食べすぎちゃった…そのあとどうする?
nullこんにちは、管理栄養士の宮崎奈津季です。おいしいものが目の前にあるとついつい食べすぎてしまうという人は多いもの。今回はそのあとどうすれば身体の負担なくリセットできるかを考えてみましょう。
調整は数日かけて
食べすぎてしまったと感じたときは、次の日だけでなんとかしようとせず、ゆっくりと数日かけて調整していきましょう。
食べすぎるとすぐに「太ってしまう!」と罪悪感に囚われるかもしれませんが、一回の食事がすぐに脂肪になるわけではありません。また、1日だけの暴飲暴食ならリセットすることは可能です。翌日以降、そして日々の食事を上手にコントロールすることが大切です。
逆に暴飲暴食が長期間続いてしまうのはNG。食べすぎの状態が常態化しないよう、メリハリのある食生活を心がけましょう。
絶食(断食)したほうがいいの?
結論からいうと、絶食はダメ! 会食や外食があると、そのあと食事をとらなければ調整できるだろうと思われる方がいますが、このやり方はおすすめできません。
私たちは食事をすることで、摂取した栄養素を分解し吸収する際にエネルギーを発しています。これを「食事誘発性熱産生(DIT)」と呼び、食べることで体温が上がるのはこのためです。DITのおかげで、食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えることになります。絶食や断食などで食事量を極端に減らしてしまうと、代謝の低下を招いてしまうと考えられます。
糖質制限など、特定の食品や栄養素だけを抜いてしまうのもあまりよくありません。集中力の低下や疲労感などが出てしまうことがあります。
食べすぎた場合は、食事量をいつもより控えめにしましょう。野菜を増やしたり、豆腐などの低カロリーメニューを取り入れてみると良いですよ。
翌日の食事は胃に負担をかけないものを
食べすぎた日の翌日は、消化の良い食事がおすすめです。ビタミン・ミネラルが不足している可能性が高いため、野菜を多めに摂取するように心がけましょう。食べすぎている場合、胃腸に負担がかかっているので、揚げ物など脂質の高いものは避けたほうがベターです。会食や飲み会でお酒をたくさん飲んでしまった時は、水分をいつもより多くとりましょう。
できれば三食とっていただきたいですが、二日酔いなどで朝は食べるのが難しいという場合は、お味噌汁やスープなど汁物をとるのもいいでしょう。何かしら胃腸に入れることで、体が目覚めて食欲の回復につながります。
おすすめの食べ物・栄養素
消化の良い食べ物としては、おかゆやうどん、ポトフ、スープなどがおすすめです。
また、炭水化物や脂質、たんぱく質の代謝をサポートするビタミンB1、B2、B6をしっかり摂取することも大切です。
ビタミンB1の多い食品は、豚肉や玄米など。ビタミンB2の多い食品は、レバーやチーズ、卵など。ビタミンB6の多い食品は、鶏ささみやマグロ、バナナなどです。
食べすぎを防ぐために、食物繊維の多い食品を取り入れるのも良いでしょう。かみ応えがあるため、満腹感を感じやすくなります。ごぼうやきのこ、海藻類などがぴったりです。
水分は多めに!
食べすぎた日の翌日は水分をしっかりとるように心がけましょう。特にお酒をたくさん飲んだ日や塩分の多い食べ物を食べた日のあとは、のどが乾きやすいです。脱水を起こしやすくなっているため、いつも以上に水分を多くとりましょう。
飲むのは、水やお茶などがおすすめです。甘い飲み物やスポーツドリンクは、糖質の過剰摂取につながります。血糖値の上昇や肥満を招くリスクを避けるために控えるようにしましょう。
日々の食生活に気をつけたいと思いつつ、どうしても暴飲暴食してしまって後悔してしまう……といったことは誰しも経験することだと思います。
健康的な食生活を送ることは大切ですが、自分の好きなものを食べてリラックスしたり、誰かと一緒に食事やお酒を楽しむことも、人生において必要なこと。
メリハリのある食事を意識して、食べすぎてしまったら焦らずに調整することを忘れないようにできると、食事をより楽しめると思います!
【参考文献】
・厚生労働省 e-ヘルスケアネット「肥満と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-001.html(閲覧日:2024年1月19日)
・厚生労働省 e-ヘルスケアネット「健康的なダイエット:適切な体重管理で、健康づくりをしよう!」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-009.html(閲覧日:2024年1月19日)
・厚生労働省 e-ヘルスケアネット「食事誘発性熱産生 / DIT」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html(閲覧日:2024年1月19日)
・道江美貴子「結局、これを食べるが勝ち」株式会社ワニブックス(2023)
・吉田企世子・松田早苗「正しい健康で健康をつくるあたらしい栄養学」高橋書店(2021)
・飯田薫子、寺本あい「一生役立つ きちんとわかる栄養学」西東社(2019)
管理栄養士・薬膳コーディネーター。介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、フリーランスの管理栄養士に。料理動画撮影やレシピ開発、商品開発、ダイエットアプリの監修、栄養価計算などの経験あり。 現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。
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※「崎」は正式には立つ崎(たつさき)です