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「都会育ちor田舎育ち」お得なのはどっち!? 自然かそれとも利便性か…それぞれの魅力を男女500人に聞いた

同じ日本といっても、都会と田舎では環境が大違い。暮らすにおいて、それぞれに一長一短があるかと思いますが、実際のところ都会育ちと田舎育ちはどちらがお得なのでしょうか?

『kufura』では、男女500人(都会育ち183人、田舎育ち317人)を対象に、“都会育ち、田舎育ちでよかったこと”をテーマにアンケート調査を実施しました。

田舎育ちでよかったことは?

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田舎育ちの317人に“田舎育ちでよかったこと”を尋ねたところ、自然豊かな環境にかかわる回答が続出。主な理由として以下の点が挙げられました。

田舎ならではの遊びを満喫できた

「小川で魚をとったり、夏には蛍狩りやセミとり、秋には木に登って柿をとったり、自然が一杯で近所の友達と一緒になって暗くなるまで遊んだ思い出がたくさんあり良かったと思います」(67歳男性/その他)

「クワガタムシが庭にいたり、歩道脇のあけびをとって食べたり、少し歩くと川があり、おたまじゃくしをとってきて飼ったりして自然と触れ合いながら遊んでいました。庭で花火をしたり、焚火をしてサツマイモを焼いて食べたりしていました」(53歳女性/主婦)

「自然豊かで、川でウナギがとれ海では貝がとれ、また山ではクワガタ、カブトムシがとれた。思いっきり外で自由気ままに遊べた」(66歳男性/その他)

「バッタやカマキリ、トンボや蝶々などよく捕まえに行った。田んぼに遊びに行って白鳥がいたり、東北なので冬はスキーをしたり、外で遊ぶことが多かった」(50歳女性/その他)

コメントを読んでいるだけで、まるで映画のワンシーンのような日本のみずみずしい原風景が目に浮かび、なんだかホッコリ。野山や川、海、そしてそこに生息する動植物と触れ合いながら思う存分遊ぶことで、豊かな感性が育まれそうですね。

自然にかかわる知識や知恵が身に付いた

「野菜の収穫方法や美味しい食べ方など、普通に知っていたので、逆に常識ではないのかと、都会に出てから驚いた」(48歳男性/コンピュータ関連技術職)

「周囲に自然が多く、日常生活のなかで植物や虫の名前を覚えた。今でも道端に咲いている花の名前がすぐにわかる」(52歳女性/主婦)

「山に登ったり川で遊んだり、それが普通であって危険なども知らず知らず覚えていた」(63歳男性/総務・人事・事務)

「自然の中でたくさん遊んで、自分で工夫して考える力が身に付いたこと。大人になってから良かったと思うことが多い」(46歳男性/コンピュータ関連技術職)

「子どものころは小刀が必需品。何でも自分で作って遊んだ。夏になると蝉やトンボをとる、竹と針金のお手製の虫とりが大活躍。そのようないろいろな工夫で想像力が培われたのか、今でも家庭内のものを別のものに活用することがよくある」(63歳男性/その他)

田舎で育つと、身の回りが生きた教材だらけ。毎日が“リアル自然教室”状態で、遊びを通じて知らず知らずのうちに会得した知識や知恵が、大人になってからふとした瞬間に役立つこともあるようです。

体力がついた

「近所の神社や河川敷で自然の中を駆け回って遊んだ。おかげで走るのが速くなり、運動神経もよくなった。大人になってからも登山など自然の中でのレジャーが好き」(53歳女性/主婦)

「小さい頃から山や丘の傾斜を歩いて足腰が強くなった」(59歳女性/主婦)

「学校まで4km以上あったが小中と同じ場所なので9年間徒歩で通ったことが今の体力につながっていると思う」(63歳男性/その他)

毎日の通学が都会でいうところの“遠足”レベルだったり、家遊びよりも野外を駆け回る機会が多かったりすることで、体力向上を実感したとの声も。子どもの頃に体を動かす習慣が当たり前に身に付いていると、大人になってからも運動へのハードルが低いというメリットもあるかもしれませんね。

おおらかに育った

「空気のきれいなところですくすくと育った。自然の中で近所を気にせず大声で遊んだ」(61歳女性/総務・人事・事務)

「自然が多い中で、勉強や人間関係など細かいことにとらわれずに育つことができたこと」(54歳女性/出版・マスコミ)

「土の匂いや木々の葉が鳴らす音を感じながら日が暮れるまで遊んだことは、自分ののびのびした性格を形成してくれたと思っています」(55歳女性/その他)

広々とした豊かな自然のもとで、おおらかな性格が培われたとの声も寄せられました。気質は生まれつきのものもありますが、たしかに環境による影響も少なからずありそうですよね。

ご近所付き合いが温かい

「ご近所のおばあちゃんが親切で、隣近所が親戚のような関係だった」(69歳女性/主婦)

「隣近所との付き合いが濃密で些細なことでも困りごとがあれば助け合う。おかげで治安もよい」(66歳男性/その他)

「周りの大人が知っている顔が多かったので、きちんと挨拶をするようにしていた」(45歳女性/その他)

“自然”とは直接関係のないことがらですが、田舎ならではのほのぼのとした人付き合いをメリットにあげる人も。ご近所同士がみな顔見知りで自然と声をかけ合うような環境であれば治安もよく、安心して子育てもできそうですね。

都会育ちでよかったことは?

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田舎が“自然”に関するメリット満載であったのに対し、都会育ちのキーワードは“利便性”。183人から以下のような推しコメントが寄せられました。

交通の便がよい

「電車利用のみで通学・通勤ができた」(62歳男性/その他)

「病院、学校、公共施設、商業施設、どこへ行くのもアクセスがよい」(50歳男性/営業・販売)

「交通の便がよい。マイカーに依存しないで済む」(59歳男性/営業・販売)

「都会のなかでも郊外ですが、電車で繁華街にすぐ行ける」(59歳男性/その他)

「電車を利用する際に時刻表を確認する必要がない」(61歳男性/その他)

“生活の利便性”にかかわる声のなかでも特に多かったのは、公共交通機関の充実ぶり。早朝から深夜近くまで、電車もバスも縦横無尽に走っているので、いつでも自由に行動しやすいというのは都会の大きな恩恵のひとつです。

飲食や買い物に便利である

「買い物で苦労したことがない。欲しいものはだいたい近場で買えた」(40歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)

「コンビニやスーパーが徒歩圏内で助かる」(38歳女性/総務・人事・事務)

「お店が多種多様。物でもサービスでもすべてにおいて選択肢が多い」(59歳女性/主婦)

前述の交通の便にも関係しますが、お店の数や種類が豊富で、飲食するにもショッピングするにもまず困らないのも都会育ちのメリット。場合によっては、交通機関に頼らずとも、徒歩圏で生活に関するあらゆるものがそろうことも珍しくありません。

文化や流行に触れやすい

「海外のアーティストのコンサートが、必ず自分の住んでいる近くに来るから、長距離移動しなくても見れたこと!」(55歳女性/主婦)

「演劇や音楽ライブ、映画館等好きなことが近かったので、都会住まいは充実していてよかった」(60歳女性/主婦)

「プロのオーケストラがあった。美術館、博物館など文化施設があった。大きな図書館があった。いずれも教養を高めるのに役立った」(67歳男性/その他)

「習い事や塾や学校選びなど、選択肢が多かったこと」(63歳男性/その他)

さまざまな文化施設が充実しているのも都会ならでは。今はインターネットの発達で、情報へのアクセス自体は都会と田舎で差がなくなりつつありますが、生の作品に触れられるという点では、やはり都会に軍配が上がりそうです。

人間関係の距離感が心地よい

「人との距離感。付かず離れずがよい」(31歳女性/その他)

「田舎も都会も両方経験しているが、都会のほうが田舎の縛られた人間関係に煩わされることがなくてよかった」(62歳女性/その他)

「いろんな人がいる。イヤな人もいい人もいっぱい見てきたから人を見る目は養われた」(57歳男性/営業・販売)

密接な人付き合いを苦手とする人からは、「都会のドライ感がちょうどいい」との意見も。ただ、田舎といっても人間関係の濃淡はさまざまですし、都会は都会でかえってデリケートな関わりに煩わされることもあるので、こればかりは実際に暮らしてみないとわからない面もあるかもしれません。

 

都会、田舎と一口に言っても、“田舎寄りの都会”や“都会寄りの田舎”もあり、一概にいえない部分もあります。また、都会も田舎もいいところばかりではなく、その裏返しとして、さまざまなデメリットがあるのもたしかです。「子育てするのに田舎と都会どっちがいい?」「今は田舎(都会)暮らしだけど、いずれは移住したい」などお悩みの人はぜひご参考にしてみてくださいね。

中田綾美
中田綾美

成人までの人生を受験勉強にささげた結果、東京大学文学部卒業。その後なぜか弁護士になりたくて司法試験に挑戦するも、合格に至らないまま撤退。紆余曲折の末、2010年よりフリーライターの看板を掲げています。

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