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無視、八つ当たり、ため息…これ全部「フキハラ」です!社会人の約8割が「経験有り」の現実

数多く存在するハラスメントの中でも、最近特に注目されている「フキハラ」。言葉こそあまり知られていませんが、実は経験したことがある人は多いとか。「フキハラ」とは「不機嫌ハラスメント」の略語。今回はそんな話題の「フキハラ」について20代~60代の男女500人にアンケートを実施。「フキハラ」の経験について尋ねてみました。誰もが不機嫌の時ってあるので、知らないうちに加害者になっている可能性もあるから要注意! 中には日常的に被害を受けているから、対策はばっちり!という人もいましたよ。

認知度は低め!約9割が知らなかった「フキハラ」とは?

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まずは「フキハラ」(不機嫌ハラスメント)という言葉の認知度を調査したところ、9割以上がその言葉を知らないことが判明。「ハラスメント」とは、そもそも相手に不快感を与える嫌がらせのことで、セクハラ、パワハラ、モラハラ……様々なハラスメントが社会的に問題になる中、「フキハラ」はまだあまり知られていない「ハラスメント」と言えそうです。

■あなたは「フキハラ」という言葉を知っていますか?
「知っている」……8.4%(42人)
「知らない」……91.6%(458人)

25%が上司から…約8割がフキハラ被害の経験あり!

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では実際に「フキハラ」を受けた経験者はどれくらいいるのでしょう。「フキハラを受けた経験があるか?」と質問をしたところ、5人に4人は「フキハラ」経験者であることが判明。「ない」と答えた人は、19.6%(98人)でした。

さらに、具体的に誰に「フキハラ」をされたのかを調べたところ、最も多かったのは「上司」で24.2%(121人)、続いて「同僚」が5.8%(29人)、「妻・夫」が5.6%(28人)という結果に。そのほか、「親」「子ども」「店員」などが挙がりました。

また「フキハラ」の内容について詳しく尋ねてみると、最も多かったのは「無視」や「無言」といった態度、そして相手に当たる「八つ当たり」「逆ギレ」と続きました。また一見「フキハラ」とは関係なさそうに見える「ため息」や「貧乏ゆすり」なども「フキハラ」に入るようです。

話しかけても返事ナシ……これって無視?

職場でも家庭でも多い「フキハラ」は無言の圧力だった

「フキハラ」の代表的とも言える嫌がらせ方法は、「無視」と「無言」。相手がなぜ不機嫌なのか、理由がわからないで受けるケースが多く、やられた側が最も心のダメージを受ける態度と言えるでしょう。

「朝の挨拶から無視をされて、その人がいるだけで場の空気が嫌な感じがしました」(38歳女性/主婦)

「女性に多いが不機嫌で無口になることが稀にある」(48歳男性/公務員)

「娘が機嫌が悪くなると何日も喋らない」(64歳女性/コンピュータ関連以外の技術職)など

特に上司や夫、妻から受けやすい「八つ当たり」

上司や夫婦の間での態度で多かったのが「八つ当たり」や「逆ギレ」。これも受けた側からしたらいい迷惑。特に自分に全く非がない案件で受けることが多く、公私混同されるケースも少なくないことから納得がいかないという人が多いでしょう。

「普段は優しい従妹が、生理痛に苦しんでいる時は不機嫌で何を話しかけても塩対応される」(36歳男性/学生・フリーター)

「子どもに注意したら逆ギレされた」(41歳女性/主婦)

「機嫌が悪いと高圧的になったり自室に閉じこもったり、用意した手料理を食べず一人で外に食べに行く夫。子どもに当たることも」(44歳女性/総務・人事・事務)

「女性の上司だったとき、意味もなく不機嫌(だいたいプライベートがうまくいっていないとき)で八つ当たりされるので、仕事がやりづらかった(残業で片付けるしかなかった)」(52歳女性/総務・人事・事務)

「現在の同僚。家庭でのいざこざを職場に持ち込む」(67歳男性/その他)など

「ため息」「貧乏ゆすり」…意外と他人に迷惑をかけていた

実は加害者は、相手に迷惑をかけているつもりがなくやってしまっている場合が多い「ため息」や「貧乏ゆすり」。意外とされた側は気になるし、仕事に支障が出る場合もあるようです。

「はっきりわかりやすく聞こえるようにため息をつかれた」(40歳女性/その他)

「上司がずーっとイライラして、横の席で貧乏ゆすりをずっとしていたことがとても嫌だった思い出がある」(48歳男性/コンピュータ関連技術職)など

ノリノリでPC作業をしているとき、無意識に貧乏ゆすりをしている人も。

「関わらない」「機嫌を取る」…先手を打つのがベスト!

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「フキハラ」は現在ではハラスメントの一つ。人間誰しも不機嫌な時はあるものなので、加害者になりやすいのが特徴とも言えそうです。それも含めて、被害にあった場合は「相手は機嫌が悪い日なんだな」と割り切ってあげられると、心身のダメージを受けなくていいのかも。なるべくその人と関わらないようにしたり、相談に乗ったり、相手に合わせた対応をするとうまくかわすことができるでしょう。

「不機嫌な相手がいたら必要最低限以外、関わらないようにしている」(31歳女性学生・フリーター)

「夫からいつも受けている。気分が悪いと言いがかりをつけてくる。そんな時は好物の料理を出すと収まる(笑)」(46歳女性/コンピュータ関連技術職)

「妻が不機嫌な時はなるべく外に出かけるようにする」(58歳男性/研究・開発)

「人によって機嫌はいろいろなので、それに対応してうまくつきあっていくしかない」(67歳男性/その他)など

「フキハラ」をしているかも!?と実感している人は約6割

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最後に自分が「フキハラ」をしていると実感しているかを尋ねてみたところ、「ある」と断言した人は2割、「もしかしたらあるかもしれない」という人と合わせると約6割が思い当たるふしがあることが判明。自分では意外と気が付きにくいかもしれませんが、よく考えるとあの時……と思った人もいるかもしれません。

■自分が「フキハラ」をしているかも?と思うことはありますか?

「ある」……20.6%(103人)
「ない」……40.4%(202人)
「もしかしたらあるかもしれない」……39.0%(195人)

数多くのハラスメントの中でも、最も自覚なく無意識にやりがちな「フキハラ」。エスカレートすると「パワハラ」や「モラハラ」にもとらえられやすいので、機嫌が悪くなりがちな人は特に気を付けた方が良さそうですね。

また被害を受けそうな場合や受けてしまった場合は、人間誰しも不機嫌な場合はあると割り切り、ある程度許容してあげるのも手かもしれません。相手の性格や体調などを理解すると、比較的スマートな対応ができるので、そういった意味では扱いやすいハラスメントと言えそうです。

とはいえ、自分も相手もお互いに不機嫌を撒き散らさず、穏やかに過ごすのが一番。不機嫌を表に出すという行為、もうちょっとその影響についてしっかり考えていきたいものです。

上手に自分の機嫌をとっていきましょう!
ちえ
ちえ

エディター・ライター歴20年以上。女性誌やアウトドア雑誌、情報誌、スポーツ誌(自転車雑誌、水泳雑誌)などで執筆。2017年から主人の仕事に帯同しアメリカに移住。小学生の男児、中学生の女児とともに、異国の地での生活に奮闘しながら、執筆活動も継続中。現在はニュースや海外生活情報などを担当。アウトドアと旅行が大好き。趣味はパン作り。

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