見た目も重視した「気分が上がる」空間を目ざして
null家を建てると決めたときから、私はキッチンのことで頭がいっぱい。家づくりの途中にたくさんの資料を見ましたが、キッチン関連は特に念入りでした。毎日作業する場所なので、使い心地はもちろん、気分が上がる空間にしたいという思いが強かったんです。
なので、圧倒的に使いやすいであろうシステムキッチンより、多少の使いづらさはあっても造作で自分好みに、という気持ちでした。
ざっくりとしたキッチンのイメージは、前回記事(連載第5回「一軒家の間取り決め」)でもこだわっていたパントリーとL字カウンターに加え、
- 白のサブウェイタイルを貼りたい
- カウンターの天板はステンレスに
- 木のナチュラルな柔らかさを
- 壁に道具類を引っ掛けられるバーをつけたい
- ミーレの食洗機を入れたい
こんな希望をリストアップ。
本やSNSでたくさんのキッチンを見て、天板はステンレス、面材は木にしようと気持ちを固めました。オールステンレスのキッチンも無骨なかっこよさがありますが、私には少しシャープすぎるかな、と。
お願いしていた工務店「技拓」さんの標準パターンが“ステンレス天板と木”だったので、そこはそのままおまかせにできました。実際に使ってみると、面材が木だと汚れが目立つし、つるっとした素材よりやはり扱いにくい部分もありますが、汚れも味と思えばさほど気になりません。
調理中などにしょっちゅういろいろこぼすので、入居後早々にシミをつけたときはさすがに少し凹みましたが、ちょこちょこ汚しているうちに、あっという間に気にならなくなりました(笑)。
食器洗いが苦手な私。「食洗機」はマストで導入
私は家事の中でも食器洗いが一番嫌いなので、いろいろな人からおすすめされたミーレの食洗機は絶対入れたいもののひとつでした。
集めた資料の中にあった、ミーレ以外の海外製の食洗機も良さそうでしたが、ミーレのショールームに実際に足を運び(コロナ禍もあり、ショールームへ実際行ったのはここだけ)、説明を受けて何の不満も不安もなかったので、食洗機は迷うことなくミーレで即決しました。
面はキッチンと合わせた木目調に、操作パネルは天板と合わせてステンレスに。
「サブウェイタイル」はサンプルを取り寄せて吟味
サブウェイタイルは絶対白!と思っていましたが、タイルってものすごい種類があるんですね。分厚いカタログが届いたとき、正直めんどくさ……と思ってしまいました。が!ここはこだわりのひとつでもあったので、頑張りました。
ちなみにメーカーは「技拓」さんに教えていただいたいくつかの会社からホームページを見て、タイルの種類が多かった「名古屋モザイク」に絞りました。
少し横長なサイズを選びたかったので、ひだSというタイルを選び、白の中でも光沢とマットで迷い、サンプルを取り寄せて比較しました。正直サンプルは同じものが2つ届いたのでは?と思うほど微差で(笑)、しかも1枚だけだと並べて貼ったときの印象はいまいち分からず。
通常はショールームへ行くのでしょうが、妊娠中で悪阻もひどかった(しかもコロナ禍……)ので、想像を張りめぐらせ、当時住んでいた家のキッチンタイルが白の光沢だったこともあり、マットの方が絶対に自分好みのはず!と確信してマットにしました。これはイメージ通りで大満足。
ちなみに目地はライトグレーでお願いしました。これを決めるのもまたひと苦労、たくさんの資料を見て想像しつつ決定。
工務店さんの提案から変更したのは、この3箇所!
null換気扇は“見た目”重視で「アリエッタ」に
換気扇は参考に見ていたおしゃれキッチンでよく見かけた「アリエッタ」に。
シュッとしたスタイリッシュなデザインに見惚れ、機能うんぬんより、見た目でこちらにしました(笑)。
コンロは“ガス”一択、全面五徳タイプに
コンロはガスがよかったので、IHは考えませんでした。
重たい鍋やフライパンもよく使いますし、さっと横に移動がしやすい全面五徳が私には良さそうと思い、見た目もスタイリッシュな「ノーリツ」の”プラス・ドゥ”に。全面五徳は扱いにくそうと思われがちですが、私は汚れた部分だけ食洗機に入れたりしていて、特に不便は感じていません。
水栓はシンプルかつ、デザイン性もあるタイプに
水栓はこれも参考にしていた写真でよく見かけた「GROHE(グローエ)」に。なかでもK7シリーズが人気なのですが、シンプルながらデザイン性のあるゼドラシリーズをチョイス。吐水部は引き出し可能なので、シンクを洗うのにも便利。機能性と見た目の美しさが両立しています。
浄水器は最初はつける予定はなく、以前使っていたウォータースタンド(レンタルの浄水サーバー)を持っていく予定でしたが、キッチンの広さや見た目、今後の利便性を考え、施工中に浄水器を追加。同じ「GROHE(グローエ)」の「シーガルフォーカートリッジ付」をお願いしました。
この換気扇、ガスコンロ、水栓の3つは、実は少し予算をオーバー。最初に工務店さんに提案して頂いたものから、私が変更をお願いしたところです。
雑然としがちなキッチン収納。配置はこんな風に!
nullカウンターは提案より3㎝高く。収納棚も作り付けに
カウンターは、工務店さんの提案より3㎝高くしました。当初の提案は85㎝で、前の家のカウンターと同じ。ただ、私が身長164cm、夫が176cmで、もう少し高くても良いかもと思っていたこともあり88cmに。実際使いやすく、高さを変更して正解でした。
こういう微調整ができるのも、既存のものではなく造作で作る利点だと思います。ちなみにガス台はお鍋などをのぞきこみやすくするために少し下げる場合もありますが、私はそのままにしています。
流し台の背面に、大きくはないですが造り付けの収納をつくりました。
下のオープン収納には、お鍋やボウルなどの調理器具と大きめのお皿、上の扉付きの収納は、普段使っている食器を収納しています。食器が大好きで独身時代から買い揃えていましたが、引っ越しを機に少し断捨離をして、厳選して持ってきました。食器は基本、ここに入るだけにしたいと思っています。
こだわったのは、上の収納戸棚の高さ。あまり高い位置だと使いづらいので手の届く高さまでにして、上をあけました。下に扉をつけてすっきり見せるのもいいのですが、あえてオープンにして、少しごちゃついているのもおしゃれかも、とオープンにしましたが、妊娠中だった下の子のことを当時あまり考えておらず……(うっかりしてました)。
今から思えば安全のため扉をつけておけばよかったと、ここは少し後悔しています(見た目は満足しているのですが……)。キッチンにゲートをつけるなど対策を考えています。
一番下に並んでいる木のボックスは、サイズを測ってCreemaでオーダーしたもの。ボウルやバット、フライパンの蓋など細々したものが入っています。初めはそのまま置いていたのですが、使いやすさと見た目を考え、ボックスを発注しました。同じくオーダーした上段右のボックスにはグラス類を。
棚の上にはオーブンレンジ、トースターに加え、ほぼ毎日使っている“照宝のせいろ”の定位置に。
ゴミ箱スペースは、流し台の下に
湘南エリアは、東京に比べてゴミの分別が細かくて大変! シンク下は収納を作らずに、ゴミ箱スペースにしています。ゴミの話はまた別の回で詳しくお話しします。
パントリーはまだ試行錯誤中。これから理想へ近づけていく予定
パントリーは入ってすぐ左に冷蔵庫(ガスコンロ横)、その向かいに短いバーをつけて、エプロンをかけています。
奥の棚には、マグカップや使用頻度の低い食器、食料品ストック、日用品ストック、レシピ本、防災用品などなど、とにかく詰め込んでます。防災用品や日用品などはとりあえずバンカーズボックスに入れてますが、ここはちょっと変えたいと思っているところ。
収納は少しずつ見直して、もっと自分好みに作り上げていきたいです。
「失敗した!」と思っているのは、ココなんです…
null最後に。実は「失敗した!」と思っているのは、カウンターをL字にしたこと(設計段階で私がこだわって希望したのに!)。
もっと広いキッチンでL字ならよかったと思うのですが、この狭さでは少し無理があったのかなと思いました。理由は、2人での作業のしづらさ。ひとりだとコックピットのようでとても作業がしやすいのですが、夫と一緒に料理しようとしても、ふたり同時にはキッチンに立てない……涙。これは盲点でした。
もう一点は天板の奥行き。ダイニング側への水はねが気になり、もう少し余裕があればよかったと思っています。
もしまた家を建てることがあれば(え、いつ!?)、そのあたりも絶対考慮に入れてキッチンを考えたいと思いました。妄想するのは自由、夢は膨らみますね(笑)。
とはいえ、とても気に入っているこのキッチン。天気がいいと階段上の窓からの日差しがキッチンに差し込む時間があり、とても心地よさを感じます。
こちらに引っ越してきてから(世の中の状況もありますが)子どもがまだ小さいことや、単純に都内に比べて近所に飲食店が少ないので、外食する機会も減りました。でもこのお気に入りのキッチンでたくさん料理をして、ワイワイ家族や友人たちと食卓を囲むことに幸せを感じています。2022年は料理の腕もあげたいですね。
次回は、家具や電化製品など「引っ越しにまつわるいろいろ」をご紹介します。清水買いしたものも……! 次回もぜひお読み頂けると嬉しいです。