春巻きの皮は「生」でも食べられる
null北京ダック。その名前はよく耳にするけれど、一般の食卓では最も縁がない部類のお料理だろう。
ちょっと豪勢な中華料理屋さんで、もしかしたら一生に一度か二度か、それくらいしか食べる機会がないお料理だ。私にとっては。
実は30年ほど前、北京で北京ダックを食べた事がある。
本場で食べられる事を楽しみにしていたが、でてきたのはパリパリの薄い皮ではなく、肉の部分もしっかりついていてガッカリした思い出がある。
美味しかったし、よく考えたら食べごたえもあるし、それはそれで良かった気がする。本来は、そういうお料理なのかもしれない。
それ以来、食べる機会がなかった北京ダック。憧れの北京ダック。今回は、気軽に食べられるよう大幅にアレンジして作ってみる事にした。
まずはお肉。
鴨はハードルが高いので、手軽に用意できる鶏もも肉を使用。皮目はパリッとしっかり焼いて、北京ダックのパリッパリの皮を意識する。あとでタレと一緒にいただくので、味付けはシンプルに塩胡椒で。
あとは、野菜を千切りで用意するだけ。長ネギやキュウリがあると、なんとなく北京ダックの雰囲気になるような気がする。甜麺醤があればグッとそれに近い味になりそうだけれど、そんなものは我が家の冷蔵庫にはなかった。
ので、代わりにコチジャン。
それはそれで美味しかったけれど、もはや北京ダックからはかけ離れた一皿に(苦笑)。
でもそんな事は気にしない。実は今回の主役はこれ、春巻きの皮。袋から取り出してそのままの状態でいただく。
揚げたりして火を通さなくても大丈夫なの?と心配になるかもしれない。私も生で食べるだなんて、考えた事もなかった。
春巻きの皮は、シュウマイや餃子の皮と違い原材料を練った後に一度焼いてあるものが多いのだそう。だから生のまま、そのまま食べる事ができる(注:火を通すよう指示のある商品もあるので、袋の表示を確認ください)。
というわけで、安心して生のままお皿に広げる(1枚だと大きすぎるので半分にカットした)。鶏肉と野菜をたっぷりのせて、タレをかける。あとはクルクルと巻いて、そのまま手でパクッとかぶりつく。
鶏肉は焼かずに茹でた物でもいいし、コンビニやスーパーで調理されたものを買ってきてもいい。野菜も冷蔵庫にあるものでいい。タレも、甜麺醤やコチジャン、田楽味噌でもマヨネーズ&醤油でも、何でもいい。
好きなようにアレンジできるから、気軽に楽しめる。GWの食卓に、ちょっと華やかで、それでいてお手軽な北京ダック(とは全く違うけれど)風の一皿、是非お試しあれ。
お米の「苗育て」。娘(高1)と一緒に奮闘中!
nullさて農作業の方は、育苗(いくびょう=苗を育てる作業)が忙しさのピークを迎えている。
種籾(たねもみ=稲の種)を小分けして(連載#127参照)、消毒した後に水に浸けたりお湯につけたりしてから種まきをする。
下の写真がその作業風景だが、とても種まきをしているように見えないかもしれない。広い場所とたくさんの人手が必要な、大がかりな作業だ。
ここでも娘のお手伝いが助かった。
苗箱(なえばこ)と呼ばれる長方形のプラスチックの箱に薄い紙を敷いて、機械にセットすると、ベルトコンベアで苗箱が流れていき、土→水→種→土と自動でまかれる。
苗箱を積み重ねた状態で暖かいビニールハウスの中で数日ほど置いておくと、芽が出てくる。最初はこんな、白いヒョロヒョロのモヤシのような状態。その苗箱を、ビニールハウス一面に1枚1枚並べていく。
そこそこ重い苗箱、腰をかがめての作業、しかもビニールハウスの中は暑い。なかなかの重労働だ。それも苦にせず、黙々と淡々と作業する娘。
我が子ながら偉いなぁ。
汚れるから嫌とか大変だからやりたくないとか、そういう事を厭わない性格のようだ。軟弱な様相の苗も、水やりと温度管理の下であっという間に青々と成長!この光景に毎年、感動する。
ビニールハウスの中は、日が出れば一気に温度が上昇、逆に雲に隠れると急降下する。
空と睨めっこ状態で気が抜けない日々。田植えが終わるまで、苗の管理は続きます!
愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係わらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。黒部の専業米農家『濱田ファーム』はこちら。