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おすそ分けの「不格好大根」は、こんなレシピに変身。農家仲間からの野菜は新鮮さピカイチ!【お米農家のヨメごはん#20】

こんにちは。富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・11歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らしている、そんな私たちの食卓周りの日常を、皆さんにお伝えする連載の20回目。

今回は、冬こそ美味しい!たくさんいただいた大根づくしの食卓と、雪が全く降らない田んぼでの農作業の様子をお伝えしたいと思います。

おすそ分けでいただく野菜は、不格好だけど新鮮さはピカイチ!

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いつもお米をお届けしているご近所のお客様から、たくさん大根をいただいた。それは、スーパーに並ぶ、真っ直ぐで長さも均一の大根とは全く異なる風貌だ。

自分で大根でもトマトでも何でも野菜を作ってみると、スーパーに並ぶ野菜が、いかに不自然かよくわかる。家庭菜園だからというのもあるだろうけれど、流通に乗せる為の規格を満たす野菜はやっぱり、どこか違和感を覚える。

プロの農家が作る野菜だって、全てが規格を満たすものばかりではないわけで、その裏で大量に廃棄される野菜も多いのが現実だろう。

という思いにかられるくらい、おすそ分けでいただく野菜は不格好なものばかりだ。でも新鮮さはピカイチなわけで、掘りたての大根のみずみずしさったら、包丁のあたりが全く違っていて、切っていて嬉しくなるくらいだ。

だからまずは何をさておき、私はサラダでいただく。

ただ切って盛り付けてドレッシングをかけただけ。みずみずしくて甘みのある大根の美味しさったら!もうお料理なんてする必要はないんじゃないかって思うほど。

だけれど、大量の大根を目の前にすると、大根の美味しさを引き立たせるお料理を色々したくなる。
前日の、豚の角煮の煮汁を取っておいたので、乱切りにした大根を投入。ストーブでコトコト炊いて大根の葉を散らして。

子どもの頃はあんなに苦手だった大根の煮物は、齢を重ねる毎に美味しく感じるようになった。10年後20年後と、もっともっと美味しく感じるようになったらどうしよう!と、心配になるくらい。

寒い日は「みぞれ鍋」に決まり!

今年は暖冬だって言われているけれど、寒い日だってもちろんある。そんな日はみぞれ鍋に決まり!

お鍋の時、私はお出汁をとる事はほとんどない。野菜やお肉(時にお魚)の素材そのものから出る旨みと、お醤油(この日は味噌屋の友人が作るたまり醤油)に何かしらの柑橘類、あとは七味唐辛子や柚子胡椒などがあれば、それで十分だと思う。

大根ほぼ1本を大根おろしにしてくれたのは、ズボラな私の大きな味方、フードプロセッサー。あっという間に大量の大根おろしをこしらえてくれた。

薄めに短冊切りにした大根と大根おろしに、豚バラ肉を入れてサッと炊いて。

冷蔵庫に他に何もなかったから、極めてシンプルなお鍋料理になったけれど、かえって大根の美味しさを感じられる一品に。

もう一品は、和風ミネストローネ。
オリーブオイルで小さめにサイコロ切りした大根と牛蒡をさっと炒めて、お水とトマトで炊いて塩胡椒しただけ。

いつもトマト缶を使うけれど、この時は宮崎のトマト農家さんから送られてきたミニトマトがたくさんあったので、ざく切りにして投入。

本当はトマトは湯むきした方が口当たりはいいんだろうけど、家庭料理では湯むきなんて必要ないと私は思う。皮までしっかり美味しくいただきたいし。

とっても優しい味わいの和風ミネストローネは、翌日にカレーパウダーを入れてカレー風味にした。ら、味わいも変わって家族から大好評だった。

レシピ検索してみると、大根カレーや麻婆大根も人気のようなので、また大根のおすそ分けをいただく事があれば試してみようと思う。

雪が降らないのは、助かる。けれど……

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この冬は雪がほとんど降らない。

生活を送る上では、雪かきをしなくてもいいし雪道運転の心配もないので、本当に助かる。雪国の人間の、これが、本音だ。けれども、なんとなく居心地が悪い。
それは地球温暖化という問題というよりは(それはもちろん大きな大きな問題だけれども)、晴れていたら農作業をしないと落ち着かないという、農家の性なのかもしれない。

いつもは雪に覆われて田んぼが見えないからこそ安心して、作業所にこもって農機具の整備に集中したり、たまっているペーパーワークを片付けたりする冬なのに、田んぼが目の前に見えると、ついつい、田んぼに出てしまう。

といっても、この時期に田んぼでできる作業は限られていて、こうして米ぬかを散布するくらいだ。

玄米を精米して白米にする過程では、大量の米ぬかが出る。例えば、10kgの玄米を精米すると、9kgの白米と1kgの米ぬかになる。毎日まいにち大量のお米を精米するので、米ぬかも大量に発生する。それを有効利用できれば本当はいいんだろうけれど、あまりにも量がありすぎるので、時々こうして田んぼに返してあげるくらいしかできていない。

有機質肥料、と言えるほど米ぬかに肥やしっけがあるわけではないけれど、田んぼから出たものを田んぼに返す。それが自然かなと思い、今日もせっせと田んぼに米ぬかをまいています。

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