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できたての「新米」を発送中!こんな気持ちで、各ご家庭にお米を届けています【お米農家のヨメごはん#38】

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こんにちは。富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・12歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らしている、そんな私たちの食卓周りの日常を、皆さんにお伝えする連載の38回目。
今回は1年かけて育ててきた「新米」のお届けの様子です。専業米農家として「こんな風にお米を届けています」という、私たちの気持ちをお伝えします。

お届け先の家庭を想像しながらの新米の出荷は、幸せな時間

稲刈りと乾燥調製と農産物検査を終えて、今は新米出荷の日々で忙しく過ごしている。農産物検査を終えたお米のほとんどは、ご近所の超巨大な保冷倉庫に預かってもらい、ごく一部を我が家の保冷倉庫に搬入。

この保冷倉庫内に精米機を設置していて、ここで毎日たくさんのお米を精米したり小分けしたりして、出荷の対応をしている。

全国からたくさんのご注文・お問い合わせをいただける事は、本当に幸せだ。これまでずっと変わらずご注文をいただくお客様も多いし、新米の時だけは故郷のお米を食べたいと毎年ご注文いただく方もいる。

今年は新規のお客様のご注文も多くて驚いている。

どこで我が家のお米を知っていただいたんだろう。すごく嬉しいし、我が家のお米がお口に合えば嬉しいな、またご注文いただけるかなと、ドキドキしながらお米をお届けしている。

ところで、私たち家族で営む『濱田ファーム』のHPには、お買い物カゴがない。クレジットカード払いもできない。クリックひとつで何でも買えて届くシステムは確かに便利だけれど、人と人との繋がりを求めて、あえてやっていない。

だからお客様にはお手間をおかけしていて、初めて注文しますとか、富山の美味しいお米を探していてとか、人づてにお勧めされてとか、前置きや説明をつけてメールやお電話でご連絡いただく。もうここでたぶんハードルがかなり高いはずなのに、それでもご注文・お問い合わせをいただく方たちは、きっと、お客様にも何かしらの思いがあるのだろう。

ただ主食としてのお米を注文している・届けているという関係ではなく、 主食を通して、人と人との関わりをお互い感じたいから、ではないだろうか。

結婚して家族が増えた・入院して消費が減った・息子が部活を始めてすごく食べるようになった・生まれた子どもの離乳食に食べさせた・春から子どもが大学生になり家を出て行った等々、お米が主食だからこそ、その方の家族構成や生活スタイルの変化によって、お届けするお米の量が変わる。 お客様もそれを伝えてきてくれる。

私は各家庭の様子を想像しながらお米を用意する。 正直、すごくすごく時間がかかる。とっても非効率的だ。でも、こんな幸せな事があるだろうか。

「お米だけ」の専業農家は、やめた方がいいと言われたけれど…

機会損失と言われる事もあるけれど、1年間に私たちが生産できるお米の量にはどうせ限りがある。

豊作の時もあれば凶作の時もあって、自分できっちりコントロールはできない。完売したからといってすぐに用意する事もできないし、機会損失だらけだ

「お米だけ」にするのはやめておいた方がいいよ、と農業を始める時にさんざん言われた。

お米だけでなくこれもやった方がいい、あれもやった方がいい、今ならこれがねらいめ等々、たくさんのアドバイスもいただいた。
お米だけを作るにも、無農薬や減農薬にこだわらない方がいい、全量直売はリスクが多すぎるとも、散々言われた。

皆さん、私たちのやる事なす事すべてが心配で、ハラハラドキドキだったんだと思う。

本当に有難い。そんな有難いアドバイスを私たちはその都度、自分たち自身でよく考えた。その上で、私たちは今こうして専業米農家としてお米だけを育て、できるだけ農薬を使わずに、そしてほぼ全量を個人のお客様へお届けしている。

時々まわりから「うまい事やってるね」って言われるけれど、全然「うまい事」なんてない。1つひとつの作業や工程が地味で地道だ。試行錯誤も多いし失敗も数えきれない。

ただただ、主食であるお米を、お米だけを作っている喜びと誇りがある。お客様に、日々の食卓で美味しいと思っていただけたら嬉しい。それだけだ。

これからも専業米農家として頑張っていきたい。
そう感じた今年の新米出荷の日々。
まだもう少し続きます!


濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係らず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。濱田ファームのHPはこちらから。

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