まずはたくさんの本やwebサイトを見て、イメージづくり
nullどんな家にしたいか、イメージづくりのために夫婦でたくさんの本を読み、参考にしました。引っ越しで処分してしまったものや電子書籍で購入したものもあるので、写真はほんの一部。
インスタグラムなどのSNSを見たり、YouTubeを見たり、とにかくたくさんの物件事例を見て、考えをまとめていきました。
なかでも、影響を受けたのが『伊礼智の「小さな家」70のレシピ』(エクスナレッジムック)。「大きくはないけど楽しい家づくり」をコンセプトにしている一冊です。
日本人の気質から考えても、広くて大きいだけが幸せではない、小さな家でおおらかに暮らす、という考えはとても参考になりました。
工務店との初打ち合わせ。希望を出してみると…
null夫婦のイメージがなんとなく固まってきたところで、工務店と初めての打ち合わせを。連載第4回の記事(ネット検索しまくって決めた「地元工務店」)でもその経緯を紹介した工務店「技拓」さんです。
初めての打ち合わせでは、私たちからのイメージや希望を伝えました。
具体的には……
- リビングは1階に
- 子供部屋2室+ゲストルーム1室
- 小さくても書斎をつくりたい
- リビングを見ながら料理ができるように、キッチンはできればL字に
- パントリーをつくりたい
- 大きめのウォークインクローゼット
- 玄関土間は広く(バギーをそのまま置きたい)
- トイレは2つ
最近は外からの目線や景観を考えて2階(もしくは3階)リビングの家が多いように感じますが、庭にウッドデッキを作ってつながるようにしたかったので、我が家は1階を希望しました。
実際に住んでみると、外からの目線は多少気になりますが(まだ庭が完成していないので、早く庭の植栽で目隠ししたいです)、お米など重い物を持って2階に上がる必要がないですし、宅急便のたびに降りる必要もない。寝るとき以外は、基本1階にいるので、生活のしやすさには満足しています。
間取りを考えているとき下の子の妊娠はわかっていなかったので、子ども部屋については悩みました。できればもう一人子ども欲しい希望はあるけど授かるかわからない……。さらに、お互いの実家から遠くなってしまうので、両親たちを呼んだり、いずれもしかしたら一緒に住むかもという可能性も考え、ゲストルームも希望しました。
夫のリモートワーク対応のため、小さくても書斎は絶対につくりたいというのも要望のひとつ。
また、子どもが小さいので、リビングで遊んでいる姿を見ながら料理をしたかった。前の家が独立したキッチンで、臭いが部屋中に充満しないなど利点もあったのですが、料理中に子どもの姿が見えないことが少し不便だったので、いつでも子どもが視界に入るレイアウトがいいなと思っていました。キッチン関連は特にたくさんの資料を見ていましたが、カウンターはL字が良さそうと思っていたのでその希望も、伝えました。
前の家でも大きいキッチン収納があってとても便利だったこともあり、パントリーは絶対欲しいと希望しました。工務店からは、実際にどんなものを入れたいか、冷蔵庫はパントリー内でもいいか、などもヒアリングされました。
大きめのウォークインクローゼット(ファミリークローゼット)も、取り入れたいことのひとつでした。スーツケースなどの大物や、クリスマスツリー、兜やお雛様などもここへ。
玄関の土間はバギーをそのまま置いておけるよう広めにしたいと伝えました。普段は畳んでおきますが、帰宅したとき荷物を乗せたまま入れると便利ですし、バギーで寝てしまった子どもを帰宅後起こしたくないので、そのまま寝かせておくということもできるかな(笑)と。
トイレは各階にあった方が便利だと思って希望しましたが、実際2つにして正解でした。
「自然とリビングに人が集まるような風通しの良い家」というイメージと、予算感(本音で)も、もちろんお伝えを。
このヒアリングを元に、2回目の打ち合わせまでに担当の設計士さんが間取りを考えてくださるという段取り。設計士さんは実際に現地(まだ、壊す前の古家が立った状態)も見に行ってくださっての設計なので、安心でした。
ワクワクと、理想と、現実。優先順位を決め理想へと近づける
nullいよいよ、2回目の打ち合わせ。まだ本契約をしたわけではないのに、間取り+模型まで作ってくださっていて、感動しました(そういうもの?)。
予算もあるので、実際に伝えた希望がすべて入った間取り、というわけではなく、これをどうブラッシュアップしていくか、という相談をしました。
- ゲストルームはあるけど小さい(しかも北側)
- パントリーがない
- 玄関が狭い
- キッチンがL字じゃない
など、理想と違うところをどう変えていくか。何を優先させて何を諦めるか、提案された間取りを元に、夫婦で何度も相談しました。
考えて考えて、出した結論はこの2つ。
1:ゲストルームはやめる
子ども部屋は2室で設計しているけれど、当時は2歳の子どもが一人だけの状態でした。実際に部屋を使うようになるのはまだまだ先……ということで、当面は一部屋をゲストルームにできると考えました。
二人目が生まれなければ、ずっとそこをゲストルームにできるし、もう一人生まれてきてくれたらそれぞれの個室に、そしてもし親と同居することなったら、書斎を個室に使うことなども想定。
いろんなパターンの未来を考え、子ども部屋は2室つくり、そこをフレキシブルに使おうと考えました。最初の提案でゲストルームは1階にあったので、諦めることでパントリーを設けることができ、さらにキッチンもL字にすることができました。
2:玄関の小上がりをやめる
玄関はバギーなどがそのまま入るよう土間を広くとりたかったのですが、最初に提案頂いた間取りは土間が狭く、そのまま入るのは難しい広さ。
予算の問題もあるので、玄関はどうしても少し狭くなってしまうとのことでしたが、私はどうしても土間を広くしたかった。とはいえ、玄関を無理に広くして、リビングやダイニングが狭くなるというのも違う気がします。そこで、小上がりをなくし、その部分も土間にする、玄関から上がったらいきなり部屋、という大胆なレイアウトを提案。
帰ってきて家族と顔を合わせず自分の部屋へ(思春期だとそういうことありそうですよね)、ということはできない間取りなので、子どもが大きくなったとき、このレイアウトが苦痛にならないよう、自然と挨拶や笑顔が飛び交うような、仲良く明るい家庭を築きたいです。
工務店とのやりとりで、一番重要だったのは…
null1階は希望を伝えて多少修正してもらいましたが、2階は希望が叶っていたのであまり変更点はあまりなく、提案時にあったベランダをやめたくらいです。
洗濯物や布団を干したりしないか、と確認されましたが、洗濯物は基本的には浴室乾燥と乾燥機のダブル使い。布団は布団乾燥機を愛用していたので、ベランダは必要ない(掃除などの手間も省ける)と考えました。引っ越してからつくっておけばよかったと思ったことは今まで一度もないので、我が家には正解だったと思います。
書斎は3畳と小さいですが、勾配天井なので圧迫感がなく、テーブルと本棚を置いて仕事をするには十分な広さ。
基本的に私は普段ダイニングテーブルで仕事をしているので、休日など子どもを夫に見てもらっている間、少し集中して仕事をしたいときなどしか使いませんが、陽射しが心地よく、狭いながら居心地のよい空間です。
我が家は1階にLDKと水回り(お風呂+洗面脱衣所)、2階に寝室、書斎、子ども部屋2室、ファミリークローゼットなので、3LDK+S+WICという間取りです。
2階は寝室6畳、子ども部屋各4.5畳、書斎3畳と各部屋はとってもコンパクト。ファミリークローゼットがあるので、それぞれの部屋に収納はあえてつけませんでした。子ども部屋は制服などがかけられるよう、ハンガーパイプのみを設置。
家づくりをする上で、またその家に実際に住んでみて感じたことは、絶対に譲れないことはきちんと伝え、それ以外はなんでもかんでも理想通りにしようとしない、プロの意見も聞く、ということ。私たち夫婦は家づくりに関しては素人なので、プロの意見を受け入れるというのも、大事なことだと感じました。
実際に住んでみて、自分たちで希望したけど思っていたより使いづらいな、と感じるところもありますし(長くなるのでまた別の機会にお話しします)、もちろん今の家に満足していますが、3回建ててやっと理想の家が建つとはよく言ったもので、家づくりの難しさを実感しました。
私は子どもの頃から家の間取り図が大好きで、小学生くらいのときは新聞広告の気に入った間取りを集めたり、自分で理想の間取りを書いて楽しんでいました。なので、この期間は色々と悩ましいことも多かったけれど、それも楽しい時間でした。
平日は東京から鎌倉山にある事務所にお邪魔することがなかなか難しかったので、リモートにしていただいたり、週末子連れで伺うことが多かったのですが、小さい子ども同伴の打ち合わせは集中して話を聞くことが難しい……。
そんな中、事務所の方が息子と遊んでくださり大変助かりました。事務所には子ども用のキッチンや廃材で作った積み木などもあり、息子も楽しく過ごせていました。ありがとうございました!
次回は「いちばんこだわったキッチン」についてお話しします。