梅雨ってどんな時期?何に気を付けると良い?
nullこんにちは、管理栄養士・薬膳コーディネーターの宮崎 奈津季です。
梅雨の時期は、なんとなく体の不調を感じる方も多いのではないでしょうか。その原因の一つとして、気圧の変化や急激な気温差による自律神経の乱れで、だるさを感じてしまうということがあります。
また、雨が続き湿度が上がった状態だと、水分代謝が低下します。これによりむくみや頭痛、食欲不振などの不調が現れるのです。
梅雨の時期の体調不良の原因のひとつ「湿邪」とは
中医学では、病気を引き起こす原因を「邪気」、自然界にある邪気が侵入し、病気の原因となっていることを「外因」と呼びます。よく見られる外因の邪気は6つあり、これを「六淫(りくいん)」と呼んでいます。その中の一つとして「湿邪」があり、これが梅雨にある邪気です。
「湿邪」により体内の気の巡りが悪くなることで、むくみや食欲の低下などの症状が見られます。そのほかにも体のだるさや関節の痛み、下痢などの症状も多く現れます。
食事で「脾」をいたわる
中医学では、体を「肝・心・脾・肺・腎」の五臓として考えます。この中で梅雨の時期に弱まるのは「脾」とされており、食物の消化、吸収をしたり、血流のコントロールをしたりといった生理機能があります。
「脾」が弱まると消化機能が落ちて食欲不振になったり、胃もたれなどの原因となるので、梅雨の時期は脾をいたわり、胃腸の機能を高めていくことが大切です。
※中医学での「五臓」は、西洋医学での臓器を直接指すものではありません。例えば「肝」=「肝臓」というわけではない点に注意してください。
改善に役立つ薬膳
null湿邪対策におすすめの食材
湿邪のある時期におすすめしたい食材の特徴と食材の例は下記の通りです。
・利尿作用が高いもの:小豆、空豆、大豆、とうもろこしなど
・体を温めてくれるもの:生姜、さくらんぼ、納豆、にんにくなど
・胃腸の機能を補ってくれるもの:じゃがいも、しいたけ、にんじんなど
利尿作用の高いものを食べることで、体に溜まった余分な水分の排出が促進されます。体を温めてくれる食べ物は、体内の水分代謝を高めてくれたり、体内の気の巡りをよくするのに役立ちます。
逆に体を冷やす食べ物や、脂っぽく消化機能に負担のかかる食べ物は避けるのがベターです。
おすすめの調理法は?
胃腸の負担にならないよう、冷たく食べるよりも温めて食べるのがおすすめです。蒸す・茹でる・煮るは、使用する脂質が少なく済むため、胃腸への負担を軽減できます。しっかり加熱すれば、食材もやわらかくなり食べやすいですね。
スープや蒸し野菜、煮物などで、おすすめの食材を一つ取り入れてみるところから始めると、気軽に薬膳を取り入れられますよ。
食生活、ここに注意!
梅雨の時期は、ジメジメとした天気と蒸し暑さにより、さっぱりしていて冷たいものを口にしたくなると思います。しかし、冷たいものばかりとってしまうと、胃腸に負担がかかり食欲不振につながりますので注意しましょう。汗をかく季節でもありますので、水分やミネラルの補給も忘れずに行うと良いですね。
【参考文献】
・東邦大学医学部東洋医学研究室「薬膳と漢方の食材小事典」日本文芸社(2019)
・飯田薫子、寺本あい「一生役立つ きちんとわかる栄養学」西東社、(2019)
管理栄養士・薬膳コーディネーター。介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、フリーランスの管理栄養士に。料理動画撮影やレシピ開発、商品開発、ダイエットアプリの監修、栄養価計算などの経験あり。 現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。
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※「崎」は正式には立つ崎(たつさき)です