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反抗期がない子どもが増えている!? 我が子の反抗期でつらいのは「無視」「暴言」「モノに当たる」

子育てをしている多くの方が、頭を悩ませる「子どもの反抗期」。我が子と言えども接するのが難しいと感じる時期です。二次反抗期と呼ばれる主に10代の反抗期は、思春期にはよくあることと頭では理解しつつも不安やイライラが募りますよね。

今回『kufura』では30~70代の男女396人に「子どもの反抗期」についてのアンケート調査を実施。子どもの反抗期で苦労した点や、近頃よく耳にする「反抗期のない子どもが増えている」ことについての意見を聞きました。

我が子の「反抗期」を体験した人はどれくらい?

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まず、子どもの「反抗期」の有無について尋ねたところ、以下のような結果となりました。

【30~50代】145人(※まだ小さいのでわからない、と答えた49人を除いて集計)
あった・・・59.3%(86人)
なかった・・・23.4%(34人)
反抗期があったのかわからない・・・17.2%(25人)

【60~70代】202人
あった・・・55.0%(111人)
なかった・・・29.2%(59人)
反抗期があったのかわからない・・・15.8%(32人)

子育て真っただ中の人が多い30~50代では、約6割が子どもに反抗期が「あった」と回答しています。反抗期が「なかった」という人は23.4%と低い割合でしたが、回答者全体(194人)の約4分の1にあたる49人が「まだ小さいのでわからない」と回答しているため、それによって「なかった」が少数となっていることも予想されます。

一方、子育てにひと区切りついた人が多い60~70代でも、半数以上が反抗期が「あった」と回答。反抗期を経験しなかった人は約3割ほどという結果に。また、反抗期の有無について確証が持てないと回答した人は15.8%となりました。

年代によって子どもの反抗期に対する認識や経験には少し差がありました。続いては、子どもに反抗期があったと回答した人に、苦労した点を聞きました。

子どもの反抗期、これが大変だった!

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素直じゃない、話を聞いてくれない

「反抗期」で大変だった点として特に多かったのは、口ごたえをする、不満をぶつけてくる、暴言を投げかけられたという声でした。それまでの素直さはどこへいってしまったのだろうと思うほどの変わりようだったという人もいました。

「あー言えばこう言うで天邪鬼。自分の考えではなく、構って欲しくて言葉を選び反抗してくるのでイライラする」(44歳女性/総務・人事・事務)

「ちょっとしたことでも口答えをするようになってお互いムカついて距離を取るようになった」(42歳女性/主婦)

「何を言っても子どもが言うことを聞かなくて、お互いに、顔を見るのも嫌な中学時代でした。高校受験になって徐々に回復してきました」(52歳女性/総務・人事・事務)

「気持ちが分かるので頭ごなしにしかることはできないし、かと言って、アドバイスしても全く聞く耳を持たないし。やはりかなり疲れた」(67歳男性/その他)

「話したいことがあっても聞いてくれないので予定も組めず苦労した」(68歳女性/総務・人事・事務)

成長期のプロセスであると頭では理解しつつも、子どもの言動にイライラしてケンカに発展することが多かったという経験談が目立ちました。また、

「言われた時の自分の気持ちの持ち直しに苦労した。大丈夫だと自分で思っていてもトイレ掃除をしながら一人で泣いたこともある。反抗するのは当たり前だから子どもには言い返さない」(46歳女性/コンピュータ関連技術職)

など、子どもの気持ちを受け止めるのが大変だったと教えてくれた人もいました。怒りだけでなく、戸惑いや切なさを感じてしまう気持ちにも共感できますね。

子どもから激しい言葉を浴びせられると、母だからこそより深く落ち込んでしまいます……。

モノに当たる

「反抗期」の態度が、モノに当たる行動として表れてつらかったという人もいました。なかには壁に穴が開いてしまったというエピソードも……。

「イライラして壁を殴ったりすることがあり、壁に凹みができてしまった」(58歳女性/その他)

「家に八つ当たりをして壁が穴だらけになった」(76歳男性/その他)

「ものにあたるので、家の壁やドアがぼろぼろになった」(60歳男性/営業・販売)

「不機嫌になって室内の壁を壊されたのには閉口した」(66歳男性/その他)

自分の想いを上手く表現できないのかしたくないのか……気持ちの発散方法がモノを投げたり蹴飛ばしたりという様子は見ていてつらいですね。こちらも感情的になったり、正論を押し通そうとすると火に油を注ぐことに。難しいですが、親の冷静な対応が求められます。

だいたい中学生に上がるころから、徐々に反抗期シーズンが始まります。

何もかもに不機嫌

暴言や暴力などはなくとも、無視や会話にならないといった、コミュニケーションがスムーズにいかなくなったケースも。学校のことや進路のことなど、親としては気になることがいっぱいですが、不機嫌な態度で何を考えているのかわからない時間にモヤモヤしたという意見もありました。

「機嫌よく話してたと思ったら、急に不機嫌になって口を聞かなくなったので困った」(59歳女性/その他)

「何を言っても素っ気なかったり、ちょっとした事で語気を強めたり。言い方に気をつけなくてはいけないので正直疲れることがあります」(45歳女性/主婦)

「何日も口をきかなかったり、些細なことですぐにキレられたりして、本当にストレスでした……」(54歳女性/主婦)

「言葉も交わさず何を言っても無視をされてとても嫌だった」(62歳女性/主婦)

「不機嫌な顔をして、2階の部屋に駆け上がり、ドアをバタン。数週間続いたので本当に困った」(73歳男性/その他)

「不登校になって登校日数が足りなくて、行ける高校を探すのが大変だった」(66歳女性/主婦)

常にイライラしていて、どこに地雷があるかわからない状態が「反抗期」なのかもしれませんが、不機嫌や無視が続くと、対応する親の方も神経がすり減ってしまいます。いつまで続くのだろう……と「反抗期」の渦中は途方に暮れていたという人もいました。

家に帰ってこないことが増えた

反抗的な態度が、家に帰ってこないという形となって表れたというエピソードもありました。かなり不安になりますね。

「反抗した時に外出して、しばらく帰宅しなくて困った」(78歳男性/その他)

「娘が唐突にプチ家出し、行方が分からなくなったこと」(69歳男性/公務員)

「遊びたい年頃だったのを親のエゴで勉強に意識を持たせようとしたが、子どもにはわかってもらえなかった。塾は勝手にいかなくなり、家のお金を持ち出し夜遅くまで遊び、家出を繰り返し大変でした」(76歳男性/その他)

落ち着いて行動しなくてはならないシーンですが、事故や事件に巻き込まれていたらどうしようと心配にならずにはいられません。

このほかにも、「苦労というか、現在進行形でこの世の地獄です」(52歳男性/デザイン関係)といった我が子の「反抗期」真っただ中の人や、「子どもの成長の証なので苦労だと考えたことはない」(57歳男性/その他)と「反抗期」をポジティブに捉えて対応した人など、さまざまな親子関係がうかがえるアンケート結果となりました。ウチも同じ!と勇気をもらえた人もいるかもしれませんね。

思春期はホルモンバランスの変化もあり、感情のアップダウンは仕方がないとはいえ、なかなか大変。

「反抗期がない子ども」が増えているらしい!? それってどうなの?

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近頃は反抗期のない子どもが増えていると言われています。それについてどう思うか意見を聞きました。

なくてもいいと思う

まずは、反抗する必要がないのならなくても構わないのではないかという意見から。反抗せずともきちんと自己主張ができていたり、元からの性格が穏やかである場合はなくてもいいのではないかという意見がありました。

「ずっと素直に親の言うことを聞いているのは問題だが、激しい反抗期が必ず必要だとも思わない」(52歳女性/主婦)

「ちゃんと成長していれば、なくてもいいのではないかと思う」(48歳女性/その他)

「自分の子どもに反抗期がなかったので何とも思いません」(77歳男性/その他)

「自分も反抗期がなかったので何とも感じない。きちんと目標に向かって行動しているので、反抗期がなくとも良いと思う」(61歳男性/その他)

「反抗期」があってもなくても、その子の個性であるという考えや、我が子の激しい「反抗期」を経験した人からは、ないのならそのほうがいい!といった声がありました。ただし、親からの圧力が強すぎて支配的な環境ゆえに「反抗期」がない場合は、大人になってからの反動が怖いのでは?という指摘もありました。

ちょっと心配…

続いては、ある程度の「反抗期」はあったほうがいいのではという意見です。

「長い目でみたら、自分の意見を主張できた方が良いと思うので、反抗期はあったほうがよい」(35歳女性/主婦)

「反抗期がないのは良くないと聞いたことがあり、将来的に歪みが出てくるのではないかと心配になります」(45歳女性/主婦)

「反抗が強すぎても困りますが、反抗期がないというのも不安です。なかったらなかったで心配になる。適度に発散しないと、いつか爆発しそうだ」(55歳女性/その他)

「個人の考えや主張などがわからず将来が心配だ」(75歳男性/その他)

「内に秘めた気持ちが悪い方向に爆発しない事を願う」(67歳男性/その他)

「自分の意見を抑えたこじんまりした人間になりそう」(66歳男性/会社経営・役員)

「反抗期」がないのは、親としては育てやすい反面、いつか感情が爆発しそう……というコメントが多数ありました。「反抗期」は、子どもが自分自身で物事を考え、親など周囲とは異なる自分なりの考えや意見を持つ成長期でもあります。その試行錯誤の表れが「反抗期」ならば、あったほうがいいのではという意見もうなずけます。

反抗期があるほうが、自分の主義主張をしっかり出せる子になる!?

今の時代ならではなのだと思う

時代の変化に伴って「反抗期」のない子どもが増えているのではないかという意見がこちら。

「時代だなーと思う。草食」(54歳男性/公務員)

「ある程度の物は持っているし、反抗することが少なくなったのかと思う」(45歳男性/営業・販売)

「自分の気持ちをうまく表現できたり、理解のある親が増えたからだと思う」(48歳女性/主婦)

「自己意識が無くなっています。みんななんとなく同じ考え方からはみ出さないですね」(72歳男性/総務・人事・事務)

「自己主張ができない子が増えてきていると思う」(74歳男性/その他)

少子化によって核家族化が進み、友達親子と呼ばれる仲の良い親子関係が増えている昨今、居心地のいい満たされた家庭が増えているのも背景にあるのかもしれません。

反抗期がないのは、親としては楽ちん!?

令和の「反抗期」は、昔とは少し異なってきているようです。しかし、「反抗期」のない子どもが増えているとは言っても、親子関係においてのぶつかり合いは少なからずあるはず。「反抗期」に限らず、子どもとの対話やコミュニケーションはいつでも大切にしたいですね。

絶賛「反抗期」対応中の人は、アンケートにも寄せられたように「今となっては反抗期も良い思い出」(57歳女性/総務・人事・事務)という日がきっとくるはず。息抜きしつつ乗り越えていきましょう。

ナカムラミカ
ナカムラミカ

エディター/ライター。大学在学時からライターとして活動、気付けばもうすぐフリーライター歴20年。webサイトや書籍の編集・ライティングなどを担当。料理と暮らしまわりの手仕事が趣味。根っからのインドア派だが、3児の母となりアウトドアの楽しさにも目覚めたところ。

 

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