白髪が生えてくる原因は?そのメカニズムをおさらい!
null前回の「白髪を1本、2本…見つけたら!知っておきたい“白髪の原因とメカニズム”【医師が教える女の白髪メモ#1】」で詳しく解説していますが、髪の毛の色素である“メラニン”を作る細胞の“メラノサイト”の働きが悪くなったり、メラノサイトの素(色素幹細胞)が枯渇してしまうなどの原因で、毛髪に色がつかなくなり、白髪が生えてきます。
その状態を引き起こす原因としては、
・加齢
・ストレス
・遺伝的要素
・何らかの疾病
などが考えられます。今回のテーマでもあるストレスは「白髪の原因のひとつ」ということになるんですね。
では、ストレスは髪にどのような影響を与えるのでしょうか?
ストレスが髪の毛に与える影響とは?
nullそもそも、ストレスとはどんなものなのでしょうか? 厚生労働省の『e-ヘルスネット』によれば、ストレスとは、外部からの刺激によって身体に生じた反応のことを指します。その原因となる外的刺激は“ストレッサ―”と呼ばれ、その種類は以下のようなものがあります。
【物理的・化学的なもの】
暑さ・寒さ・有害物質など
【生理的なもの】
病気・飢え・睡眠不足など
【心的・社会的なもの】
職場や家庭における不安・緊張・恐怖・怒りなど
これらのストレッサ―をうまく制御できなかった場合、身体に様々な不適応反応が起こります。
(『e-ヘルスネット』より)
ストレスと白髪の発生には関係があるのでしょうか。
「ストレスによってメラノサイトや毛母細胞の働きが弱まり、白髪が発生しやすくなると考えられています。とはいえ、実際にはストレスと白髪の関係性は、証明するのがとても難しいといわれています。考え得る可能性を消去法で消していき、ストレス以外にあてはまる原因がなければ、ストレスを原因と考えます」(以下「」内、高瀬先生)
一度白髪になった黒髪は戻る?ストレス性の白髪の対処法は?
nullそれでは、一度白髪になってしまった髪の毛は、再び黒髪になることはあるのでしょうか。
「何らかの原因でメラノサイトがメラニンを作るのを休止・停止したときに白髪が生えてきます。なので、原因に見合った対策を打てば、再び黒髪が生えてくる可能性もあります。
例えば、ストレスによってメラノサイトの働きが一時的に悪くなっているだけなら、ストレスが軽減されることで髪の毛の色が元に戻る可能性はあります」
もし、白髪の原因がストレスであったならば、ストレス源をつきとめ、取り除くことで、休止していたメラノサイトの働きが再開する可能性もゼロではないとのことです。
1日で白髪になることはある?白髪は伸びるのが早い?白髪にまつわる「気になる疑問」
nullところで、すでに生えている髪がストレスによって白髪になることがあるのでしょうか。小説や映画の中ではしばしばこのようなシーンが見受けられますが……。
「実際にはそのようなことはありません。何らかの原因によって、メラノサイトの働きが休止・停止した場合、これから生えてくる髪の毛が白くなることがあります。しかし、すでに生えている黒髪が1日で白くなることはないでしょう」
また、「白髪は伸びるのが早い」という話をよく聞きますが、高瀬先生によれば、基本的には、黒髪も白髪も伸びるスピードに目立った違いはないようです。
白髪のボリュームがまだ少ない場合、黒髪と比較して目立つので、“伸び”を実感しやすいのでは……ということでした。
以上、今回はストレスによる白髪についてお話を伺いました。
筆者は1年前の出産で大量に髪の毛が抜けてから、かなり白髪が生えてきましたが、先日、白と黒が交互になって生えている髪を発見しました。今回のお話を聞いて、メラノサイトとストレスのせめぎ合いを見ているような気持ちになりました。
髪の毛は、心身の健康状態が表れやすいパーツだといわれています。規則正しい生活とバランスの良い食事で、できるだけ心と体の疲れをためない生活を送りたいですね。
【取材協力・監修】
髙瀬 聡子
ウォブクリニック中目黒 総院長/美容皮膚科医・皮膚科医/日本美容皮膚科学会・日本皮膚科学会正会員
東京慈恵会医科大学を卒業後、同大学付属病院で皮膚科勤務を経て、美容皮膚科クリニック「ウォブクリニック中目黒」を開院。シミ・肝斑治療をはじめ、育毛治療、ヒアルロン酸、ボトックス注射・メソセラピー・レーザー治療・ケミカルピーリングなど、メスを使わずに女性の美しさを引き出す、安全かつ効果的なアンチエイジング治療を提供。その丁寧で的確なカウンセリングには定評があり、美容のプロやモデル、女優の顧客も多い。近著に『ゆる美容事典 「ほどほど」「ズボラ」で美肌を手に入れる』(講談社)。