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ネットで話題の「子持ち様」問題、みんなはこの言葉をどう思っているのか聞いてみました

「子持ち様」という言葉、みなさんご存じでしょうか。子どもを持つ親が、子どもの体調不良や学校行事などを理由に仕事を休んだり、早退するなど、職場などで配慮を受けていることを皮肉交じりに揶揄するネットスラングのひとつです。最近では、子育て世帯への援助政策が打ち出された時や、子連れの人の行いを問題視する時などに使われることもあるようです。

今回『kufura』では、30~50代の子どものいる203人、子どものいない230人を対象に「子持ち様」についてのアンケート調査を実施しました。「子持ち様」という言葉の理解度や、どのように感じているかなどを聞きました。

「子持ち様」という言葉、どのように認識している?

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まず「子持ち様」という言葉がどういった意味の言葉だと思うかを尋ねたところ、「初めて聞いた」「知らなかった」という人もいましたが、半数以上の人が以下のような意味で認識していることがわかりました。

「子どもをいることを免罪符に周囲の迷惑を顧みず行動する人」(28歳女性/コンピュータ関連技術職/子なし)

「小さな子どものいる人の特権意識を揶揄して言う言葉」(55歳男性/その他/子あり)

「子持ちだからいろいろ優遇してもらえると勘違いしている親」(33歳女性/医師/子なし)

「子どもを盾に図々しい態度を取って、それを何とも思わない人」(51歳女性/主婦/子あり)

「子持ちは優遇されて当然という態度で、周りにも気配りもなく、子どもを理由にさぼっていることが疑われている人」(52歳女性/その他/子なし)

なかには「おひとりさまみたいな感じ?」(51歳男性/その他/子あり)、「お子様連れのお客様のこと」(37歳男性/その他/子あり)、「メスの魚のことだと思う」(52歳女性/その他/子なし)と答えてくれた人もいましたが、多くの人が、育児や子どもを理由に特別な扱いを要求したり、周囲に対して無遠慮な態度をとる親を指す言葉として認識しているようです。

筆者にも3人の子どもがいるので、他人事ではないと思っています。気を付けなくては……と心掛けているのですが、みなさんはどのように考えているのでしょうか。続いては、「子持ち様」という言葉についてどう思うかを聞いてみました。

とはいえ小さい子の行動は大人になるための準備段階、温かい目で見守りたくもあります。

理解できる、気持ちはわかる

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子育てが大変なことは理解した上で、「子持ち様」という言葉を使いたくなる気持ちもわかるという声が多くありました。子どもの体調不良で欠勤や早退を繰り返すと、周囲のメンバーのフォローが必要となります。そんななかで、他者への気遣いや自省が足りない場合は、自己中心的にみられてしまうようです。これらは、子どものいない人だけでなく、子どもがいる人からも同様の意見が寄せられています。

「子育てが大変なことはわかるが、人として最低限の気遣いや相手を思いやって、自省する気持ちは大切だと思う」(54歳女性/主婦/子なし)

「いじわるな言葉だなと思うが、言われても仕方のない人たちもいる」(52歳女性/総務・人事・事務/子なし)

「子どもを理由にして、他の人に仕事を丸投げしたり、休暇を取る人がいるため、そのように表現したいのは理解できる!」(49歳女性/主婦/子あり)

「子どもがうるさくてマナーの悪い家族が多いのでしょうがないような気もする」(28歳女性/その他/子あり)

「“子持ち様”と揶揄したくなる気持ちはわかります。子持ちの女性の態度に図々しいと感じる事や嫌な思いをした事があります」(53歳女性/主婦/子なし)

「かなり迷惑している。会社は当然の権利と定義しているが、いそがしい時期に長期育休のあとを任された人は大変」(56歳男性/コンピュータ関連以外の技術職/子なし)

実際に職場などで「子持ち様」を迷惑に感じているという声もありました。「この言葉を使う人は会社などで子持ちの人のフォローをして不満を抱えている人だと思う」(34歳女性/その他/子なし)というコメントの通り、自分も子育て中の場合は「お互い様」となりますが、そうでない場合は単なるしわ寄せであり、不公平さを感じてしまう側面があることも理解できます。しかし、多くの人は休みたくて休んでいるわけではないことも伝わるといいですよね。“働き方”の環境は、業種や会社の規模などによっても異なるため、それらの仕組みが整うことが解決に繋がるといえそうです。

「また〇〇さん、早退だって」……職場において、片方の不満が溜まると負の感情が生まれてしまいます。

みんながそうではないと思う

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ネガティブで批判的な意味を含んでいるように感じる「子持ち様」という言葉ですが、決して世の中の親全般を指すものではないという意見もたくさんありました。

「そういいたくなる親を見掛ける事はあるが、全体をそう思って欲しくない」(44歳女性/総務・人事・事務/子あり)

「子どもを理由に傍若無人なふるまいをする人を非難するのも無理はないが、子連れのひとが皆そうなのではない。呼び名を付けてすべての人を一緒くたにするのはいかがなものかと思う」(59歳女性/主婦/子なし)

「たまにそういう人もいるなという感じ。一部の人のせいでその他大勢のまともな親も“子持ち様”と揶揄されるのは気の毒」(52歳女性/主婦/子あり)

多くの親は他人に迷惑をかけないように配慮しながら育児をしているはず。特定の行動に対する非難は理解しつつも、全体を一括して批判することには慎重さが求められています。

「子持ち様」と思われないよう気を付けている

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子どもがいる人からは、周囲に不快感を与えないように意識していると答えた人が多いのが印象的でした。

「ならないように気を付けたいと感じるし、子どもにもきちんとマナーを教えたいと思う」(41歳女性/主婦/子あり)

「自分がそう呼ばれないように気を付けているし、呼ばれる人はよっぽどのことをしていると思うので、普通に周りに気をつかっている人には関係ないと思っている」(42歳女性/主婦/子あり)

「自分が子持ちで、許容してもらわないと行けない場面が多々あるから耳の痛い言葉。周りに不快な印象を与えないよう努力できる行動はとっているつもりだが、陰で子持ち様と言われていたらショック。でも確かに、子ども連れだからとあまりに横柄な態度や騒がしい行動をとっている家族連れがいたら自分も子持ち様と揶揄したくなる」(39歳女性/その他/子あり)

「人の振り見て我が振り直せ」で、さまざまなシーンで「子持ち様」と思われないように心掛けているようです。公共の場で子どもが騒いでも注意しなかったり、他人に迷惑をかける行動をとっている場合などは「子持ち様」と言われてしまっても仕方ないかもしれません。

意地悪な言葉だと思う、使いたくない

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「子持ち様」という言葉は、良い印象ではないので使いたくないと不快に感じている人も多くいました。「おひとり様」という言葉もですが、「〇〇様」という表現は、言葉は丁寧でも、少し悪意を感じてしまいますよね。

「ひねくれた人からの嫉妬の言葉に感じて嫌な気分になる。みんな子どもだったはずなのに、と思います」(46歳女性/主婦/子あり)

「気分が悪い。子どもがいない人のひがみみたいに聞こえる」(33歳女性/主婦/子あり)

「子どもを持たない人が増えた事による社会の偏見を感じる」(54歳男性/総務・人事・事務/子あり)

「自分も子持ちなので肩身が狭くなる」(39歳女性/その他/子あり)

「そんな言葉がはびこる世の中だから、いつまでも少子化問題が解決しないのだと、憤りすら覚える」(36歳男性/学生・フリーター/子なし)

「子持ちでなくてもお互い様に迷惑をかけることはあると思うが、やはり子どもがいる為に迷惑をかけてしまうことも大いにあります。言われても仕方ないと部分もありますが、このような言葉ができることで肩身が狭くなったり子どもを増やす選択肢を躊躇するなどマイナスなイメージになるのは本当に良くないことだと思います」(45歳女性/主婦/子あり)

「一部そういう人がいることは確かだろうが、それに便乗してしっかり頑張って子育てしている人までをも叩く風潮は良くないと思う。結局は思いやりの気持ちだと思う」(31歳女性/企画・マーケティング/子なし)

就職や結婚、出産など、ライフステージが変化すると、周りの環境や見える世界が変わることがあります。子どもがいる、いないに関わらず、一人ひとり事情や状況、考え方が違うことを理解した上で、目の前で起きていることを考えるべきだという意見もありました。

きちんとコミュニケーションをとって、お互いの状況を理解しあえるといいですね。

他にもこのような意見がありました

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「子どもはいないが、子どもを連れた人や子どもに対して一切嫌な気はない。微笑ましいとしか思わない」(55歳男性/その他/子なし)

「特になんとも思わないし、親子連れもなんとも思わない。深入りしないに越したことは無い」(59歳女性/その他/子なし)

「今はなんでもハラスメントをつけられる時代になってしまったので、この現象もその一種だと感じ、ちょっと世知辛い気がする」(55歳女性/その他/子なし)

「ほとんどはしょうがないと納得できるが、著しいマナー違反もあるので、この言葉が牽制になっていると思う」(54歳男性/その他/子なし)

「子持ち様」という言葉に対する意見にはさまざまなものがありました。一部では、育児を理由に特別な扱いを受けようとする人々に対する批判的な視点もありますが、他方ではすべての子持ちを一括して非難することに疑問を持つ声もあります。

今のママは働いている人がたくさんで、専業主婦ばかりだった時代とは全く環境が異なります。さらに、育児はママだけが背負う問題じゃないという認識も広まっています。

今回のアンケートでは、子持ちであることが自己中心的な態度や迷惑行為を正当化する理由になってはならないという意見が多くを占めました。お互いの理解と共感を深めることで「子持ち様」という言葉がなくなるといいですよね。

ナカムラミカ
ナカムラミカ

エディター/ライター。大学在学時からライターとして活動、気付けばもうすぐフリーライター歴20年。webサイトや書籍の編集・ライティングなどを担当。料理と暮らしまわりの手仕事が趣味。根っからのインドア派だが、3児の母となりアウトドアの楽しさにも目覚めたところ。

 

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