今回『kufura』では、20~30代の男女155人、40~60代の男女500人を対象に「おばさん構文」に関するアンケート調査を実施しました。
「おばさん構文」の特徴とは
null絵文字やカタカナが多い、長文、下心が感じられるといった「おじさん構文」と近い部分もありますが、“おばさんっぽい”と思われてしまう「おばさん構文」には以下のような特徴があるようです。
語尾がおばさん言葉
「~だわ」「~よん」「かしら」など、語尾から昭和感が漂ってくるのが「おばさん構文」の大きな特徴と言われています。女性らしさを意識してのものかもしれませんが、年齢を感じさせる言い回しと受け取られてしまうようです。
小文字をよく使う
「おはよぉ」「~だょ」など、「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ぉ」を小文字にしがち。ガラケー時代のギャル文字の名残なのかもしれません。
やたらと文章が長い
若者のLINEがとても短文であるのに対し、おばさんのLINEはとにかく長いのも特徴のひとつ。ガラケーでのメールに慣れ親しんでいたため、1通で話を伝えようと、ついつい長くなってしまうのです。文章が長くなるため、必然的に句読点も多くなります。この点は「おじさん構文」とも共通しますね。短文での軽快なやり取りを好む若者には鬱陶しく感じるようです。
絵文字を多用する&連続で使う
赤いハートやキラキラ、泣き笑いしている顔文字、上げ下げ矢印など、感情を表す絵文字を多用するのも「おばさん構文」の代表的な特徴。同じ絵文字を連続して3つ使うのも、おばさん認定されてしまうようです。絵文字をつけないと冷たい感じがしてしまうという配慮から、つい使いすぎてしまうのかもしれません。
世話焼き感がある
「ちゃんと食べてる?」「風邪ひかないようにね!」など相手を気遣ってのLINEも、“お母さんみたい”と相手がジェネレーションギャップを感じてしまうことがあるようです。
このほか、文頭に季節の挨拶を入れがち、語尾を伸ばすときは「ー」より「~」を使いがちといった特徴があります。
語尾、絵文字……こんな文面は「おばさんっぽい」
null「おばさん構文」の特徴にドキッとした人もいるかもしれませんね。これらを踏まえて、実際にLINEなどの文面で見かけたら「おばさんっぽい」と思うものをそれぞれの世代に聞いてみました。
【LINEなどの文面で見かけたら「おばさんっぽい」と思うのは?(※複数回答で調査)】
(20~30代)
第1位:語尾に「~だわ」「~よん」「かしら」などを使う・・・64人(41.3%)
第2位:絵文字を3つ以上連続して使う・・・46人(29.7%)
第3位:誤字脱字が多い・・・42人(27.1%)
第4位:長文・・・40人(25.8%)
第5位:「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ぉ」が小文字・・・38人(24.5%)
第6位:句読点が多い・・・33人(21.3%)
第7位:「!」を多用する・・・32人(20.6%)
第8位:語尾に絵文字をつける・・・29人(18.7%)
第9位:そのほか・・・15人(9.7%)
第10位:「…」をやたらと使う・・・12人(7.7%)
(40~60代)
第1位:語尾に「~だわ」「~よん」「かしら」などを使う・・・177人(35.4%)
第2位:長文・・・161人(32.2%)
第3位:誤字脱字が多い・・・124人(24.8%)
第4位:句読点が多い・・・114人(22.8%)
第5位:絵文字を3つ以上連続して使う・・・100人(20.0%)
第6位:語尾に絵文字をつける・・・79人(15.8%)
第7位:「!」を多用する・・・70人(14.0%)
第8位:そのほか・・・42人(8.4%)
第9位:「…」をやたらと使う・・・40人(8.0%)
第10位:「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ぉ」が小文字・・・30人(6.0%)
どちらの世代もともに1位は「語尾に「~だわ」「~よん」「かしら」などを使う」となりました。ちょっと古臭さを感じさせる言い回しは誰から見ても「おばさん構文」認定のようです。
注目したいのは、20~30代で2位の「絵文字を3つ以上連続して使う」が、40~60代では5位に、同じく20~30代で5位の「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ぉ」が小文字、が40~60代では10位という点。「おばさんっぽい」と感じる部分には世代間ギャップがあることがうかがえます。
私の文章も「おばさん構文」と思われているかも……とショックを受けた方もいるかもしれませんが、40~60代の回答者に、LINEなどの文面が「おじさんっぽい」「おばさんっぽい」と言われたことがあるかを尋ねたところ、「どちらも言われたことはない」(89.0%)が最多となりました。
「おじさんっぽいと言われたことがある」人は7.8%、「おばさんっぽいと言われたことがある」人は3.4%にとどまりましたが、面と向かって言えないだけなのでは?という一抹の不安が残ります。
40~60代の約2割が「おばさん構文」を自覚している
nullそこで、「おばさん構文」についての率直な気持ちを聞いてみたところ、20~30代、40~60代どちらの世代も「何も気にならない」が最も多く、実際はそれほど気にしていないという現状がわかりました。
20~30代では「自分も書いている」「家族が書いている」という回答がそれぞれ2割ほどで、「おばさん構文」には一定の理解があることがうかがえます。
40~60代では「自分も書いている」(22.2%)と自覚している人と、「自分は違う」(21.7%)と考えている人の割合が同程度となりました。
【「おばさん構文」に関して当てはまるものをすべて選んでください(※複数回答で調査)】
(20~30代)
第1位:何も気にならない・・・62人(40.0%)
第2位:自分も書いている・・・37人(23.9%)
第3位:家族が書いている・・・32人(20.6%)
第4位:わかりにくい・・・29人(18.7%)
第5位:自分は違う・・・22人(14.2%)
第6位:イライラする・・・11人(7.1%)
第7位:知人が書いている・・・7人(4.5%)
第8位(同率):可愛いと思う・・・6人(3.9%)
第8位(同率):その他・・・6人(3.9%)
第10位:上司が書いている・・・5人(3.2%)
(40~60代)
第1位:何も気にならない・・・209人(41.8%)
第2位:自分も書いている・・・111人(22.2%)
第3位:わかりにくい・・・93人(18.6%)
第4位:自分は違う・・・55人(11.0%)
第5位:その他・・・41人(8.2%)
第6位:イライラする・・・40人(8.0%)
第7位:家族が書いている・・・23人(4.6%)
第8位:知人が書いている・・・22人(4.4%)
第9位:可愛いと思う・・・18人(3.6%)
第10位:上司が書いている・・・8人(1.6%)
ガラケー世代、スマホ世代とではメール文化が大きく違うため、それぞれの文体に何らかの違和感を感じてしまうのは仕方のないこと。自分も「おばさん構文を使っているかも」と気になる人は、今回紹介した特徴に当てはまるものがあるかチェックしてみてください。無理に若い世代に合わせる必要はありませんが、スムーズなやり取りをするきっかけになるかもしれません。
エディター/ライター。大学在学時からライターとして活動、気付けばもうすぐフリーライター歴20年。webサイトや書籍の編集・ライティングなどを担当。料理と暮らしまわりの手仕事が趣味。根っからのインドア派だが、3児の母となりアウトドアの楽しさにも目覚めたところ。