「父親」の育児参加が増えた
null1つめは、以前と比べて世の父親が育児に参加するようになった、という声です。
「旦那さんが育児休業を取ったりして、育児に参加している人が増えた」(34歳・主婦/子12歳)
「父親が率先して育児をするなど、昔よりは母親メインではなくなった気がします」(24歳・主婦/子2歳)
保育施設や習いごとの送迎についても、父親の割合が増えているという声がありました。
象徴的な数字は、男性の育休取得率です。7月に発表された最新の結果では、男性の育休取得率が3割を超え、10年間で10倍以上に増加しています。
一方、2022年に実施された「第7回全国家庭動向調査」を参照すると、従業上の地位が「正規」の妻の平日の育児時間の平均は400分。対して、夫の平日の育児時間は136分。育休取得率と比べ、家庭内の家事・育児分担率の変化はゆるやかです。父親の育児参加は進んでも、家庭内の家事・育児分担はまだ変化の途上にあるようです。
「怒らない・叱らない・よくほめる」育児スタイルに
null続いて、親子関係やしつけに関する声です。
「怒らない子育て。昔はもっと怒られたなと思う」(38歳・主婦/子9歳)
「時には必要なげんこつもあると思うのですが、今はそれは禁止」(41歳・主婦/子12歳・10歳)
「子どもに理解を示したり、寄り添ったりしないといけない風潮。昔はもっと有無を言わさず親が言うことを聞かせていた」(49歳・主婦/子18歳)
「他のママさん達を見ていると、怒らないなぁと思います。私自身が小さい頃はお尻を叩かれたりしてよく怒られていましたが、今は優しく諭すような感じで接している姿をよく見ます」(25歳・主婦/子2歳)
「ほめて育てること。昔はそこまでほめなかった」(49歳・主婦/子14歳)
親が子どもの行動を力や強い言葉で支配することは、子どもの権利を侵害する行為とみなされています。何をしたらほめられ、何をしたら罰せられるのか、子どもも理解できるように伝えることが求められています。育児中の親は、子どもの頃に強い語調でこっぴどく怒られた記憶を思い出しながら、時代の変化を実感することがあるようです。
「先生」との関係性の変化
null親と子どもの関係だけでなく、先生と児童の関係の変化を実感する声もありました。
「学校の先生がとにかく保護者である私達にヘコヘコしていて申し訳ない気持ちになります」(43歳・主婦/子9歳)
「先生や親があまり怒らない。昔は親の前でも先生が怒っていたのに……」(50歳・公務員/子12歳・5歳)
教師による行き過ぎた指導は、“不適切”とされています。自分の言動が“不適切”と責められぬよう、感情をコントロールしている先生も多いかもしれませんね。
「娯楽・遊び方」の変化
null続いて、子どもの遊び方に関する回答です。
「子どもがゲームやYouTubeに夢中になるのでそれを止めるのが大変なこと」(36歳・主婦/子7歳・4歳)
「外で遊ぶ子があまりいないことに驚きました」(40歳・主婦/子13歳)
ゲームの種類や動画コンテンツが激増し、遊びの選択肢の中での存在感が強まっています。外に出られないような気候の日には、ゲームや動画サイトが子どもの余暇を支えていますが、遊びが室内でのメディア機器遊び“一辺倒”になってしまうことを心配する声も寄せられています。
「SNS」でいつでも誰かとつながることができる
null小学校高学年以上の子どもを持つ親からは、“スマートフォン”や“SNS”の使い方に関する回答がありました。
「友達と遊ぶのにネットが活用されている」(27歳・技術職/子11歳)
「SNSとの付き合い方が難しいと思います」(36歳・金融関係/子12歳)
「現代ではスマホが当たり前でSNSでの注意点などを学校で習う時点で昔とは違うと感じる」(43歳・その他/子16歳)
過去10年間で一気に増加した小中学生のスマートフォン所持率。親子の連絡がとりやすくなる反面、所持している子どもの多くはいつでも誰かとつながることができる状態に置かれています。昨年、海外で実施された調査によれば、11歳~17歳の子どもの1日のスマートフォンの通知回数は平均237回にのぼっていました。
情報機器の使い方は、現在の“世界の親”が抱えることになった新たな悩みの種なのかもしれません。
育児は、こう変わった。こんなケースも…
null現代の育児に関して、こんな声もありました。
「小学生になっても、1人で習いごとに行かせず親が送迎している。大雨の日は、多くの親が学校まで送り迎えしている親が多い」(50歳・総務・人事・事務/子10歳)
「歯にとても気をつけるようになった。自分が子どものころは学校の歯科検診のみだったが、家庭でも定期的に検診に連れていったり、歯科矯正が一般的になったと思う」(52歳・主婦/子16歳)
「習いごとをさせるのが当たり前になっている」(44歳・総務・人事・事務/子8歳)
「多様性のあり方。“普通”はないし、多数派にならなくてもいい」(46歳・営業・販売/子15歳)
回答者は、個々の実体験や見聞を通じて、子どもの安全や健康に配慮し、特技を伸ばし、個性を尊重するような風潮を実感しているようです。
以上、親世代が実感している「令和の子育て」についてお届けしました。
1人の子どもが成長して、自分の子どもを持つまでの期間に、かつて正解とされていたことが“不正解”に傾いたり、過去にはなかったテクノロジーが生まれたりと、さまざまな変化が起こります。
変化のスピードが速いために、個々が信じる正解が細分化し、心理的に揺さぶられやすい環境にあるように思います。
いろんな年代、いろんな人の意見に触れ、信じていた正解がやがて変化していくことを胸に留めておくと、少しだけ心が軽くなるかもしれません。
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