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トマトは冷凍すると皮むきがスルリ!シンプルトマトソースはこう作る【お米農家のヨメごはん】

こんにちは!富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・15歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らす。そんな私たちの、食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載127回目。

今回は、シシリアンルージュで作る絶品トマトソースを使ったお料理と、娘のお手伝いで始まった育苗作業についてお伝えしたいと思います。

トマトソースを大量に仕込みました

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段ボールいっぱいに「シシリアンルージュ」という品種のトマトが届いた。

毎年欠かさず届けてくれる、宮崎のトマト農家さんには感謝しかない。つやつやピカピカの真っ赤なシシリアンルージュは、生食よりも加熱に向いている。

トマトソースに仕込んで小分けにして冷凍保存しておけば、いつでも好きな時に使えて便利。

というわけで、まずはビニール袋に入れて冷凍庫に入れておく。

カチコチに凍ったらボウルにあけて、熱めのお湯をザーーーッとかける。

そうして強めにトマトを掴むと、スルンと皮が剥けるのだ。面白いくらい簡単に、湯むきができる。ナイフで切り目を入れたりお湯を沸かしたりする必要はない。

ただトマトを凍らせておくだけ。トマトソースを仕込む際は、とっても有効な方法なのでお試しあれ。

トマトソースは極々シンプルに作る。

オリーブオイルでニンニクを弱火で炒めて香りを出して、湯むきしたトマトを投入。

少し多すぎたけれど、ご愛敬。

沸騰したら、アクを取りながら煮詰めていく。これくらい煮詰めたら出来上がり。

冷めたら小分けにして、すぐに使わない分は冷凍保存。あとは使いたい時にお料理に合わせるだけ。

我が家ではパスタソースとして使うことが多いので(そしてパスタにしっかり塩をするので)、トマトソースに塩は入れていないのですが、その辺りはお好みで。

まず作ったのは、娘が大好きなスパゲッティ。

熟成させすぎた塩豚が冷蔵庫で眠っていたので、ベーコン代わりに使う。玉ねぎのスライスと一緒にオリーブオイルで炒めて、トマトソースを入れる。

あとはゆで上がったスパゲッティと合わせるだけ。

見た感じは、普段よく作るトマトソースのスパゲッティ。けれども娘はすぐに気づいた、いつものと味が全然違う!と。

そう、トマト缶で作るものより、あっさりしているのに甘みがギュッと凝縮されているのだ。これが、シシリアンルージュならではの味わいか。

2品目。オリーブオイルで焼き目をつけたカリフラワーにトマトソースを広げて、溶けるチーズをふりトースターで焼いてみた。

これも間違いない組み合わせ。カリフラワーだけでなく、ブロッコリーでも玉ねぎでもジャガイモでも、鶏肉でもお魚でも何でも合うはず。

最後に煮込みハンバーグ。子どもはもちろん、大人も大好きなメニュー。

たっぷりの玉ねぎとパプリカも一緒に炒めて、トマトソースを投入、あとは焦げ目をつけたハンバーグ(お手軽に冷凍のものを利用)を煮込むだけ。簡単なのに、ご馳走感も満足感もありお勧め。

こんな感じで、トマトソースさえあればいつでもササっとメイン料理ができてしまう。

時間がある時にまた大量に仕込む事にしよう。

さて娘のココだが、3月で中学校を卒業した。凛とした雰囲気の卒業証書授与式に背筋が伸び、卒業生一同による合唱に大いに感動した。

思えば3年前の入学式の時はまだ、コロナの真っ最中だった。今からは信じられないような、たくさんの行動制限があった。もがきつつも、できる事を精一杯に楽しんだ1年生。少しずつ制限が緩和され、学校生活が戻ってきた2年生。ほぼ制限がなくなり、最高学年として多くの学校行事のリーダーシップを取った3年生。

コロナ禍とコロナ後、どちらも経験した中学3年間は、良くも悪くも娘の大きな経験になったはずだ。しなやかにタフに過ごした中学3年間は、この先の人生に大いに生かされると信じている。

卒業、おめでとう。

娘の手伝いで「育苗(いくびょう)」スタート

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そうして春休みに入った娘は、お小遣い稼ぎにと農作業を手伝ってくれている。

いよいよ育苗(いくびょう=苗を育てる作業)が始まった

まずは種籾(たねもみ=稲の種)を、この先の行程でハンドリングしやすくする為に小分けする。

種籾は、前年の秋に田んぼでたわわに実っていたあの、稲穂についていた籾(もみ)そのもの。

種籾の籾殻(もみがら)を取り除けば茶色い玄米になり、さらに精米すると白米になる。つまり、お米そのものが種というわけだ。

ネット状の袋に入れて紐で縛る、のが娘の主な仕事。しっかり縛るけれど、ほどく時にほどきやすい縛り方。ただ縛るだけなようでいて、いろいろコツがあったりする。

少なくともこの作業を、娘は5年はやっているはず。慣れた手つきで黙々とこなす様子が頼もしい。

育苗はこの先、休みなく田植えが終わる5月下旬まで続く。そして並行して、田んぼでのトラクター作業もある。

そうつまり、農繁期に入りました!

濱田さん一家の『濱田ファーム』ホームページはこちらから。

濱田律子
濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係わらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。黒部の専業米農家『濱田ファーム』はこちら。

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