まずは白髪の原因をおさらい!生えるメカニズムは?
null「白髪を1本、2本…見つけたら!知っておきたい“白髪の原因とメカニズム”【医師が教える女の白髪メモ#1】」でお届けしたように、髪の毛の色素である“メラニン”を作る“メラノサイト”の働きが悪くなったり、メラノサイトを作る細胞が枯渇するなどの原因で、白髪が生えてきます。
その状態を引き起こすのは、
・加齢
・ストレス
・遺伝的要素
・何らかの疾病
などが考えられます。
白髪の予防方法や髪に良い食材はある?
null残念ながら、白髪を減らすための特効薬はない、と高瀬先生。しかし、先生によれば、健康的な髪の毛を育むための習慣が、結果として白髪予防につながる可能性もあると考えられているそう。
3つの習慣というのは、
・栄養バランスのとれた食事
・規則正しい生活習慣
・頭皮環境を整える
この3つの習慣の重要性について、それぞれ解説して頂きました。
ダイエット時は要注意!「栄養バランスのとれた食事」を
null白髪予防のために、特定の食品やサプリメントが紹介されることがありますが、残念ながら、白髪に効くという根拠が明らかになっている栄養素はないそう。
「髪の毛は、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなど、様々な栄養素によってつくられています。健康な髪の毛を作るためには、栄養バランスのとれた食事をとり、生活環境を整えることが大切だと言えます。“これさえ食べればOK”という食品はありません(以下、「」内、高瀬先生)
髪の毛を作る毛母細胞は、盛んに分裂するため、栄養素を必要とします。ダイエットや不規則な食習慣による栄養不足は、髪の毛の生育に影響を与えるとされています。
できるだけ毎日の食事から良質な栄養を摂取して健康的な生活を送ることが、健康的な髪の生育につながります。
「規則正しい生活習慣」で健やかな髪の毛を育てる
null毎日仕事や育児で忙しく、疲れを抱えながら慢性的な睡眠不足に陥っている女性は少なくありません。
高瀬先生によれば、髪や頭皮が日中に受けたダメージを修復したり、髪の成長を促すホルモンは、就寝時間に多く分泌されるそう。また、「ショックで1日で白髪…は本当?“白髪vsストレス”の関係性【医師が教える女の白髪メモ#2】」で詳しく説明しましたが、睡眠不足はストレス源となることもあります。
「質の良い睡眠もさることながら、規則正しい睡眠サイクルは、髪の生育に必要なホルモンの働きを正常に保つことにつながります」
早寝早起きができなくても、できるだけ一定の時間に布団に入り、睡眠サイクルを整えておくと良いそうです。
乾燥や紫外線には要注意!「頭皮環境を整える」
null頭皮環境を整えるには、食事や睡眠も大切な要素となりますが、外からのケアにも気を配る必要があります。
「髪の毛をつくる“毛母細胞”が必要とする栄養は、毛細血管を通って運ばれています。適度な強さのブラッシングやマッサージは、血行を促す効果が期待できます。
ただし、ゴシゴシと摩擦を加えたり、髪を強くとかして頭皮を傷つけないように注意が必要です」(高瀬先生)
また、「頭がかゆいと白髪が生える?頭皮環境を悪くするNG習慣【医師が教える女の白髪メモ#4】」で解説したように、シャンプーは洗浄力の合ったものを選び、バリア機能を担う頭皮脂を取り過ぎないように注意します。
以上、頭皮環境を整える生活習慣についてお届けしました。
髪の毛は体の健康状態が表れやすい部分だと言われています。バランスの良い食事と規則正しい生活習慣は、女性の体だけでなく、健康な髪を維持するために大切なことだといえそうですね。
【取材協力・監修】
髙瀬 聡子
ウォブクリニック中目黒 総院長/美容皮膚科医・皮膚科医/日本美容皮膚科学会・日本皮膚科学会正会員
東京慈恵会医科大学を卒業後、同大学付属病院で皮膚科勤務を経て、美容皮膚科クリニック「ウォブクリニック中目黒」を開院。シミ・肝斑治療をはじめ、育毛治療、ヒアルロン酸、ボトックス注射・メソセラピー・レーザー治療・ケミカルピーリングなど、メスを使わずに女性の美しさを引き出す、安全かつ効果的なアンチエイジング治療を提供。その丁寧で的確なカウンセリングには定評があり、美容のプロやモデル、女優の顧客も多い。近著に『ゆる美容事典 「ほどほど」「ズボラ」で美肌を手に入れる』(講談社)。