。

【「子どもに絶対に言わないと決めていること」はありますか?】

ある・・・56.1%(97人)

ない・・・43.9%(76人)

子育て真っ只中の20~50代では、半数以上が子どもに対して絶対に言わないと決めていることが「ある」と回答しています。

逆に「ない」と回答している人は76人と全体の4割程度にとどまりました。そのうち34人は子どもの年齢が14歳以上と高く、成長とともに親が口を出す頻度が減っていくのかもしれません。

言わないと決めているのはどんなこと?みんなの「要注意ワード」

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「子どもに言わないと決めていること」は、人によってさまざま。実際に、「ある」と答えた人の要注意ワードを見ていきましょう。

自主性を尊重!「~しなさい」系のワード

「“勉強しなさい”とは言わない。人に勉強しろと言われてもやるわけがないと思っているから。人に勉強を催促されていないおかげで、少なくとも勉強に対して嫌悪感を持たずに済んだと感じる」(52歳女性/主婦)

「“お兄ちゃんだから我慢しなさい”と言わないようにしている」(40歳女性/主婦)

「“ゲームをやめなさい”とは言わない。自主的にやめないと効果が無いから」(54歳男性/会社経営・役員)

命令や指示口調の言葉は、無意識のうちに親と子どもとの上下関係を感じさせてしまいます。「~しなさい」という言葉を投げかけても、子ども自身の「やる気」は育ちません。

その他の回答には「“早くしなさい”と言わないようにした結果、子どもが自分のペースで動けるようになった」といったものも。

子どもが自ら動くのを見守るという形をとった方が、何事もうまくいきやすいのかもしれませんね。

あんた、おまえなどの「乱暴な呼び方」

「“あんた”とか“おまえ”とかは使わないようにしている。一般的に蔑称と思われる言葉であり、親が使っている家庭の子は当然のように使っているのを見て、自分の子には使ってほしくないと感じたため」(49歳女性/主婦)

 「自分も親から“おまえ”と呼ばれたことがないので、“おまえ”とは言わない」(51歳女性/主婦)

筆者は実際に、子どもに対して何気なく「あなたね~」と言ったところ、子どもから「私の名前はあなたじゃない!」と言われ、はっとしたことがありました。

子どもの名前は唯一無二のもの。乱暴な呼び方はもちろん、「あなた」なども避けてできるだけ名前で呼ぶことは、コミュニケーションのひとつとして大切なことだと感じます。

思うところあっても、子どもの前では…「家族の悪口」

「お父さん(旦那)の悪口。お父さんをけなすような人になってほしくない」(41歳女性/総務・人事・事務)

 「子どもから見ると、母親の悪口やほかの人への悪口はよくない。悪口を言うような子になって欲しくないので、頭にきていても子どもの前では言わないようにしている」(52歳男性/その他)

疲れていたり余裕がなかったりすると、愚痴を吐きたくなる気持ち……とても分かります。ただ、夫婦間の愚痴を子どもに言うのは考えもの。悪い面ばかり聞いていると、父親(母親)を尊敬できなくなり、子どもとの関係性が悪化してしまうかもしれません。

家族間で本音を言うのは大事なこと。ときには夫(妻)の悪い点を子どもの前で指摘する必要がある場面もあるかもしれませんが、それとあわせて「でも、いつもこんな風に頑張ってくれてるよね」などのフォローも一緒に共有することが大切だと感じます。

兄弟や友達など、「人と比べない」

「上下関係を作らないために、姉妹で比較しないようにしている」(29歳女性/その他)

「お互いにイヤな気持ちになってしまうので、ほかの人と比べないようにしている」(55歳男性/その他)

「自主性が育たなくなるので、“ほかの子はやっている”など、比べたりするような言葉はかけないようにしている」(57歳男性/コンピュータ関連)

筆者にも3人の娘がいるのですが、悪気なく姉のことを褒めると、ほかの妹たちから「私のことも褒めてよ!」と言われることがあります。このとき、比べたつもりはなくても、「褒められない=私はいいことをしていない」のように劣等感を持つこともあるのだと実感しました。

兄弟がいると、つい「ほかの子と比べる」という現象が起きてしまいがち。わざと比較するのはもちろんですが、ひとりだけ褒めるときは場所を移すなど、ほかの兄弟への配慮をするといいのかもしれません。

「容姿や存在」に関する言葉も要注意

「容姿に関すること。小さいうちから、言うべきでないことだと知ってほしいから」(39歳男性/研究・開発)

「“あんたなんかいらない”とか、“生まなきゃよかった”など。存在自体を否定するのは、絶対無しだと思うから」(46歳女性/総務・人事・事務)

「子どものおでこにアザがあるが、気にしてほしくないので絶対に言及しないようにしている」(57歳女性/総務・人事・事務)

見た目に関することは、子どもであってもデリケートな部分。冗談半分でも、言ってはいけない言葉です。悪気がなかったとしても、子ども自身は「言われたくないこと」かも?という配慮を忘れずに。

また、褒め言葉としての「可愛い」や「背が高い」なども、例えば「まわりに“あなたは可愛いからいいよね”と言われて気にしている」といった状況では、避けるべきワードにもなりえます。

深い傷になりかねない「暴言ともとれるワード」

「“バカ”などの暴言、言われると傷つくしやる気もなくなるし、何より深い傷になるのをわかっているから。暴言を吐いていいことは何一つない」(35歳女性/その他)

「軽口でも“死ね” “殺す”は絶対に言わないようにしています。言葉の重みを考えると、軽々しく使って良い言葉ではないので」(41歳女性/主婦)

「死にまつわる言葉。人を追い詰めることがある言葉を言うことは、人間性の現れだと思う」(55歳男性/技術職)

大人の私たちでも、暴言のようなパワーのある言葉は心に負担がかかります。敏感な子どもとなれば、その影響はどれほど大きいものか想像に難しくありません。人を傷つけることしかない強い言葉は、たった数文字でも重みがあるもの。「決して軽々しく口にしてはいけないもの」という認識を持たなければなりません。

その他、こんな「要注意ワード」もありました

「“前も言ったでしょ”って言葉は使わないようにしている、質問することは大切だから。わからないことは聞いてくれる」(38歳女性/総務・人事・事務)

「必要以上に怒らない」(53歳男性/その他)

「“面倒くさい”と言わないようにしています。自分のペースでコツコツこなして欲しいから」(39歳女性/主婦)

「下ネタは下品なので言わないと決めている」(58歳男性/コンピュータ関連)

各家庭ごとに決めている「要注意ワード」もあるでしょう。コメントのなかには、「その通りだなぁ」と思うものもあれば、「これはちょっと自分とは考え方が違うかな」というものも。

例えば筆者は、「前にも言ったよね?」は使っています。その理由は、聞いた責任を放置してほしくないから。家族ならまだいいけれど、お友達や先生が相手だったとき、「聞いた責任を持たず何度も聞き返すのはどうなのか……」と感じるので、きちんと話を聞くことは大事だと話します。

令和の子育ては、昭和のように厳しく叱ることが「当たり前」ではなくなりつつあります。もちろん子育ての形は十人十色ですが、子どもは思っている以上に敏感です。

とはいえ、親も人間。思うようにならないときは、つい言葉遣いが荒くなってしまうこともあるでしょう。そんなときは一人で抱え込まずに、家族・友人・専門機関の手も借りながら、まわりを巻き込んで育児を乗り越えていきましょう。

三木ちな
三木ちな

WEBライターとして、主にくらしや節約などの記事を手掛ける。趣味は節約と貯蓄で、業務スーパー歴20年のマニア。

仙台市出身で、現在は埼玉県在住。3人の子どもと夫との5人暮らし。クリンネスト1級、節約生活スペシャリスト、整理収納アドバイザー1級、腸活アドバイザーの資格をもつ。

X(旧Twitter)はこちら→@natsumama0805

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