今回は、小学校以上の子どもを持つ女性に、小学校入学後に苦労したエピソードや、小学校入学を控えた子どもがいる家庭に向けたアドバイスについて聞いてみました。
子育て中の女性が入学後に一番大変だったことは?
null子どもが小学校に進学したあとに生じる様々な問題は“小1の壁”や“小1プロブレム”などと呼ばれることがあります。保育施設と雰囲気や預かり時間が異なるために子どもがなかなか順応できなかったり、働く時間の短縮を余儀なくされるといった声が聞かれることもあります。
そこで、小学校以上の子どもがいる女性124人に入学後に大変だったことについて聞いてみました。その内容は3つの内容に分類することができました。
(1)学校生活
「幼稚園から小学校に上がった時に引っ越しをしてしまい、友達がいない地域にきてしまったためか、クラスに友達ができないよう。本人はそれでも学校が楽しいようだが、心配」(30歳・総務・人事・事務)
「歩くのが嫌で『学校に行かない』と言い出した」(42歳・主婦)
「夕方家に帰ってから、ご飯の準備をしている間に寝てしまっている」(41歳・総務・人事・事務)
「PTAはもちろん、登校時間が決められていること、早退や遅刻の際は親が同行すること、忘れ物をしたら学校まで同行しなければ取りに行けないこと」(37歳・主婦)
(2)学習
「字の読み書きが完璧ではなく、学校へ行きたくないと言って泣いていました」(41歳・主婦)
「幼稚園との違いがありすぎて勉強が大変だった……友達とのトラブルも男の子特有のものがあった」(41歳・主婦)
(3)放課後の預け先
「預け先に困った」(39歳/総務・人事・事務)
「仕事を減らした」(50歳/主婦)
多く寄せられたのが、学校での生活や学習に関するエピソードでした。徒歩や自転車、園バスで通い、たっぷりと遊び時間がもうけられた保育施設に通っていた子どもたちにとって、教科書がたくさん入ったランドセルを背負って自分で歩いて勉強をしに行くことは、劇的な環境変化です。
新しい環境への子どもの適応をサポートするために大変な思いをした女性の声が多く寄せられました。
また、働く女性にとっては、学童探しや、残業時の預け先、宿題時間の確保などは切実な問題となっています。子どもたちの不安に寄り添いながら、放課後の居場所の確保に奔走して、仕事を続けることへのつらさを吐露する女性もいました。
新小学1年のパパ・ママへのアドバイス
null続いて、小学校入学を控える子どもがいる親子に向けて、124人の女性の体験をもとにしたアドバイスを頂きました。
【生活面のアドバイス・体験談】
「春休みの間に何度か散歩で学校まで行ったりすると、朝、とまどわずに済む」(34歳・主婦)
「最初は長い時間机に座ったり、疲れると思うけど、休み時間や給食の時間などお友達とお話して楽しく学校生活を送って下さい」(38歳・主婦)
「悩んでいること、不安なこと、誰にどうやって話したら良いのか分からないこと……それらは全て、そのまんま、学校の先生に相談して良い事なんだと、説明会の時にスクールカウンセラーさんが言って下さいました」(39歳・その他)
「勉強、勉強ばかりではなく、お友達と仲良く遊んで下さい」(31歳・公務員)
生活面では、子どもの不安に親が引きずられないように、先生やスクールカウンセラー、先輩ママに相談しながら、“長い目”を持つことの大切さを実感している女性の声が集まっています。入学前には、通学路を親子で歩いてシミュレーションしておくと新学期後の通学に役立つとの声も。
【学習面のアドバイス・体験談】
「字が書けないとか、箸が持てないとか、そういうことを気にし過ぎてピリピリしていたので反省していました。もっと大らかな気持ちで大丈夫だと思います」(36歳・主婦)
「子どももはじめての所だから緊張、疲れて当たり前。勉強だってやれない時あるけどそこは心配ない! 慣れていくうちに『あれ? そんなことあった?』って話になるから」(41歳・主婦)
学習面では“勉強をしてきた子“と“初めての子”の差が大きい状況を目の当たりにして親も子も気おくれしてしまうケースがあるようです。それでも「大らかな気持ちで大丈夫」との声がありました。
【放課後のアドバイス・体験談】
「新しい預け先を何とか探すことができ、子どもも慣れてくれた。子どもも自分なりに、馴染まないと思いながらやっているので見守るしかない」(39歳・総務・人事・事務)
「児童センターに行きたがらないので困った。そこにいる先生に相談して、ゆっくり焦らずに生活をすること」(37歳・主婦)
夕方まで働く女性にとっては学校だけでなく、子どもの放課後の環境を整えることも急務です。学童の先生と連携して、ゆっくりとなじんでいくのを待ったという声が寄せられています。
以上、今回は小学校入学の生活に慣れていくまでのエピソードやアドバイスについてお届けしました。
1日のうちの長い時間を過ごす学校。教室での様子や子ども同士の人間関係が今までのように見えないからこそ、たくさんの不安がつきまとい、子どものサポートで一時的に忙しい日々がやってくるかもしれません。不安があったら学校と連携しながら、学校や学童から帰ってきた子どもを家庭で温かく迎えてあげたいですね。