白髪は抜いたら増える、は間違いなの?抜くデメリットとは…
nullまず高瀬先生には、“白髪を抜く”という行為によって考えられる頭皮への影響についてうかがいました。
「白髪を抜くことで、少しの期間、白髪が目立たなくなりますが、それは根本的な解決にはなりません。それだけでなく、髪の毛を無理に抜くという行為は、毛根への刺激となり得ます。刺激によって髪の毛を作る“毛母細胞”の炎症を引き起こし、細胞の活性が落ちる可能性があります。
無理やり髪の毛を抜いて毛根に刺激を加えることでダメージが発生し、次に生えてくる髪の毛に影響が及ぶ可能性はゼロではないでしょう」(以下「」内、高瀬先生)
また、「白髪は抜くと増えるのか?」という点についてもうかがいました。
「基本的には、白髪を抜くことで増えることはありません。ただ、1つの毛穴から、2~3本の髪の毛が生えている場合もあります。すでに白髪が生えている毛穴から生えてくる髪の毛は、いずれ白髪に変わっていく可能性が高いのですが、その現象で“増えた”と感じることがあるのかもしれません」
白髪を抜くことで増えることはないにせよ、髪の毛を無理やり抜くという行為は、毛根にダメージを加え、未来の髪の毛の元気を奪ってしまうことになりかねません。できるだけ避けたほうがいいでしょう。
切る?染める?それぞれのメリット・デメリット
null抜くという方法の他にも、白髪を目立たなくするには、いくつかの方法がありますよね。続いて、それぞれの方法のメリット・デメリットについてうかがいました。
「白髪染め」のメリット&デメリットは?
白髪染めは、ある程度白髪のボリュームがある方でも白髪が目立たなくなります。
一方、デメリットは髪や頭皮への刺激。個人差はありますが、髪の毛のキューティクルを開いて脱色したうえで着色しているため、髪の毛や頭皮への刺激は少なからずあるそう。
中には染料の成分にアレルギーがあり、頭皮の炎症を起こしてしまう方も。抜くのと比較して刺激は穏やかではあるものの、使用頻度には配慮が必要です。
「ヘアマニキュア」や「白髪隠しマスカラ」のメリット・デメリットは?
ヘアマニキュアや白髪隠し用のマスカラは、髪の毛の表面を一時的にコーティングする方法。マニキュアのように1~2週間程度キープできるものや、マスカラで一時的に目立たなくする方法もあります。
高瀬先生によれば、キューティクルを開いて色を入れる白髪染めと比べて、外から色をコーティングするマニキュアは、髪や頭皮への刺激はやや穏やかだそう。
一方、色持ちや仕上がりの面では白髪染めには及ばず、頻繁に使わなければならないことを手間に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
「天然染料」での白髪染めのメリット・デメリットは?
ヘナやインディゴなど、天然染料のみを用いた白髪染めもあります。個人差がありますが、化学染料より髪や頭皮への刺激は穏やかです。まれにアレルギー症状が出る方もおり、必ずしも刺激がないわけではありません。
「白髪を切る」場合のメリット&デメリットは?
白髪のボリュームが少なく、たった数本でも目立つ場合には、切るという方法もあります。
「白髪を切るのは、毛髪や毛根へのダメージという点から考えると、これまで挙げた方法の中で最も刺激が少ないと思います」(高瀬先生)
一方で「白髪だけを切ることができず、健康な髪の毛も一緒にカットしてしまう」という声も聞かれます。目立たなくなるように根元近くから白髪だけを切るためには、ある程度の練習が必要かもしれません。
今回は、白髪ケアの方法についてお届けしました。
kufuraのアンケート記事、「見つけちゃった白髪…どうしてる?40代女性の白髪対策『自宅ケア派vsサロン派』多かったのは…」でお届けしたように、30代~40代は白髪染めを始める女性が一気に増える年代。白髪のボリュームを見極めながら、自分に合ったケアを選びたいものですね。
【取材協力・監修】
髙瀬 聡子
ウォブクリニック中目黒 総院長/美容皮膚科医・皮膚科医/日本美容皮膚科学会・日本皮膚科学会正会員
東京慈恵会医科大学を卒業後、同大学付属病院で皮膚科勤務を経て、美容皮膚科クリニック「ウォブクリニック中目黒」を開院。シミ・肝斑治療をはじめ、育毛治療、ヒアルロン酸、ボトックス注射・メソセラピー・レーザー治療・ケミカルピーリングなど、メスを使わずに女性の美しさを引き出す、安全かつ効果的なアンチエイジング治療を提供。その丁寧で的確なカウンセリングには定評があり、美容のプロやモデル、女優の顧客も多い。近著に『ゆる美容事典 「ほどほど」「ズボラ」で美肌を手に入れる』(講談社)。