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管理栄養士に聞く!正月太りを避けるための「食べ方・飲み方・生活習慣」

楽しい予定が盛りだくさんの年末年始、みんなが恐れる「正月太り」。分かっちゃいるけど……と思いつつも、ついつい食べすぎ&飲みすぎている人も多いですよね。

そこで、年末年始を前に、管理栄養士の宮崎奈津季さんに、この季節に食べがち/不足しがちな食品や栄養素を中心に、「これには注意」「これを意識して食べて」などを分かりやすく解説してもらいました! 1月に後悔しないために、ぜひチェックしておいてくださいね。

お正月太りの原因はコレ!?「摂りすぎ/不足しがちな栄養素」

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「炭水化物・脂質・塩分」に注意

年末年始は外食の機会が増え、炭水化物や脂質、塩分の多い食べ物を食べる機会が多くなります。

クリスマスメニューではフライドチキンやフライドポテトなどの揚げ物、またチーズたっぷりのピザなど、脂質や塩分が過剰になりがちです。

お正月に食べるおせちも、保存性を高めるために塩や砂糖が多く使われているため、塩分や糖質の摂りすぎにつながります。

また、お餅は見た目以上に炭水化物を多く含んでいるので、気づいたら普段のご飯よりも多く食べてしまっていたなんてことも。

さらにお酒を飲む機会が多いことから、アルコールの摂取量が増え、揚げ物や味の濃いおつまみを食べることで、エネルギーや脂質、塩分などの過剰摂取につながりやすくなります。

不足しがちなのは「野菜・きのこ・海藻類」

年末年始はお餅やそば、リゾットのような主食や、ローストビーフなどの主菜を食べることが多くなります。その分、この時期は野菜・きのこ・海藻類を使う副菜を食べる機会が減りがちです。

そのため、食物繊維やビタミン、ミネラルが不足しやすくなります。メインのメニューを楽しみつつ、合間に箸休めのような副菜メニューを挟むように意識できると良いでしょう。

数日単位で調整すればOK!「食べすぎたら減らす」

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栄養バランスの摂り方の基本は、1食・1日だけではなく、数日単位での調整です。

例えば、「糖質の多い食べ物が続いたら糖質の少ない食べ物を食べる」、「塩分の多い食べ物が続いたら塩分の少ないものを食べる」、というように、摂りすぎと感じたらそのあとの食事ではそれを控えるように調整すると分かりやすいでしょう。

この時期によく出てくる中で糖質の少ない食べ物は、ローストビーフやローストチキン、チーズ、お刺身、ゆでえび、ハムなどです。

塩分の少ない食べ物は、紅白なますや栗きんとんなどです。

ごちそうを食べた後は「今日は脂質が多かったな」「今日は炭水化物を食べすぎたな」と振り返る習慣をつけてみましょう。

切るだけで食べられるので手軽です。
野菜料理を作り置きしておくと食事調整の味方に。
お鍋はできるだけさっぱり味で。

副菜を食べる機会が減るため、手軽に食べられる野菜スティックやサラダ、作り置きできる煮しめや野菜を使ったマリネなどを準備しておくと良いですね。

また、鍋料理なら、野菜やきのこをたっぷり入れることができます。濃い味つけの鍋つゆではなく、水と昆布だけで具材を煮る「常夜鍋」のようなものがおすすめです。

これが基本!「暴飲暴食を避ける」

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食べすぎや飲みすぎは体重増加に大きく影響する可能性があるため、できれば避けたいところ。

心がけるポイントとして、忘年会など外食をする場合はできるだけ空腹状態で行かないようにしましょう。あらかじめ何かしらお腹に入れておくことで食べ過ぎを防ぐことができます。

また、お酒を飲むときは水も一緒に飲むようにするとアルコールの摂取量を抑えられます。アルコールは食欲を増進する効果があり、アルコール自体のカロリーも高いので、ほどほどにするよう工夫してみてくださいね。

また、家で食事をする場合、食卓に食べ物がずっと並んでいると、だらだら食べてしまうことにつながります。1食分ずつ区切って食べるようにし、終わったら片づけるように気をつけてみてください。

運動不足解消を意識する

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食事だけではなく、生活習慣からも正月太りにつながる要因があります。寒い季節であることから運動不足や活動量の減少により消費エネルギーが少ないことや、イベント等により夜更かしが増え、生活リズムが崩れることが挙げられます。

子どもと一緒に動画を見ながらダンスするのも楽しい!

まずは、意識的に体を動かすことがおすすめです。食べたら10分程度散歩をしてみる、子どもと体を使った運動や遊びをする、テレビを見ながらその場で足踏みをするなどがおすすめです。

夜更かしもほどほどにしましょう。朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされます。生活習慣を整えるように心がけることも大切です。

健康な1年を過ごすためにも出だしが肝心。食事や運動や生活リズムを整えて、正月太りを防ぐ工夫を取り入れてみてください。

 

【参考文献】

・キッセイ薬品工業株式会社 ~笑顔でいきいき~透析新ライフ「おせち料理を楽しむポイント」(閲覧日:2023年12月11日)

・厚生労働省 e-ヘルスケアネット「快眠と生活習慣」(閲覧日:2023年12月13日)

・一般財団法人君津健康センター「正月料理から考える栄養バランス」(閲覧日:2023年12月13日)

・東邦大学医療センター大橋病院栄養部 栄養ニュース「気をつけよう!年末年始の食生活」(閲覧日:2023年12月13日)

・日本医療・健康情報研究所/創新社 保健指導リソースガイド「食事の偏り、運動不足…年末年始は体重を増やしやすい 連休中も肥満・メタボに対策」(閲覧日:2023年12月13日)

宮崎 奈津季 
宮崎 奈津季 

管理栄養士・薬膳コーディネーター。介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、フリーランスの管理栄養士に。料理動画撮影やレシピ開発、商品開発、ダイエットアプリの監修、栄養価計算などの経験あり。 現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。

HP:https://www.mnatsuki.com/

X:https://twitter.com/NatsukiMiyazak1

※「崎」は正式には立つ崎(たつさき)です

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