ギョニソの食べ方
nullそのままでもすぐに食べることができるギョニソですが、健康メリット的にはどのような食べ方をすれば良いのでしょうか? 加熱しても大丈夫でしょうか?
「ギョニソはすでに加熱滅菌しているので、そのまま食べられます。パッケージを開けると酸化や乾燥など劣化が始まるのですぐに食べ切るようにしましょう。賞味期限にも注意しましょう」(以下「」内、大和田先生)
そのまま食べる場合には、サラダなどに添えるのがオススメとのこと。特にアボカドとの相性が良いと言います。
「炒めものにも合いますが、加熱する場合はサッと短時間で。長時間加熱すると、フィッシュオイルのDHA・EPAが酸化したり、油に溶け出してしまうこともあるので短時間を心がけましょう」
ギョニソを食べるのにベストな時間帯や量は?
nullそれでは、ギョニソは1日にどのくらい食べれば良いのでしょうか? また、食べる時間帯は朝、昼、晩、いつにすべきでしょうか?
「毎日食べても問題はありません。塩分が気になる方には塩分カットのものも発売されています。
また、朝、昼、夜と、食べる時間帯によってギョニソは違う効果が得られます。自分のライフスタイルに合わせるとよいでしょう」
【朝のギョニソ】
「朝のタンパク質摂取は覚醒を助けて、1日のリズムが整います。“トーストとコーヒーのみ”などの炭水化物中心になりがちな朝食にギョニソをプラスすることでタンパク質を補えます」
【昼のギョニソ】
「昼にタンパク質を摂ると、午後に活動するエネルギーやタンパク質を補うことになります。昼の肉体作業やトレーニングなど活動量が多い方には、筋肉の活動をサポートします。また、昼食もサッと食べられる麺類や丼ものなど炭水化物に偏りがちです。大盛りにするかわりにギョニソを追加すると、炭水化物過多を防ぎタンパク質も補完してくれます」
【夜のギョニソ】
「夜は体の修復のためにタンパク質が必要になります。日中活動した体は痛んだり疲労したりしています。私達の体は、寝ている間にそれらを修復します。修復する際にタンパク質は欠かせない栄養素です。そのため、多様なタンパク質が摂取できるギョニソは夜にもオススメです」
食べ合わせのオススメは?
null管理栄養士と一緒に食の本を出版し卒後研修にも携わっている大和田先生は、ギョニソを美味しく効率よく食べるためのレシピも研究してきました。
ギョニソの食べ合わせや、ギョニソに合う調理方法をうかがいました。
サラダに
そのままで食べられるギョニソは、サラダにもピッタリ。
「ギョニソはそのまま食べるのが1番オススメです。フレッシュなレタス、ブロッコリーやトマト、脂質も多いアボカドなどと相性が良いです。野菜のビタミンやフィトケミカルを美味しく補えます。僕はオリーブオイルと胡椒(こしょう)をかけるだけで食べたりしています。ギョニソの塩味や風味を活かしてドレッシングを変えると楽しみが広がります」
ギョニソ+チーズ
ギョニソをパンにチーズと共に乗せたり、餅とにチーズと共に乗せたりすると美味しいとのこと。クラッカーにギョニソとチーズもピッタリ。
「あっさりしたギョニソに油分と旨味があるチーズの相性はとても良いです。薄くスライスしたギョニソとチーズを海苔で巻いても良いでしょう。明太子やイクラなど魚卵のマリアージュも美味しいです。チーズの種類を変えるとギョニソの風味も変化し楽しみが増えます」
ソーセージ代わりに
ソーセージの代用品として使うという調理法もオススメなのだとか。
「例えばナポリタンのソーセージやパンに挟むソーセージを、ギョニソに代えても美味しく食べられます。ケチャップやマスタードとの相性も良いです。冬は温野菜に追加すると魚の風味がまして美味しいポトフ風にもなります。ラーメンにギョニソと海苔を追加すると魚介風になり、食物繊維とタンパク質を補うことができます」
ギョニソは卵との相性が良い!
null大和田先生いわく、ギョニソは卵と食べると良いこともあるのだそう。
「フィッシュオイルのDHA・EPAは胆汁があると吸収率が上がることが知られています。胆汁酸の排出を促す卵と一緒に食べると、吸収率があがるのでオススメです」
朝ごはんにいただく卵とソーセージを、卵とギョニソに置き換えるなどもよさそうです。
【レシピ】魚肉ソーセージのニラ玉
大和田先生が執筆されている『60歳 食べ方を変えるだけで健康寿命はもっと延ばせる!』(永岡書店刊)でも紹介されているレシピ「魚肉ソーセージのニラ玉」を、大和田先生自ら作っていただきました。
緑黄色野菜のニラには、ニンニク同様疲労回復物質のアリシンや抗酸化物質、ビタミン類が豊富。手軽に作れて朝食にも夕食にも合うのおかずです。
【材料】
- 魚肉ソーセージ 適量
- ニラ 適量
- 卵 2個
- 鶏がらスープ 少々
- 塩 少々
- 胡椒 少々
【作り方】
(1)ニラの根本に近い部分をごま油などで炒める。
(2)香りが立ったら魚肉ソーセージ(「リサーラ」)と炒め、ニラの葉の部分も追加して軽く炒める。
(3)溶き卵に塩や醤油、鶏がらスープを入れて軽く加熱。炒めたニラと魚肉ソーセージを軽くヘラなどで合わせる。
(4)完成!
「ニンニクと同様の栄養素を持つニラと、良質なタンパク質のギョニソと卵の組み合わせは疲労回復に最適。ギョニソに塩味があるので、味付けで調節しましょう。ラー油をたらしても良いでしょう。お手軽ながら体を温める温かい食事になります」
ギョニソはそのまま食べても、他の食材と組み合わせて調理しても美味しい食品であることがわかりました。まさに七変化。 健康メリットのあるギョニソ。みなさんも食生活の中に組み入れてみてはいかがですか?
大和田潔(おおわだ・きよし)
1965年、世田谷区生まれ葛飾区育ち。東京都立両国高等学校卒業。
福島県立医大卒。東京医科歯科大学(現 東京科学大学)脳神経内科へ。厚生労働省の日本の医療システム研究に参加し救急病院や在宅診療を経て、東京医科歯科大学大学院にて基礎医学研究で医学博士。医療法人社団碧桜・あきはばら駅クリニック院長、東京医科歯科大学臨床教授 。
日本臨床栄養協会理事、総合内科専門医、米国内科学会会員、脳神経内科専門医、頭痛専門医。
医療アドバイザーとしてのメディアでの解説には定評があり、ニュース番組の解説、クイズ番組の監修などテレビやラジオへの出演のほか、雑誌等の取材記事も多数。管理栄養士の卒後研修にも携わる。国連「日本の食文化」と健康支部会員。日本の魚食や海苔(のり)などの再発見と普及を応援している。
秋田生まれ。高校卒業後ドイツの大学の舞踊科へ。以後、海外を10年以上放浪し、現在は東京在住。ライターの他、ヨガインストラクターや振付家などもしている。