4割の妻が「夫がイクメンではない」と感じる理由は?
nullまず、20~40代の子育て中の女性169名に「あなたの夫は“イクメン”(育児に積極的な夫)だと思いますか?」という質問をしたところ、結果は以下のようになりました。
そう思う・・・18.9%
ややそう思う・・・39.6%
思わない・・・37.9%
わからない・・・3.6%
4割弱の女性が「夫が育児に積極的でない」と感じていました。以前、「4割がワンオペ育児中と回答!『辛いと感じること』時間がない、より多かったのは…」の記事において「自分は、1人で育児をしている“ワンオペ育児”中だと思う」と回答した割合も4割。偶然にもその結果は類似しています。
冒頭の質問の理由として半数以上が回答していたのが「夫が何もしようとしない」というもの。
「家事育児については9割9分こちらで行なっているので」(31歳・主婦)
「家事・育児は全くしない。女は専業主婦、男は外で仕事、それが役割分担だと思っているとのこと」(35歳・主婦)
「育児を頼んでも『できない』と言ってなかなかしてくれないから」(33歳・主婦)
「うちは遊び相手をするくらいでお世話はほとんどしません。イクメンという言葉自体納得いかない。夫も育児をするのが当たり前」(25歳・ その他)
このように、複数の回答者からは、男性が育児をすることを特別視するような“イクメン”という言葉への違和感も聞かれました。
他には「自分の好きなことを優先する」「仕事が忙しい」といった意見も集まっていました。
「毎日仕事で帰ってくるのが遅い」(38歳・主婦)
「自由に自分のことをしているから」(43歳・主婦)
それでは、仮に夫側が育児に積極的ではない場合、自宅ではどのように過ごしているのでしょうか。
「育児に消極的な夫」は家でどう過ごしてる?
null続いて、育児に協力的ではない男性の自宅での過ごし方について深掘りすべく、「家で夫は、家事・育児をしない代わりに何をしていることが多いですか?」という質問を投げかけてみました。
多かった5つの回答をご紹介します。複数の回答が含まれている場合は、それぞれの項目にカウントしました。
5位・・・寝る(11人)
「家でダラダラ寝ていることが多い。イライラする」(41歳・主婦)
「家で寝てるか漫画読んでいるかが多い」(42歳・その他)
「昼寝、ゲーム。だらしがない」(45歳・総務・人事・事務)
4位・・・テレビ視聴(13人)
「横になり、テレビをつけ、パソコンでパチスロをしながら、焼酎を飲んでいる」(41歳・その他)
「ゴロゴロとテレビを見るか、昼寝。呆れている」(46歳・主婦)
「自分一人の部屋にずっといて、食事すら家族としないで部屋に持ち込んでひとりで好きなテレビを見ながら酒を飲みながら携帯やっていて何ひとつしない」(46歳・主婦)
3位・・・スマートフォン視聴(16人)
「ゲームかスマホをいじっている、非常にイライラする」(31歳・主婦)
「ゲームしたりYouTube見たりしている」(33歳・主婦)
「家では、ゴロゴロしたり、YouTubeみたりゲームしたり、録画みたり、ダラダラしていますね」(33歳・主婦)
2位・・・趣味(19人)
「ゲーム、パソコン。趣味に出かけてしまう」(45歳・総務・人事・事務)
「自分の趣味。ゴルフ用具の手入れやスマホでゴルフ研究」(44歳・主婦)
「ゲーム、テレビ、スマホ、競馬です。何か言えば『俺は仕事をして疲れている』というので、もうめんどくさいです」(33歳・主婦)
1位・・・ゲーム(24人)
「スマホで動画を見たり、ゲームをしていることが多い。正直、イライラするがケンカになるのも面倒なので何も言わない」(39歳・営業・販売)
「ゲームをしている。平日働いてくれているので構わない」(47歳・主婦)
「家ではゲームするか、YouTubeを見ていることが多い」(37歳・主婦)
「帰ってきてもお酒を飲んでゲーム、休みの日も子どもと遊ぶふりしてゲームばかり」(40歳・主婦)
読んでいるとちょっと悲しくなるような回答も見受けられましたが、男性側が自宅での時間を休息時間・余暇時間ととらえているケースもあるようです。ここまでの皆さんの回答から、自宅で育児に関わらない理由として以下のような理由が推測されます。
・仕事で疲れている
・夫が稼ぐ、妻が家のことをするという役割分担がスタンダードだと思っている
・外で働いているから、自宅では休息することが権利だと考えている
・育児が労力と体力を要することを理解するに至っていない
・ただ、面倒くさい
・家事・育児スキルに自信がない
“働き方改革”で残業の制限がある企業も増えていますが、インターネット上では「早く帰宅しても夫は何もしてくれない」という不満を抱いている女性の声も散見されます。
回答を振り返って…
null冒頭でお伝えした通り、育児・家事は、絶え間なく降り注ぐものと、突発的に降りかかるものへの地道な対応の繰り返しです。
過去記事の「子育てがときどきしんどいのは『感情労働』だから?母たちの『子育てと感情』の実態を調査」では、育児の手間よりも、自分の感情をコントロールしながら子どもの心に寄り添い続けることが大変だと感じている母親が多いという結果になっています。たくさんの幸せを実感できる反面、育児を1人で担い続けることで、その担い手を孤独や心の疲れにさらすリスクも伴います。
共働き家庭が増加している今、夫婦の片方が「家庭での時間は丸ごと余暇」というふるまいは、将来の夫婦関係に深刻な影を落とす可能性もあるでしょう。
今回は女性を対象としたアンケートでしたが、男性に聞いてみたら、妻側が今回の結果のように家庭での過ごす時間を丸ごとスマホ・テレビ視聴やゲームにあててしまう家庭もあるかもしれません。
一方で、最初の質問では6割の女性が夫に対して「育児に積極的」だと感じており、その数字は男性が“企業戦士”であることが求められていた高度経済成長期よりはずっと多いと推測できます。
いずれにせよ、社会が激変しているように、家族もまた変化しています。
2010年代は「家族のことは、全部よろしく」という父親像と「育児は夫婦で担っていく」という父親像がせめぎあう10年だったと思います。共働き家庭が増える今、“父親の役割”“母親の役割”を家庭の中でどう分担していくかは、夫婦の大きな課題となっていくのではないでしょうか。