インフルに風邪…発熱時の食事で気を付けること
null発熱して食欲が落ちてしまったとき、どのようなものを食べたらよいのでしょうか?
「インフルエンザであっても、風邪の時でも、発熱時には胃腸のはたらきが弱まっているので、おかゆやうどん、スープなど消化に良いものがおすすめです。
また、のどの痛みがあり固形物をとりにくい場合には、スポーツ飲料や味噌汁、野菜ジュースなどで少しでも栄養を摂りましょう。
栄養ドリンクを飲む場合、ノンカフェインのものを選ぶようにしましょう。カフェイン入りのものは利尿作用があり、脱水につながるおそれもあります」(以下「」内、児玉医師)
家族がインフル!発熱前(潜伏期間)に食べた方がいいものは…
null家族がインフルエンザになってしまい、「私も発症しちゃうのかな?」と心配になっている方もいるかもしれません。
インフルエンザに感染してから発症するまでの間に、食べたほうがいいもの、避けたほうがいい食品はあるのでしょうか?
「インフルエンザに感染してから発症するまでの潜伏期間は、平均1~3日。このごく限られた期間で特効薬になるような食品は残念ながらありません。
ただ、体調の崩れを感じたときは、免疫力を下げないように、冷たいものを避けたほうがよいでしょう」
発熱時「子どもにアイスクリーム」はOK?
null体を冷やさないように、冷たいものを避けたほうがいいというのは発熱時にも当てはまることのようです。ただ、高熱が出た子どもがアイスクリームを食べたがることもありますよね。そういう場合、与えてもよいものなのでしょうか?
「たしかに、冷たいものは基本的にはNGなのですが、お子さんが食べたがっているものを食べさせましょう。
アイスクリームは、実は栄養価が高いので、お子さんが高熱で食事がのどを通らない場合、栄養を補給するのに適した食品だと思います」
アイスクリームの選び方
児玉医師の説明を受けて、アイスクリームの栄養について、一般社団法人『日本アイスクリーム協会』のホームページでも確認してみました。
アイスクリームは、乳成分の量によって、“アイスクリーム”、“アイスミルク”、“ラクトアイス”、“氷菓”の4つに分かれます。
そのなかでも、特に、アイスクリームは、他の種類よりも栄養価が高いようなので、お子さんが欲しがる場合は、商品の成分表示を確認してアイスクリームを選ぶといいでしょう。
もちろん、食後はからだが冷えないようにしっかり温かくすることもお忘れなく!
発熱時には避けたいもの
null逆に、発熱時に避けた方がよい食品についてもお聞きしたところ、児玉医師からは4種の食品があがりました。
(1)脂っぽい食品
「まず、食欲自体があまりないとは思いますが、脂っこいものは消化に悪いのでNGです。ただでさえ弱っている胃腸になるべく負担をかけないようにしましょう」
(2)お酒
「これはお酒好きな患者さんからよく質問を受けるのですが、アルコール類は控えたほうがいいでしょう。アルコール類は利尿作用があるため、脱水になりやすく、また胃腸への刺激が強いという点でもおすすめできません」
(3)コーヒー、紅茶等のカフェイン飲料
「利尿作用による脱水のおそれという点では、コーヒーや紅茶等のカフェイン飲料もできるだけ避けたほうがいい食品になります」
(4)炭酸飲料
「炭酸飲料は胃の中でふくらみ、胃腸に刺激を与えてしまうので避けるほうがいいでしょう」
カフェインが含まれるお茶や油を使った料理などは、完全に避けることは難しいかもしれませんが、知っていれば、極力避けることはできそうですね。
解熱後の食べ物で知っておきたいポイントは?
nullそれでは、解熱後にはどのような食品を摂るべきなのでしょうか?
「解熱後の時期には、栄養をバランスよくとり、免疫力を高めることが大切。自分のからだが欲するもので大丈夫だと思います。ただ、食欲が出てきたからといって、胃腸の状態が万全でないうちは、脂っこいものを食べ過ぎるのは控えましょう」
意識的に摂ったほうがよい食材には、どのようなものがあるのでしょうか。
「卵は栄養価が高い食品として知られていますが、なかでも必須アミノ酸をバランスよく含んでおり、免疫力アップのサポートをしてくれるという点で、解熱後におすすめの食品です。
また、豚肉は、鶏肉や牛肉よりも、ビタミンB1が豊富に含まれています。ビタミンB1 はエネルギー代謝を促進し、疲労回復に役立つでしょう」
まだ、インフルエンザや風邪の季節は続きます。家族が急に発熱しても、こうした食事の注意点を知っておけば落ち着いて対処できそうですね。
【取材協力】
児玉華子・・・北里大学医学部卒業、北里大学病院での研修後、膠原病・感染内科学教室に入局。東京逓信病院、北里研究所病院および北里大学病院勤務を経て現在は、医療法人東山会調布東山病院内科・リウマチ科として勤務。日本リウマチ学会、日本内科学会、日本感染症学会、日本東洋医学学会所属。『女医+(じょいぷらす)』所属。
【参考】