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子育てがときどきしんどいのは「感情労働」だから?母たちの「子育てと感情」の実態を調査

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「子どもを持つまで、“感情のコントロール”がこんなに大変なことだとは知らなかった」。子育て中の女性からは、こんな声が聞かれます。人間の育児においては、子どもの衣食住を満たすだけではなく、子どもの感情を扱い、自分の感情をコントロールするという“見えない仕事”が大きな意味を持ちます。

『kufura』は、226人の子育て中の女性に「子育てをしていて“つらい”と感じること」や、その原因についてアンケートをとりました。今回は、育児と感情の関係性について考察していきたいと思います。

育児のつらさは「感情をフル稼働する領域」に隠れている?

まず皆さんには、子育てにおいて最も“つらい”と感じることについてうかがいました。多かったのが、以下の5つの項目です。

1位:子どものぐずりや甘えや反抗を受け止めること・・・30.1%

2位:子どものしつやけ教育・・・23.0%

3位:ママ友など子育てに関わる人間関係・・・16.4%

4位:子どもの衣食住などの世話・・・7.1%

5位:子どもの健康管理・・・6.6%

上位2つが子どもとの接し方に関すること。5割の回答が集中しており、回答者の子どもの年齢は様々でした。そして、3位は家庭の外の人間関係で、未就学児を育てる女性の回答が目立ちます。

その後は、衣食住や健康管理など、生活の質や子どもの生命を維持するための仕事が続きます。

今回の調査では、上位3つが全回答者の7割を占めていましたが、いずれも育児の中の“心を使う領域”において「つらい」と感じる女性が多いことがわかります。

「つらい」と感じたときのシチュエーションを聞いてみると…

続いて、育児中に、「つらい」と感じたときの具体的なシチュエーションについて聞いてみました。その原因は大きく分けて5つの回答内容に別れています。

(1)子どものぐずりが続いたとき

「なぜぐずっているか分からないとき」(25歳・総務・人事・事務/子0歳の双子)

「2人同時にぐずられると、どうしていいかわからなくなる」(40歳・主婦/子9歳・6歳)

「寝ぐずりして泣き叫ぶ子どもに1時間くらい抱っこや話しかけたりするも収まらず、家事などが出来ずストレスだった」(32歳・その他/子7歳・4歳)

(2)子どもが言うことを聞かない・思い通りに動かないとき

「子どもがちゃんと出来ていないことに対して、“自分ならできるのに”と大人の立場でしか考えられなかった時があった」(33歳・主婦/子3歳)

「まだ赤ちゃんも育てているので、上の子のワガママについついイライラしてしまい、感情的に叱ってしまって、後で後悔すること」(41歳・主婦/子9歳・7歳・0歳)

「“ダメ”って何十回も言ったことをずっとやり続けるし、怒ってもごめんなさいって口だけ。ストレスがすごくたまる」(34歳・主婦/子7歳・4歳・3歳・1歳・5人目妊娠中)

(3)ストレスのやり場がないとき

「はけ口がなく、ストレスがたまるから」(26歳・主婦/子・0歳10ヶ月)

「子どもはストレス発散しても、母親が発散するところがない」(45歳・主婦/子12歳・9歳)

「いつも余裕がなくストレスがたまっている」(32歳・その他/子2歳)

(4)子どもが絡んだ人づきあい

「もともと人付き合いが苦手なので、ママ友関係はつらい」(36歳・主婦/子4歳)

「子どものクラスのお母さん方とお話をするのに、どんな話をしていいのか話題に困る」(36歳・主婦/子6歳・1歳)

(5)反抗期

「小さなことで毎日喧嘩が続くと、怒りがたまってきてお互い消耗する」(48歳・主婦/子10歳)

「反抗期で、全く言うことを聞かない。本人のためを思って言っているのに」(46歳・主婦/子13歳)

皆さんも、こういったシチュエーションに心当たりがあるかもしれません。

“いつも笑顔で、子どもの気持ちに寄り添える社交的なお母さん”というのは、多くの人が模範とする母親像だと思われます。

子どもの機嫌がよく、物事が順調に進んでいるときには、育児が楽しく、そんな風に振る舞うのは難しくないかもしれません。反面、子どもの機嫌や、人間関係、ストレスなど、自分の力でコントロールできないことが重なると、どうしても平常心を保つのが難しくなるものです。

子どもの感情に寄り添い、共感し、自分の感情をもコントロールすることが必要とされる育児は、心と心のことなので、外からは“見えないつらさ”を引き起こすことがあるのではないでしょうか。

働くママの77.6%が「仕事より育児が大変」と回答した理由は…?

誰かの感情を扱い、自分の感情を抑制する仕事は、しばしば“感情労働”と呼ばれることがあります。サービス業や、誰かのケアをともなう仕事などが感情労働にあたります。

育児は無報酬で、なおかつプライベートな家庭空間を中心に行われていますが、核家族の母親の役割の中には、先生、調理師、配膳者、運転手、看護係、友達……と、多くの役割が含まれており、感情労働の要素が含まれているのではないでしょうか。

ちなみに、今回アンケートにご協力頂いた女性の51.3%は、仕事と育児を両立しています。皆さんに「“仕事”と“子育て”、しいて言うならば、どちらが大変だと思いますか?」と聞いたところ、回答の割合は以下のようになっています。

子育て・・・77.6%

仕事・・・12.1%

両方・・・6.0%

その他・・・4.3%

子どもの感情と向き合うためには忍耐や共感力を要します。しかし、仕事と比べて思い通りにならない場面が多く、報酬のある仕事のように評価を得られにくいことが、心理的な負荷を重くしているようです。

「ママの笑顔が一番」という言葉では根本的解決にならないから…

“感情労働”を伴う職種の中には、プライベートの自分と、仕事中の自分を切り離す感情の訓練を経て、バーンアウトを防ぐという職種もあると言います。

ところが育児は、オンとオフの切り替えをしにくく、思い通りにならない子どもの感情に引きずられ、疲れ果ててしまうこともあるでしょうし、そもそも、私たちはそのような訓練を受ける機会がありません。

“母性”で解決できると思われている部分も多く、母親の振る舞いに関して「ママが笑顔なのが一番です」「ストレスをためないようにしましょう」といった指南がよく聞かれます。しかし、そういった言葉は父親を育児から遠ざける言葉であるだけでなく、育児のつらさを根本から解決するものではないのです。

育児という“感情労働”の要素を含む仕事をもっと楽しむためには、どうしたらいいのか。“共感疲れ”や“ストレスのはけ口がない”といった原因から生じるバーンアウトを防ぐ方法はあるのか。

 

『kufura』では、そういった悩みを解決するメソッドやヒントを探っていきたいと思います。

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