人気メニューの栄養情報をチェック
nullこんにちは、管理栄養士の宮﨑奈津季です。今回はマクドナルドで食べる物を迷った時、健康面を意識するならどう選ぶと良いかについて、比較しながら考えてみたいと思います。
人気の4種のバーガーの栄養価比較
まずは、不動の人気メニュー「ハンバーガー」「てりやきマックバーガー」「ビックマック」「フィレオフィッシュ」の4種のバーガーで栄養価を比較してみました。





エネルギー(カロリー)は、シンプルな「ハンバーガー」が最も低く、「ビッグマック」や「てりやきマックバーガー」が高い傾向でした。
脂質が多いとエネルギーが高くなりがちですが、一番脂質が多かったのは「てりやきマックバーガー」。次いで「ビッグマック」でした。
「フィレオフィッシュ」はフライなのにもかからわず、白身魚を使用しているからか、脂質の量はてりやきマックバーガーの約半分!
健康が気になる方は、おそらく塩分も気になるのではないでしょうか? 「てりやきマックバーガー」や「ビッグマック」は1個当たり2gを超えます。日本人の食事摂取基準(2025年版)で設定されている1日の食塩摂取目標量は女性で6.5g未満であることを考慮すると、バーガー1個だけで1食分の塩分に近くなってしまいます。
たんぱく質をしっかりとるなら「ビッグマック」かもしれませんが、脂質や塩分も同時に多く含まれていることを覚えておく必要がありそうです。
また、どのバーガーを選んだとしても、単品で不足しがちなのは食物繊維。サイドメニューやほかの食事で補うことを意識しましょう。
夜はビッグマックより倍バーガーを選ぶ方がいい?
夜マック(夕方17時以降)限定で展開されている「倍バーガー」というメニューが人気です。パティを倍にすることで栄養価はどのように変化するのでしょうか。「ハンバーガー」と「倍ハンバーガー」で比較してみました。

「ハンバーガー」にパティを1枚追加した「倍ハンバーガー」にすることで、エネルギー量は99kcal、脂質は7.6g、食塩相当量も0.7gアップします。
ただ、「ビッグマック」と比べるとパンの量が違うため、炭水化物やエネルギー量などは低くなる傾向になります。糖質が気になるけど、たんぱく質を意識したいという方はビッグマックより倍ハンバーガーを選ぶというのも一つの手かもしれません。
チーズ増量でどれだけ増える?
マクドナルドのバーガーの中にはチーズが入っているものも多くあります。チーズが追加されると栄養価がどのように変化するかも見てみました。

「ハンバーガー」にチーズを加えたものが「チーズバーガー」。チーズをプラスすることでエネルギーが51kcal、たんぱく質が2.9g、脂質が4.0g、炭水化物は0.8g、食塩相当量が0.7gアップします。
「チーズバーガー」にチーズとパティがそれぞれ増量される「ダブルチーズバーガー」は、さらにエネルギーが149kcal、たんぱく質が10.5g、脂質が11.6g、食塩相当量は1.0gと大幅に増加します。
チーズは貴重なたんぱく質源の一つであるため、たんぱく質を意識する人にはおすすめです。しかし、同時に脂質や塩分も含まれているため、その積み重ねによっては栄養バランスに影響します。脂質や塩分を気にしている方は注意した方が良いでしょう。
バーガーは好きなのを食べたい!というときのサイドメニュー
nullポテトMはフィレオフィッシュ1個より高カロリー
マクドナルドのサイドメニューといえば、「マックフライポテト」が定番ですが、サイドメニューの中でもエネルギー、脂質、炭水化物、食塩相当量が高いメニューです。健康を意識するのであれば、他の選択肢も視野にいれておきたいですね。


「マックフライポテト」はMサイズで409kcalと、ポテトだけで「ハンバーガー(259kcal)」、「チーズバーガー(310kcal)」、「フィレオフィッシュ(338kcal)」よりもエネルギー量が多くなります。

一方、「サイドサラダ」は10kcalと低く、脂質もかなり低いです。ただし、ドレッシングをかけると栄養価が変わるので注意しましょう。「焙煎ごまドレッシング」は1袋65kcal、脂質が5.9gあります。気になる方は、かける量を調整して使いましょう。「低カロリー玉ねぎ」だと、1袋5kcal、脂質0gとなり、栄養価には大きく影響しないでしょう。
「えだまめコーン」も83kcalとエネルギーは控えめですが、たんぱく質や食物繊維がとれるのが特徴です。
エネルギー量や脂質が気になる方は「サイドサラダ」に。エネルギー量が気になるけど、たんぱく質や食物繊維を意識したい方は、「えだまめコーン」に変更するというのが良いでしょう。
無視できないのがドリンクの数値
意外と見落としがちなのがドリンクです。ジュースなどの清涼飲料水を選ぶ方もいるかもしれませんが、糖分が含まれているため、無意識にエネルギーを過剰に摂取してしまうことも。飲み物は満腹感につながりにくいので、健康を意識するなら選ぶものには気をつけたいものです。

マクドナルドで選べるドリンクは何種類かありますが、一番エネルギーが低いのは「爽健美茶」です。お茶は、たんぱく質や脂質、炭水化物は含まれていなく、シンプルな水分摂取につながります。一方、「コカ・コーラ」はMサイズで145kcal、炭水化物は36.5gと、エネルギー源のほとんどが糖質に由来しています。エネルギーや糖質が気になる方は要注意です。
野菜不足が気になるから……と野菜ジュースを選択される方もいるかもしれません。「野菜生活100」のMサイズはエネルギー121kcal、炭水化物28.3gが含まれている一方、食物繊維は0.8gとなっています。
野菜ジュースは加工の過程で食物繊維が失われ、糖分が凝縮されていることも多いため、完全に野菜の代わりにはならないこと、あくまで補助的なものであると考えてくださいね。
自分でセットを作るなら…
nullもし、私が健康面を意識してメニューを選択するなら?と考えてみました。たんぱく質や食物繊維をとりつつも、過剰になりやすい脂質や食塩相当量はなるべく抑える組み合わせとして選んだのは以下です。

- チーズバーガー
- えだまめコーン
- 爽健美茶
このセットでは
- エネルギー:393kcal
- たんぱく質:21.1g
- 脂質:16.5g
- 炭水化物:40.7g
- 食物繊維:4.5g
- 食塩相当量:2.1g
となります。
参考までに、
- ビッグマック
- マックフライポテトM
- コカ・コーラM
のセットにすると、
- エネルギー:1079kcal
- たんぱく質:31.6g
- 脂質:47.8g
- 炭水化物:130.9g
- 食物繊維:7.8g
- 食塩相当量:3.4g
となります。選ぶメニューによって数値が大きく変わることが分かりますね。
ただ、毎回毎回健康を意識した食べ方ではなく、たまには好きなものを食べたいと思う方もいるかと思います。その場合は本当に食べたいものを選び、それ以外の組み合わせを調整するのも良いと思います。
また、食事は1食だけで完結するものではありません。1日、ないしは1週間単位で栄養バランスをとるという視点を持つことで、ストレスなく健康的な食習慣を身につけることにつながります。
ファストフードは便利である一方、選び方次第で知らず知らずのうちに健康面に影響する可能性もあります。今の自分にとっての良い選択ができるように、栄養情報を意識してみましょう。
無理しすぎず、たまには美味しいものや好きなもので自分を労わるのも忘れずに。ファストフードと上手に付き合っていきましょう。
【参考文献】
・日本マクドナルドホールディングス「栄養情報 一覧表」https://www.mcdonalds.co.jp/quality/allergy_Nutrition/nutrient/(閲覧日:2025年5月20日)
・厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html(閲覧日:2025年5月20日)

管理栄養士・薬膳コーディネーター。介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、フリーランスの管理栄養士に。料理動画撮影やレシピ開発、商品開発、ダイエットアプリの監修、栄養価計算などの経験あり。 現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。
X:https://twitter.com/NatsukiMiyazak1
※「崎」は正式には立つ崎(たつさき)です