昨年から国内での「トコジラミ」被害が増えている
null昨年12月に、大阪府がトコジラミに関する注意喚起をホームページ上に掲載しました。コロナ禍が明けてツーリストが多数行き交うようになったことで、虫の移動も増えているようです。
都内でも「電車の椅子にトコジラミがいた」という声がネットで拡散され、Google Mapでトコジラミが発生したホテルの情報が共有されるなど、日に日に「トコジラミ」という言葉を耳にする機会が増えている状況です。
トコジラミは飢餓に強く、無吸血でも2~3カ月は生存が可能です。また、25度Cくらいの暖かい場所を好み、日本での主な発生時期は6~9月ですが、暖房が効いた日本の家屋では季節を問わず生息することが可能で冬季でも出現する例もあります。つまり、年中気を付けなければならない虫となっています。
そもそも「トコジラミ」って、どんな虫?
nullそもそもトコジラミって、いったいどんな虫なのでしょう? アース製薬さんにうかがいました。
「トコジラミは、シラミやダニの仲間ではなく、カメムシの仲間です。体長は幼虫で1mm~4mm程度の大きさで乳白色です。成虫は5~8mm程度の大きさで赤褐色となります。
幼虫~成虫(雌・雄)まで吸血します。また、1日で3~6個、生涯で約500個も産卵することから繁殖力が高い虫なのです」(以下「」内、アース製薬)
なるほど、この繁殖力の高さゆえに「絶対連れて帰るな」と注意されているんですね……。
「そうなのです。さらに近年はピレスロイド系の殺虫剤に耐性を持つ“スーパートコジラミ”が問題視されています」
トコジラミに刺されると、どうなる!?
nullトコジラミに刺されてしまったら、いったいどうなるのでしょうか? 蚊のようにかゆくなったり、ブユのようにしつこくかゆみが残ったりしてしまうのですか?
「トコジラミは細い管状の口を持っており、それを人の皮膚に突き刺して吸血します。吸血するときに、血液が固まらないよう唾液を注入しますが、その唾液にアレルギー物質が含まれているため、刺されると激しいかゆみや腫れ、発赤を生じ、ひどい痒みを伴います。トコジラミは手足や首などの肌が露出している部分を刺します。
かゆみや腫れなどが出るまでの時間は個人差があり、刺されてから数日後に症状が出ることや、刺される数が多くなりすぎるとかゆみを感じなくなることがあります。また、吸血したトコジラミのフンには血が混ざっており、部屋の汚れの原因にもなります」
旅先で「トコジラミ」をチェックするには?
nullトコジラミを連れて帰ることの危険性はわかりました。でも、どうすればトコジラミをチェックすることができるのでしょうか?
「トコジラミはベッド・床・壁などの隙間、ダンボールなどに隠れており、好きな場所は、
- “暗くて血を吸いに行きやすい場所”
- “亀裂などの狭くて暗い場所”
- “布が重なった部分、継ぎ目”
- “暖かい場所”
です。
旅行先や出張先でホテルに到着したら隙間などをチェックし、痕跡(吸血した大部分をフンとして出すので、血が混ざった赤いフンの汚れ跡が潜伏場所付近に付着)がないか確認してください。
また、アース製薬の『サラテクト』はトコジラミを忌避する効果がありますので、肌が露出している部分にスプレーし、塗りムラがないよう塗り広げてください。機内持ち込みも可能で外出の際の持ち運びに便利な60mLサイズもあります」
ホテルに着いたらベッドの上にバタンキューとなってしまいがちですが、それは危険ということですね。落ち着いてトコジラミの有無をチェックしましょう。
万が一見つけてしまったときは、一晩中灯りをつけたままにすることで夜行性のトコジラミの動きを抑えて刺される可能性を減らせます。
万が一、家に連れて帰ってしまったら…?
null注意しても、気づかなかったり防ぎきれない時もあります。万が一トコジラミを家のなかに入れてしまった際は、どう対処すればいいのでしょうか?
「インバウンドで人の往来が増えている他、海外の荷物に紛れ込んだり、様々なルートで日本に持ち込まれる可能性があります。繁殖力が高いため、家に持ち帰ってしまうと駆除が大変です。自宅では外から持ち込まないように帰ってきたら鞄や衣類に付着していないか確認しましょう。
最近では、従来の殺虫剤(ピレスロイド系薬剤)の駆除剤に耐性を持つ、“スーパートコジラミ”の存在が報告されており、駆除がより難しくなっています。“スーパートコジラミ”まで駆除できる、有効成分『テネベナール(一般名:ブロフラニリド)』の記載のある商品の使用をおすすめします。
一般消費者向けでは、『ゼロノナイトGゴキブリ・トコジラミ用 6~8畳用』(第2類医薬品)が“スーパートコジラミ”に有効な商品です。部屋のすみずみまでしっかりと薬剤が広がり、駆除することはもちろん、発生予防にもつながります」
なお、刺されてしまってかゆみが生じている場合は、かきむしらないことが必須。抗ヒスタミン薬が効くようですが、治らない場合はすみやかに皮膚科に行って処置してもらいましょう。
トコジラミはツルっとした場所を好まないので、持参するスーツケースは金属やポリカーボネートのようなツルツルした素材だと家に持ち帰る率が低くなるでしょう。また荷物の開け閉めをベッドやじゅうたんの上で行うのではなく、浴室などのツルツルした場所で行うのも防御策になります。
旅行前に「トコジラミ」対策を覚えておこう
nullアース製薬ではX(旧Twitter)やホームページで「トコジラミ」対策について、情報を発信しています。
アース製薬が教える #トコジラミ 対策
〜旅行編〜※記事の後半に、既存の薬剤に抵抗性を持つトコジラミに効果がある商品の紹介があります。
持っていくもの
トコジラミに刺されないためには虫よけスプレーの
サラテクト ミストタイプがおすすめです。… pic.twitter.com/YgCljPEol3— アース製薬🌏 (@EarthOfficialJP) December 1, 2023
<トコジラミ対策まとめ>
・肌が露出する部分には虫よけスプレーをして、塗りムラがないように塗る
・ツルっとしたスーツケースを使用
・部屋に入ったらベッドの周りに糞などの汚れがないか確認
・荷物は浴室で開閉する
・見つけたら、灯りをつけたままで
・持ち帰ってしまったら、専用の駆除剤を使って駆除
・かゆみが止まらないときは、皮膚科へ
楽しい行楽シーズンを前に、しっかりと「トコジラミ」対策をマスターしておきましょう!
参考:厚生省「トコジラミとその効果的な防除法」
アース製薬「特技はかくれんぼ?トコジラミの見つけ方と刺されないための4つの対策。」
【取材協力】
アース製薬