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今年は夏バテ知らず!「甘酒」が体にいいのはナゼ?【恋する発酵食品シリーズ・甘酒の巻♯1】

ここ数年、スーパーの目立つところに甘酒が置かれていると思いませんか? じわじわ来ている甘酒ブームですが、その効能や飲む以外の摂取方法についてはそこまで知らないという方も多いようです。

そこで、管理栄養士の金丸絵里加さんに甘酒の効果をうかがいつつ、甘酒摂取歴5年の中田ぷうが紹介します。

江戸時代、甘酒は夏バテ防止の栄養ドリンクとして人気だった!

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甘酒

甘酒の歴史は長く、古墳時代に甘酒の起源と言われるものがすでにあったといわれています。今でこそ冬の飲み物と思っている人も多いですが、江戸時代には、その栄養価の高さから夏バテ防止の栄養ドリンクとして大人気で、夏の風物詩だったとか。そのため俳句の夏の季語として現在にも語り継がれているんですね。

何しろ甘酒の栄養価の高さは当時の幕府も認めたほど。そのため男女年齢関係なく甘酒を買えるよう、幕府が値段の上限をきちんと決め、値段が高騰化するのを防いでいたといいます。

そんな甘酒ですが、一体なぜ体にいいといわれているのでしょうか?

実は知らない…甘酒が体にいいのはなぜ?

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疲労回復や腸内環境の改善も

「そもそも甘酒は、米のでんぷんを米麹が持つ酵素(アミラーゼ)によって分解し、ぶどう糖に変えたもの。ぶどう糖は体内にすばやく摂り込まれやすく、かつエネルギー源になる物質。だから体力の回復に役立つんですね。そのため風邪の回復時や夏バテ対策に甘酒を飲むのはすごく体にいいんですよ。

加えてビタミンB群、必須アミノ酸を含んでいるのも、“飲む点滴”といわれる所以です。ビタミンB群は滋養強壮や疲労回復に役立ちますし、体を構成するたんぱく質の元になる必須アミノ酸は、体が作り出すことができないため、こうして甘酒といった食材などで摂るしかありません。

さらに甘酒は植物性の乳酸菌も含むため、腸内環境を改善へと導きます。腸内環境が改善されると免疫力が上がり、便通もよくなり、美肌効果も期待できるようになります」(以下、「」内は金丸さん)

血圧上昇の抑制にも

米麹の甘酒に含まれるペプチドが、血圧を上昇させるアンジオテンシンというホルモンを抑制する効果があり、血圧上昇をおさえる効果があるそうです。

酒粕甘酒と麹甘酒、どっちがいいの?

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市販の甘酒を買うのであれば、家族全員が飲める米麹から作られたものがおすすめ。合成添加物が含まれていないものを選ぶのがいいですよ。

と、ここまでは米麹から作られた甘酒のお話。世の中には、酒粕から作られた甘酒もあります。はて、この2つの違いは……?

「麹の甘酒は炊いたお米に米麹と水を加えて作るもの。麹菌で発酵させて作られるため、アルコールは含まれていません。対して酒粕から作る甘酒は、米と米麹を発酵させて日本酒を作る際にできた酒粕を使い、それに水と砂糖を加えて作るものです。そのためアルコールを含んでいます。ですからお酒に弱い方やお子さんには飲ませないでくださいね。家族で飲むならアルコールフリーの米麹から作られた甘酒を飲んでください」

ところで酒粕から作られた甘酒は、米麹から作られた甘酒と効果は違うのでしょうか。

「酒粕から作られた甘酒も麹が使われているため、上記の整腸作用は期待できます。また酒粕の甘酒には脳内物質アデノシンを活性化させる働きがあり、睡眠の質をあげる効果があるとも言われていますよ」

甘酒生活を続けたいなら、飲み方にアイディアを!

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ミルク甘酒や甘酒紅茶の作り方は簡単。牛乳や紅茶に自分で好きな量の甘酒を混ぜるだけです。甘酒に1日の目安摂取量というのはありませんが、おちょこ1杯分でも効果を期待できるといわれています。

金丸さんのお話を聞いて、やっと長年のなぞが解けました。私が甘酒生活を始めたのは5年前。でも甘酒を摂るようになって明らかに元気になったんですね。

それまでの私は仕事で疲れるたびに栄養ドリンクを飲んでいたのですが、そんな生活が体にいいわけがなく……。あるとき仕事の先輩から「栄養ドリンクを飲むくらいなら、甘酒に切り替えたら?」と言われたのが甘酒生活を始めるきっかけとなりました。ところがわたくし、甘酒が大嫌い……そこで何とか飲み方を工夫しました。

甘酒+スポドリ、牛乳、ジュース…混ぜて美味しい!

最初はスポーツドリンクで割って飲んでみました。「うん、飲みやすい!」。

そこからです、さまざまなもので割りながら毎晩飲むようになったんです。牛乳、豆乳、アーモンドミルク、紅茶にりんごジュース、青汁、グレープフルーツジュース……どれも甘酒独特のあの甘さがやわらいで飲みやすくなるんですね。同じく甘酒が好きでない子どもたちには、よく牛乳で割って「ミルク甘酒」にして飲ませています。

そんな生活を続けてしばらく経った頃でしょうか、いつしか朝、すっきりと目覚めている自分に気づきました。あの朝起きた瞬間から「疲れた……」とつぶやいている自分がいないんです!?そして次に大きな風邪をひかなくなった!今までちょいちょい風邪を引いていたのですが、それがなくなりました。挙句インフルエンザになった子どもたちの看病をしてもうつらなくなったんです!

もちろん薬じゃありませんから、こうした効果は個人差があります。でも私の場合、明らかに元気になったことは事実。次回は「料理に使う甘酒」を紹介します。

【おまけレシピ!朝ごはん代わりになる甘酒のパワースムージー】

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材料(4人分)

甘酒100cc

豆乳(牛乳、アーモンドミルクなどでも可)100cc

ブルーベリー(冷凍)大さじ3

バナナ1本

 

作り方

(1)バナナは手で4等分くらいに折る。

(2)ミキサーに1と残りの材料をすべて入れ、なめらかになるまで攪拌する。

【金丸先生からのメッセージ】

「朝食をとると体内時計をリセットし、胃や腸にスイッチが入り、体を目覚めさせてくれます。このスムージーは甘酒の栄養に加え、たんぱく質豊富な豆乳や抗酸化作用のあるアントシアニンを含むブルーベリー、そしてリラックス効果のあるトリプトファンが含まれるバナナが入っているため、朝の元気の源になってくれる1杯です。また、甘酒とフルーツの甘さがあるので、砂糖不使用でも十分甘さがあるので満足感が高いと思います」

 

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