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パートナーの無理解に疲労…「ワンオペ育児」のつらさの正体は、いったい何?

“ワンオペ育児”という言葉が育児中の世代にずいぶん定着し、「ワンオペ育児がつらい」という声がよく聞かれるようになりました。

1人で育児を担わなければならなくなってしまった背景には様々な要因が絡んでいるようです。『kufura』は、子育て中の女性の皆さんに、身近で見た“大変そうなワンオペ育児の例”についてうかがいました。

つらい「ワンオペ育児」のシチュエーションは?

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今回は、225人の子育て中の女性に対し、ママ友など身近な子育て家庭を見て「ワンオペ育児がつらそう」と感じたきっかけについてうかがいました。

自分の家庭のことになると、客観性を失ってしまうことがありますが、他の家庭の状況から育児の苦労を想像してみると、“つらいポイント”がクリアに見えてくるかもしれません。

皆さんの考える、つらそうなワンオペ育児のシチュエーションについて、多かった回答をランキング形式でご紹介します。いくつかの理由が重なっている場合は、“複数回答”としてカウントしました。

5位:夫が単身赴任でワンオペ育児

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まずは、夫が遠方に暮らす単身赴任の例です。夫の転勤が決まっても、住宅事情や子どもの教育環境などを踏まえ、単身赴任を選択せざるを得ない家庭も多くあります。

「夫が単身赴任中だが、子どもたちが小さいし、男の子でわんぱくなので大変そう」(37歳・主婦)

「旦那さんが海外に単身赴任中で第2子が双子だったママ友」(29歳・主婦)

4位:ワーキングマザーのワンオペ育児

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続いて、夫婦共働きで、育児・家事の負担がほぼ全て母親側にのしかかっている例です。

「ワーキングマザーで旦那さんは朝から晩まで仕事。子どもが2人で周りに頼れる人がいない家庭」(31歳・主婦)

「夫婦共に公務員だが、平日旦那はいつも午前様、子どもが3人いて夕飯、寝るまでを一人でこなす。しかも本人も忙しい部署におり、土日は休日出勤しているとのこと。休みなしと言っていた」(34歳・その他)

「旦那の帰りが遅く、2児の世話を一人でこなしフルタイムで働く友人。朝は5時起床で家事もほぼ一人でやっているらしい」(35歳・ 主婦)

3位:夫の非協力的な態度や無理解でワンオペ育児

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決して夫が不在ではないのに、夫の協力を得られず結局ワンオペ育児という例もありました。

「隣の若夫婦が、旦那さんが何も手伝わず、奥さんが2人の息子を怒鳴りながら育児しているのが聞いててつらい」(47歳・その他)

「何もやらない夫にも気を使って、子どもが暴れて遊んでいると、夫が怒らないように子どもを叱っている方」(37歳・その他)

「夫は育児に興味無しで土日休みは飲み会やゴルフで出掛けまくり、奥さんは育児に家事に仕事で毎日休み無しで大変そう」(28歳・主婦)

「共働きでフルタイム勤務。帰りが遅いのに、旦那には“ちゃんとご飯をつくれ”と言われるママ」(31歳・デザイン関係)

2位:夫の激務でワンオペ育児

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夫の残業が常態化している場合、家事を終え、子どもが寝静まった後に帰ってくるので必然的にワンオペ育児状態となります。

「旦那が仕事で朝から23時まで帰ってこない友達は、ほぼワンオペ育児。転勤族だから頼める両親も近くにいない」(35歳・主婦)

「夫は朝まで残業で、休日は疲れて寝ている。さらに、自分はフルタイム勤務のママ友。地方出身で親族は遠方。とっても大変そう」(36歳・主婦)

1位:頼れる親族がおらず、ワンオペ育児(シングルマザーも含む)

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夫が育児に参加できない、もしくは参加しない場合でも実家や義実家のサポートがあれば母親の負担感は軽減されます。しかし、頼れる親族が近くにいない場合、必然的に「便りになるのは自分だけ」という状況を招きやすくなります。

「シングルマザーで、働きながら4人の子どもの育児をしている女性」(36歳・主婦)

「ママ友は地方出身で親族が全員遠方で、夫が3交代勤務で子どもは5人。なのにPTA役員もやっていて、ほんとに大変そう」(43歳・主婦)

「実家は新幹線で5時間の距離、義実家は地元だが義母は亡くなっており義父も身体が悪い。夫は自営業で休めない。現在は2人目産後のため休職中だが、来春からフルタイムの仕事復帰するママはワンオペ時間も長く体力が心配」(30歳・主婦)

「ワンオペ育児」がもたらす問題点とは?

今回のアンケート結果からもわかるように、夫の働き方や育児への姿勢は、妻の育児の負担感やストレスレベルを大きく左右する可能性があります。

近年、長時間勤務を始めとした“働き方”が問題となっていますが、いまだに働き盛りの男性は、妻からの「助けて」より同僚やクライアントの「助けて」を優先せざるを得ない状況に置かれていると推測できます。

過去記事「インフルでも預かってくれる?病児保育のイロハを聞いてみた【犬山紙子の答えはなくとも育児会議vol.18】」では、NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さんが「日本の女性が抑圧されている」という表現をされていました。少し前までは、社会的地位の高い人たちは、育児や介護のようなケアワークよりも会社での競争を優先してきた傾向があり、逆にケアワークに時間を割く女性の社会的な地位は上がりにくい傾向にあります。

 

今回は、身近な子育て家庭を見て「ワンオペ育児がつらそう」と感じたシチュエーションについて、リアルな声をご紹介しました。男性がワンオペ状態で育児をになっている家庭でも、同様の、または違う種類の苦労をされているのではないでしょうか。

ワンオペ育児によって親が疲弊して余裕を失った状態では、笑顔でいることも、育児を楽しむことも難しくなってしまいます。“ワンオペ育児”という言葉の定着によって、男女の働き方と家庭の問題が密接につながっていることを社会全体で認識するきっかけとなるかもしれません。

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