ギョニソはタンパク質が豊富!
nullまず、魚肉ソーセージことギョニソにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか? タンパク質が多そうな印象ですが……。
「はい。ギョニソ1本には8gほどのタンパク質が含まれています。ギョニソは私たちが不足しがちなタンパク質をお手軽に補ってくれます」(以下「」内、大和田先生)
1日に必要なタンパク質は40g〜60gと言われています(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)参照)。しかし、十分に摂れてない人がほとんどなのだとか。
「また、ギョニソは色々な魚のすり身から作られているため、魚由来の単一ではない多様なタンパク質を摂取することができます。
さらにすり身のため、かたまりのお肉などと比べて消化が良く、吸収されやすいのもポイントです」
不飽和脂肪酸のDHAとEPA
nullギョニソにはタンパク質以外にも、魚に豊富な不飽和脂肪酸が含まれています。
「青魚などに多く含まれるDHAやEPAは体内ではほとんど生成できないため、食物から摂取することが必要です。必須脂肪酸であり、積極的に摂りたい栄養素です。DHAやEPAは体を作る細胞の細胞膜の材料として、直接とりこまれ使われます。それがDHAやDPAなどオメガ3の素晴らしいところで、中鎖脂肪酸や植物油などにはないものです。
DHAは細胞の形が複雑な脳や神経細胞に密接に関係している栄養素です。EPAは中性脂肪の低下を促し、循環器を健康にする手助けをしてくれます。
お子様の脳の発達にも大切な栄養素だと言われています。またそれぞれが体内で代謝されてできる物質には炎症を抑える抗炎症作用もあります」
多少食べすぎても、これらの栄養素を過剰に取り過ぎることはないのだとか。
「ただ、ギョニソにもさまざまな種類があるため、すべてのギョニソにDHAやEPAが豊富なわけではありません。“DHA・EPA入り”等の記載があるものを選んでください」
ギョニソの魅力(1)常温保存が可能
null続いて、大和田先生にギョニソの色々な魅力についてお聞きしました。
「常温保存が可能なギョニソは便利です。冷蔵庫の場所を取りません。酸素を通しにくい優秀なフィルムで密閉されており魚よりずっと長期の保存も可能です。フィルムで梱包されているので軽量です。常温保存で数カ月は持つので非常時のタンパク源としても活躍してくれます」
大和田先生オススメのギョニソであり、後ほど詳しくご紹介する『マルハニチロ』のギョニソ「リサーラ」が採用しているフィルムは酸素を通しにくい特殊なものなのだそう。さらに、包んであるパッケージは遮光性で、劣化しやすいDHA・EPAを保護し、長期保存が可能とのこと。
栄養も豊富なギョニソが常温保存できるとは驚き! ローリングストックするのにぴったりですね。大和田先生も、常にご自分の机の引き出しの中に潜ませているそうです!
ギョニソの魅力(2)軽くてコンパクト
nullギョニソはその軽さ、コンパクトさも魅力です。お手軽にどこにでも持ち運べ、食べる時もフィルムを剥がすだけなので簡単です。
「例えば会社やジムなどで、ちょっとタンパク質を補いたい時にも便利です。同じような栄養素を持ったものに魚の缶詰などがありますが、持ち運びには重くて不向きですし、食べるのにも手間がかかります」
魚の缶詰は美味しく栄養素も魅力的ですが、確かに自宅から簡単に持ち出して気軽に食べるのには向いていませんね……。
ギョニソの魅力(3)添加物が少ない
null加工食品は添加物が気になるものです。しかしギョニソに使われているものは、加工肉ほど多くはないのだとか。
「『魚肉ソーセージ』と言うと『ソーセージ』と同様に考えてしまいますが、原材料は主に白身魚なので発色剤などが不要で全く違うものです。さらに加工肉ほどの添加物はギョニソには使われていません。
『リサーラ』のギョニソに関しては、着色料もクチナシなど植物由来の色素を使用しています。圧力を加えながら100度以上の温度で加熱殺菌する食品のため(※)、殺菌剤や保存料は一切使われていません」
ひと昔前のギョニソのイメージを持っている方は、添加物などが気になるかもしれません。しかし、企業努力によりギョニソは進化しており、今のギョニソはトクホ認定されているものもあるほど。安心して食べられるそうです。塩分が気になる方には塩分カットのものも発売されています。
ギョニソの魅力(4)手間がかからない
null「魚は栄養豊富で健康に良いので、積極的に食べるべき」と分かっていても、調理に手間がかかるため面倒に感じてしまう人は少なくありません。
「仕事や子育てで忙しい方が手軽に魚を日常に取り込む手段のひとつとして、ギョニソは役に立ちます。フィルムを剥がしたらすぐ食べられるので、手間がかかりません」
ゴミもほとんど出ないので、片付けの手間も省けますね。
先日発表された『クックパッド』の食トレンド大賞にも第3位でランクインしていたギョニソ、健康メリットも高く、保存食としても使えるのは魅力です。みなさんのご家庭でも、取り入れてみてはいかがですか?
大和田潔(おおわだ・きよし)
1965年、世田谷区生まれ葛飾区育ち。東京都立両国高等学校卒業。
福島県立医大卒。東京医科歯科大学(現 東京科学大学)脳神経内科へ。厚生労働省の日本の医療システム研究に参加し救急病院や在宅診療を経て、東京医科歯科大学大学院にて基礎医学研究で医学博士。医療法人社団碧桜・あきはばら駅クリニック院長、東京医科歯科大学臨床教授
日本臨床栄養協会理事、総合内科専門医、米国内科学会会員、脳神経内科専門医、頭痛専門医。
医療アドバイザーとしてのメディアでの解説には定評があり、ニュース番組の解説、クイズ番組の監修などテレビやラジオへの出演のほか、雑誌等の取材記事も多数。管理栄養士の卒後研修にも携わる。国連「日本の食文化」と健康支部会員。日本の魚食や海苔(のり)などの再発見と普及を応援している。
秋田生まれ。高校卒業後ドイツの大学の舞踊科へ。以後、海外を10年以上放浪し、現在は東京在住。ライターの他、ヨガインストラクターや振付家などもしている。