子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

下準備が9割!「おもてなし料理」失敗から学んだ5つのマイルール

SNSで大人気! フリーランスディレクター・石岡真実さんが建てたセンス抜群の家が話題です。東京を離れ、夫の実家である埼玉県郊外に建てた2世帯住宅。

小2の息子と夫、そして義理の両親との暮らしは「毎日ていねいになんてできませんよ〜」と、ガハハと笑う「母ちゃん」である石岡さん。でも好きなことだけはいつだって「ていねい」にがんばりたい。そして、信頼する人がおすすめする、モノやコトにはたくさん頼ってラクしたい……。

そんな石岡さんがまとめた本『母ちゃん、ていねいたまにガサツ』(双葉社刊)より、石岡さんが趣味!という「おもてなし料理」のコツと友人たちにも大好評という夏レシピを紹介します。

趣味は、おもてなし料理です!

null

普段のごはんは、洗い物を減らしたいので何品も作りません。キッチンペーパーをパン皿代わりにすることだってある。だけど、おもてなし料理のことになると、居心地よくゲストをどう楽しませよう? ヒントがほしいから外食しようかな? と四六時中考え、追求している自分がいるんです。

だから自然と部屋もキレイに保てているのかも。今度から、「おもてなし勉強家です!」、な〜んて名乗っちゃおうかな(笑)。

おもてなし料理のポイント

null

おもてなし料理をたくさん作ってきて、失敗もする中で生まれた私なりのルールです。よければ参考にして、楽しみながらお料理しましょ!

1:おもてなし料理は下準備が9割

品数が多いときは、前日までの下準備が大事。食材は刻む、調味料は合わせる、一品ごとに材料をバットにまとめる。それだけで当日慌てません。

これはいつも行く中華料理屋さんの厨房を見ていて、手早く仕上げる中華は下準備を徹底している!と気付き、即参考にしました。

2:市販の出汁パックや水出汁に頼るのもあり!

和食ではとくに美味しい出汁がポイント。とはいえ毎回出汁をひくのは大変だから、市販品も頼りに。中でも、安心して使える『茅乃舎だし』は、そのまま煮出してもいいし、袋を破って中身ごと使うこともあります。

それと、水出汁もあると便利。前日から、ボトルに昆布1枚と出汁パックひとつを浸しておけば、翌日にはできあがります。ボトルは『無印良品』です。

3:料理を作る前にテーブルに必ず器を並べる

料理は、器の合わせ方や並べ方次第で、目でも楽しめる! 服と一緒で、メリハリや色のバランスが大事です。

だから、まずはテーブルに器を並べ、同時にどれにどの料理を入れるかを決めています。ちなみに、付箋にメニューを書いて貼っておくと、早く来た友達に盛り付けをお願いできて、準備も一緒に楽しめますよ。

4:にんにくをふんだんに使って美味しく元気に!

にんにくを使うと味に深みが出ますし、なにより私が好きだから、おもてなし料理にも多めです。

普段、青森のにんにくを購入していますが、やっぱり国産は香りがいい。薄皮は残してバラし、『KINTO』のガラスケースや小箱で冷蔵庫の野菜室に常備しています。

5:台所はさっとこまめに片付ける

お客様が来たときに、台所が汚れていたり洗い物でシンクがいっぱい……なんてことは、そわそわと落ち着かないし、楽しさ半減。

だから、料理中もフライパンを洗ったり、キッチンの水飛びを拭いたりしてささっと片付けます。あとは自分も飲んで楽しむ!! 後から出た洗い物はゲストに「頼る」もアリ(笑)。

夏のおもてなしは香草とスパイスたっぷりな、アジア料理

null

暑い時季は、すかっとした気分になれるアジアンテイストで爽快感のあるテーブルに。

“秘伝のタレ”で食べるスパイス蒸し鶏は友達からもリクエストが多い、私の定番料理。プールで遊んでお腹がすいた子どもたちには、夏野菜を使って握る、おむすびをどうぞ!

1:2〜3日前から作り置きできる!スパイス蒸し鶏

SNSでアップするといちばん問い合わせが届く料理です。工程が多いけれど、秘伝のタレさえ作ってしまえばとっても簡単!

鶏皮は食べませんが、旨みが出るので必ずついたまま低温加熱を。五香粉は鶏皮にだけ塗り、加熱後に剥がすとキレイな色に仕上がります。

【材料】5〜6人分
皮付き鶏の胸肉…300g
塩…適量 五香粉…小さじ1/4 オリーブオイル…大さじ3
ごま油…小さじ1 ブロッコリースプラウト…1パック

⚫️秘伝のタレ
にんにく…1かけ(約10g) オリーブオイル…大さじ3
生姜…20g 長ねぎの白い部分…1本

<A>
中国醤油…50ml 醤油…50ml みりん…100ml
千鳥酢…30ml 塩分8〜10%の梅干し…約2個(大さじ2程度)
きび砂糖…小さじ1/2 ごま油…小さじ1

(1)鶏肉は皮面をフォークで数箇所刺してから、塩を全体に3つまみ(肉に対して1%)なじませる。さらに皮面に2つまみの塩をつけ、五香粉もまぶす。

(2)食品保存用袋に、鶏肉とクセのないオリーブオイルを鶏肉全体に行き渡るくらいに入れ、ごま油も加える。空気を抜いて封を閉じ、58℃のお湯に入れて低温調理器具で1時間加熱。その袋のまま冷水で冷やす。

(3)鶏肉は皮を取って5mm幅のそぎ切りにし、お好みの薬味を添え、秘伝のタレをかける。

【秘伝のタレ】
(1)鍋にオリーブオイルとみじん切りにしたにんにくを入れ、弱火できつね色になるまで炒めて香りを出す。

(2)みじん切りにした生姜とねぎを入れ、ねぎの甘さを引き出すように色付くまで炒める。Aを入れて中火にし、焦がさないようにこまめにタレを混ぜ、とろみがつくまで煮詰める。

(3)保存容器に移し、ごま油を入れて香りを出す。粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やして完成。タレは冷蔵庫で約1カ月ほど持ちます。

2:前日に作り置きできる!あったら助かる揚げナス

ナスはたっぷりの油で揚げると美味しく仕上がります。酢を効かせているので、さっぱりしていて暑い夏に大人気!

【材料】3~4人分
ナス…6本
揚げ油(米油)…適量

<A>
千鳥酢…大さじ3 醤油…大さじ5
みりん…大さじ5 きび砂糖…大さじ1と1/2
白出汁醤油…小さじ1
生姜…大さじ1(みじん切り)

(1)ボウルにAを入れて混ぜておく。

(2)ナスは乱切りにし、くたっとするまで170度の油で揚げる。熱いうちに(1)に入れて和える。

(3)粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。

3:子どもたちにはおむすびと冷やし麺を

おつまみで出す夏野菜をアレンジ。塩をちょっと多めにした、とうもろこし・枝豆・じゃこおかかの3種おむすび。

置いても伸びにくい、グルテンフリーのZENBヌードル(細麺)で冷やし麺に。子どもたちが食べやすいよう、麺は半分に割ってからゆでます。つけダレは、白出汁・醤油(各大さじ1)、牛乳(250ml、豆乳でも可)、ごま油(小さじ1)をよく混ぜ、万能ねぎを散らして。

大人はラー油を加えるのもおすすめ!


台所は「私の部屋」と言う石岡さん。東京で暮らしていた頃よりも友人が集まってくれて、趣味でもある「おもてなし料理」に磨きがかかったそう。

目指すは100%ではなく、余白のある50%。失敗も間違いも「ま、いっか!」って笑いながらじっくりゆっくり直していけばいい……という石岡さんとご家族の自然体な暮らし、もっともっと知りたくなりますね!


『母ちゃん、ていねいたまにガサツ』
(石岡真実/著 1,870円・税込 双葉社)

自然体で飾らない人柄、等身大なのに素敵なライフスタイルにファンが多い、フリーランスディレクター・石岡真実さんの「住まい」と「食」の本。

ディテールにこだわった家づくりはもちろん、パントリーやキッチンの収納のコツ、春夏秋冬それぞれのおもてなしレシピや愛用の調味料まで「コレ、参考にしたい!」が溢れる1冊です。

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載