猛暑を乗り越えた秋の肌に起こっていること
null今年の夏は、本当に暑かったですね。日傘やネッククーラーなど対策をしていても、外をちょっと歩くだけで大汗……という方も少なくなかったはず。
ようやく涼しくなった今、なんだか顔がカサつくような? 秋の肌には何が起こっているのでしょうか。
「肌自体はどの季節も変わりませんが、湿度が低いことや、夏場の保湿不足などによる乾燥で、分泌する皮脂が減っているのだと思います。ですから、クリームなどでしっかり保湿をしましょう」
この保湿、本来は季節を問わず、一年中同じようにしっかり行うべき、と平田先生。ほどよい保湿が美しい肌につながるそうです。
「どんなに美容施術をしても、土台の皮膚がしっかりしていないと美しさを保つのは難しい。皮膚にとって大事なことは、ほどよい湿潤状態を保つことです。そのためには次の3つが基本で、皆さんに行っていただきたいケアです」
ここからは、秋冬の乾燥対策のみならず、本来の美しい肌につながる!?フェイスケアの基本を教えていただきます。
1:自分の皮脂をなくさないように洗顔する
「多くの人は洗いすぎている」と、平田先生。先生自身はスクワランオイルをメイクなどの上からのせ、そっとやさしく洗っているそうです。
「まず、洗顔では皮膚をこすらないようにします。クレンジング剤を使う場合も、そっと滑らせるように。
すすぎは必ず水で流してください。ぬるま湯という方も多いですが、たいてい温度が高すぎます。お湯も余計に皮脂をとってしまいますよ。
ダブル洗顔を行う場合は、皮脂が多いこめかみと小鼻だけにしましょう。皮脂が少ない部位は、水で流すだけでも充分です」
クレンジング剤で、メイクがよく落ちるオイルクレンジングを選ぶ場合も注意を。
「オイルのヌルつきが気になって洗いすぎる場合もあります」
2:内側からは適度な水分補給、外側からは徹底的な保湿
1日に必要な水分量を把握して、お水や白湯を摂るのは内側からできる保湿ケアの基本。
その上で、外側からも保湿します。その際、朝晩の洗顔後に化粧水や乳液でケアをするだけでは足りないそうです。
「朝の保湿のあと夜の保湿までの間、12時間、なにも塗らないで過ごしていると乾燥します。1日2〜3回の保湿で足りる方もいれば、1日10回塗っても足りない方もいます。自身の皮膚を把握して、こまめに保湿しましょう」
おすすめは、ふだん使っている乳液やクリームなどを持ち歩き、外出中もメイクの上から塗る方法。また、自宅でも、お風呂上がりにケアした後も寝る前や夜中にふと目がさめた時などに、乳液やクリームを塗るのもよいそうです。
「加湿器で部屋を潤す方法もありますが、皮膚にとってちょうどよい湿度60%は、カビが生えやすい湿度でもあります。乳液やクリームで保湿をするほうが、やりやすいかもしれません」
3:紫外線から皮膚を守る
紫外線を浴びすぎると肌の中で炎症が起きて、うるおいを保つ構造が壊れ、肌荒れや乾燥を招きます。ですから、夏場以外も一年を通して、紫外線対策は必要です。
「SPFが高いものでなくてもよいので、こまめに日焼け止めを塗りましょう」
乾燥によるシワが一生モノになる場合も!
null年齢を重ねると、少しずつ肌がゆるみ、シワが生まれます。でも、その時期を少しでも先に伸ばしたり、たとえシワがあったとしてもツヤツヤ輝く肌だったりしたら、印象は違うはず!
「口周りや目元などは筋肉をよく動かすので、乾燥していると細かなシワが入りやすいのです。これを放っておくと、ずっと取れない本物のシワになってしまいます。しっかりうるおいを与えることで、乾燥によるシワはケアすることができますよ」
子どもも大人も保湿習慣を
nullまた先生曰く「顔や体をゴシゴシ洗う親御さんのお子さんも、同じようにゴシゴシ洗う傾向にあります」とのこと……!
「子どものうちから、肌はやさしく洗う。また、こまめに保湿する習慣をつけてあげてください。お子さんも秋冬は肌が乾燥しやすく、かゆみなどが起こる場合があります。保湿しておけば、そうしたトラブルも少なくなるはずです」
何も特別なことではなく、自宅にあるクリームで皮膚をカバーする。それだけで、今悩んでいるあれこれはぐっと少なくなるかも? ひいては将来のつやつや肌につながるなら……今日から保湿を頑張ってみませんか?
【取材協力】
平田雅子先生
東京・目白駅すぐ「私のクリニック目白」理事長兼院長。
東京医科大学付属八王子医療センター皮膚科勤務と並行して、永山皮膚科にて副院長として臨床の第一線に立ち、毎日300名以上の診療にあたった。大学病院皮膚科在籍中に、救命部、病理学教室にて院内研修。また、美容外科、内科、婦人科などでも院外研修を受ける。
「もう少し長くお話をお聴きすれば、お一人おひとりにあった治療や施術ができる」という想いから、完全予約制を採用した「私のクリニック目白」を、2003年に開設。皮膚を通じて全身を診ることも大切に、丁寧なカウンセリングを行っている。
朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote