4割の家庭が「ワンオペ育児中」だと回答
null“ワンオペ育児”とは、家庭内の特定のメンバー(母親の場合が多い)が家事・育児の大半を担うこと。2017年には毎年恒例の流行語にノミネートされ、社会問題として認識されつつあります。
今回、子育て中の女性225人にアンケートをとったところ、「自分は、1人で育児をしている“ワンオペ育児”中だと思う」と回答した女性はなんと40.9%にのぼっています。
ワンオペ育児に奮闘している皆さんの状況をもう少し詳しくうかがってみると、以下のような内訳になっています。
・夫や親族が遠方にいる、もしくは不在・・・29.3%
・夫や親族と同居もしくは近居だが、育児を手伝ってもらえない・・・50.0%
・その他・・・20.7%
「その他」の中には、親族の手を借りることができないシングルマザーの女性(7.6%)や、「わけあって夫や親族に頼りたくない」といった女性の声が含まれています。
続いてワンオペ育児をしていて最も「つらい」と感じるときはどんなときなのかうかがいました。皆さんの回答からは、育児を大人1人で担うことの問題点が様々な側面から浮き彫りになっています。
自分の体調が悪くても助けてくれる人がいない、共感してもらえない
nullまず、4人に1人の女性が「つらい」と回答していたのが、自分の体調が悪くなったときの家庭の状態についてでした。
「自分の体調が悪いとき。5分でも身近に本音を話せる人がいないとき」(33歳・主婦)
「夫が単身赴任中なので、子どもたちを叱るときも1人で対応する。病気の時、家のことができないときなど、食事の用意ができずに、高熱が出ても買い物に行かないといけない」(37歳・主婦)
「体調が悪く子どもの世話もしんどいとき、夫に仕事から“早めに帰ってほしい”とお願いしても“無理”の一言。あげく“ごめんな、なにもできんくて”と言って、本当に育児、家事は一切しない」(25歳・主婦)
「夫は子どもが寝てる時間に出勤、帰宅するので、ご飯もお風呂もゆっくりできない。風邪ひいて39度あろうが吐き気、頭痛がしようがいつもと同じように家事育児しなきゃいけないのがとても辛い」(27歳・主婦)
元気なときにはなんとか家庭がまわっているものの、自分が体調を崩したときに母親の役割を担う人がいないことは、多くの女性を疲弊させています。つらいときに身近な家族が手を差し伸べないことで、ささやかな怒りが芽生えることもあるようです。
時間がなく、精神的なゆとりがなくなってしまったとき
nullワンオペ育児の家庭では、家にいる時間が丸ごと育児・家事などの労働時間になってしまうのは日常茶飯事。疲れをごまかしながら翌朝を迎える日々が続くと、精神的な余裕が少しずつすり減っていきます。「自分の時間がない」「余裕がない」と悩む女性もまた、4人に1人でした。
「精神的にゆとりが持てず、子どもにあたってしまった事があり冷静になった時の“子どもの為にやっているのにこれではダメになる”という自己嫌悪で苛まれたことがある」(48歳・コンピュータ関連以外の技術職)
「フルタイム勤務の上、家事も1人でこなしているので、自分のことができない」(47歳・技術職)
「パートで働いているけど帰ってきて子ども3人の保育園や小学校の宿題や家事で疲労がとれない」(30歳・その他)
子どものトラブルや悩みごとが発生したとき
null子どもの体調不良や育児の悩みなど、“不測の事態”が発生したときに、その負担や気苦労をシェアできる人がいないことは、育児の担い手が背負う責任を重くしています。
「主人が仕事から帰る夜まで、家事をしながらの育児は大変でした。特に、ケガや病気のときに自分1人で子どもを抱えて病院へ向かうのは、不安もありつらかったです」(35歳・主婦)
「2人とも泣き叫んでいるとき」(29歳・主婦)
夫に助けを求めても応じてくれないとき
null夫婦関係は、風邪が自然に治るように、自然に解決することは難しいもの。今回は、夫の非協力的な態度を目の当たりにすることが育児自体よりも“辛い”と感じる人がかなり見受けられました。
「夫に頼んでもできない、やらない、やろうとしないとき」(36歳・主婦)
「本当に手伝ってもらいたいときに、本来は協力するのが当たり前のこともこちらが下手に出てお願いしないといけない」(29歳・主婦)
「自分が父親と母親役をすること。父親が話を聞いてくれないので」(47歳・主婦)
「自分が体調悪いのに、旦那はそんな重く考えてくれていない。手伝ってくれない。普段の休みもずっとゲームしたりタバコ吸ったり、自分のことしかしない」(23歳・主婦)
このような状況が続き、少しずつこじれていった夫婦関係は、一方の努力だけでは改善することができません。つらさを一番わかってほしい身近な相手が“他人ごと”のようにふるまったとき、絶望や孤独、怒りといった感情が芽生え、未来の夫婦関係にも深い影を落とすのかもしれません。
今回は、ワンオペ育児を担う女性のリアルな声をご紹介しました。男性がワンオペ状態で育児をになっている家庭もあるかと思いますが、やはり同様の苦労をされているのではないでしょうか。
ワンオペ育児は、日常生活がうまくまわっているときにはいいものの、自分や家族の体調不良や不測の事態で一気に崩壊する可能性があります。『kufura』では次回も引き続き、もう少しワンオペ育児について掘り下げていきます。