最も気になるのはやはり「安全性」
nullこれまでの3回の連載では、アンダーヘア脱毛が私たちにとって様々なメリットがある、ということをお伝えしてきました。とくに前回の記事(【30代からのデリケートゾーンケアの今#3】)では、アンダーヘア脱毛が、実は自分の老後の生活の質にまで影響してくる……というリアルな現実についてお伝えしたところ、大きな反響が。
実際、ここ10年ほどで40代・50代でも、クリニックなどでアンダーヘア脱毛をする人は増加の傾向にあるそう。その世代の女性は、若い頃にワキや脚の脱毛を経験している人も少なくないし、レーザー脱毛へのハードルが、その上の世代ほどには高くない、という要因もありそうです。
……前提として、いわゆる「脱毛」には大きく2種類あり、医師のいる“クリニック”で行うレーザー脱毛(医療レーザー脱毛)と、エステなどで行う脱毛(光脱毛や、フラッシュ脱毛)は、効果も、脱毛終了までにかかる期間もかなり変わってくる、というのは知っておきたい知識です。
レーザー脱毛は有資格者(主に看護師)が行い、効果の高いレーザー機器を使用できるため、脱毛終了までの回数も少なくて済むし、何より医師の指導のもとなので、何かあったときにすぐ対処して貰えて安全です。
医療レーザー脱毛の仕組みって?
ただ、そうは言っても、デリケートな部分にレーザーをあてるのはちょっと心配……。
そもそも、レーザー脱毛って、どんな仕組みになっているのでしょう。
「医療レーザー脱毛とは、毛の毛根だけをターゲットに、高出力のレーザー光線で焼くという医療行為です。毛根を焼いてしまうので、そこからはもう毛が生えてこない、ということですね。
もちろん痛みはありますが、毛根に反応するという性質なので、周囲の皮膚を火傷させたりすることはありません。そしてこの技術自体は、すでに20年以上もの実績があるもので、マシンもどんどん進化して安全性も向上しています。他の光治療と比べても、治療法が確立されてからの実績もある治療ですので、安心して受けていただけると思います」(石川先生)
なるほど。デリケートゾーンの肌が腫れたり、体の内側の女性器に影響したりというようなことはないのですね。
「脱毛のレーザーはあくまでも毛根を選択的に破壊するので、肌や体の臓器に影響することはないんです。ただ、脱毛はあくまでも医療行為ですので、やはりリスクは伴います。深刻な敏感肌や、皮膚のアレルギーがあるという人の場合は100%トラブルがないとは限りません。
事前にしっかりカウンセリングをすること、不安なことを相談できるよう“医師のいるクリニック”での施術がおすすめです」(石川先生)
アンダーヘア脱毛は特に痛いと聞いたけど…..
nullもう一つ気になるのはやはり「痛み」。アンダーヘアの脱毛は特に痛いというけれど、痛みに弱い人でも我慢できるものでしょうか?
「機器の進化でだいぶ軽減されてはいるものの、やはり痛みはあります。もしこれまでレーザー脱毛を1度も体験したことがない方は、まずワキの脱毛から始めてみてください。その経験で、レーザー照射による痛みがどのようなものかわかると思います。
脱毛は1度のレーザー照射で終わるというものではありません。毛には毛周期というサイクルがあり、照射時に発毛が休止している毛にはレーザーが反応しないからです。全部が終了するまでに何回の施術が必要かは、その人の毛の量やどこまでの減毛で満足するか次第となりますが、1カ月半おきに5〜6回程度の照射を行うのが平均的です。
多くの人は、回数を重ねるうちに、痛みにも次第に慣れていきますよ」(石川先生)
アンダーヘアは、ワキよりも痛みを敏感に感じることが多いようですが、施術の際に痛みが激しい場合は、機械のパワーを弱めて照射したり、1回に照射する面積を少なめにするなど、クリニックによって対処法もさまざまあります。
無理に痛みを我慢しすぎず、施術者(クリニックでは看護師が対応することが多い)と上手くコミュニケーションをとりながら通うことが、途中で挫折せず、最後まで脱毛を終了させるコツかもしれません。
ちなみに私は、5回目の施術くらいで痛みに慣れました…
私の体験をお話しすると……。
それまでにワキ・腕・脚の脱毛を終わらせてからアンダーヘア脱毛を開始しましたが、痛みはやはり他の部位より強く感じました。とはいえ続けるうちに痛みにも慣れ、5回目くらいには脱毛を受けながら、スマホでメールを打つくらいの余裕まで……!
脱毛の進行具合は、5回終わったところである程度は減少という感じ。でももう少し減らしたかったので、最終的には7〜8回ほど行い、希望の減毛状態になるまでには結局1年近くかかりました。
施術の前に知っておきたいポイント4つ
nullではいよいよアンダーヘア脱毛をスタート!……でもその前に押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。
(1)脱毛の前には、今生えている毛を剃っておく
毛が長いままだとレーザーを当てられません。施術の前日に、レディス用の電気シェーバーなどで、生えている毛を剃っておきます。IゾーンやOゾーンは剃りにくいのですが、鏡を見ながらなるべく剃り残しがないようにしましょう。
クリニックに行って剃ってもらうことも可能ですが、時間がかかる上に、剃毛料金が追加されることがあります。
(2)アンダーヘア脱毛の終了には、半年以上かかると心得て
レーザー照射は1.5カ月に1度程度の間隔で行います。終了までの回数は、毛の量をどこまで減らせば満足するかによりますが、5〜6回は通うのが平均的です。
(3)生理の時には脱毛をしないこと
肌トラブルなどを避けるため、また衛生面を考えても、生理の予定日を外して予約するようにしましょう。やむを得ずぶつかってしまった時には、事前に連絡して日程を変更してもらう配慮も必要です。
(4)白髪になったら「レーザー脱毛」は難しくなる
デリケートゾーンの毛も、いずれは白髪になっていく人も多いのですが、白い毛のレーザー脱毛をするのは、現在主に使われている機械では極めて困難です。つまりデリケートゾーンの脱毛は年齢的なリミットがある……とも言えます。
「医療レーザー脱毛」をする場合、値段はどのくらい…!?
nullたとえば今回レーザー脱毛について教えてくれた、石川先生のクリニックでアンダーヘア脱毛をすると……。
「私のクリニックでは、皮膚を吸引しながら、1ショットで広範囲を照射できるダイオードレーザーのマシンを使っています。
医療レーザー脱毛は、冷却ジェルを塗った上からレーザーを当てるのが一般的ですが、このマシンだとジェルが必要ない方式なので、塗ったり拭いたりする時間がかからず、痛みも少ないのが特徴です」
料金:Vライン・Iライン・Oライン(いずれか1部位)
1回15,000円・3回31,500円・6回63,000円(税別)
クロスクリニック銀座/ 中央区銀座5-4-9 ニューギンザ5ビル10F
こちらのクリニックは、最先端のマシンを導入しているクリニックだけあって、値段も決して安くはありません。もちろんその地域やクリニックの料金体系によって、値段はかなり差があるので、ひとつの参考としてお考えください。
また、繰り返しになりますが、毛根への効果が高い「レーザー脱毛」は医療行為なので、医師のいるクリニックでしか施術ができません。アンダーヘアという非常にデリケートな部分の脱毛をする場合、美容サロンやエステという選択は、何かトラブルがあったときに不安が残ります。
実際アンダーヘア脱毛に取り組む際には、1年程度の長期でも通いやすいエリア、何かあったときに相談できる医師がいるかどうか、料金体系(回数券制、回数無制限で終了まで、など)をよく確認した上で、スタートされることをおすすめします。
これからの自分のための「投資」、アンダーヘア脱毛。その意味や価値をわかった上で、前向きに取り組む人が増えれば、と思っています。
今回教えてくれたのは…
石川浩一(いしかわひろかず)医師
日本形成外科学会専門医、日本レーザー医学会認定医。
大学病院の形成外科医局長などを務めたのち1998年クロスクリニックを開院。レーザー治療において、世界トップクラスの設備と技術をもつ。著書に『メディカル・アンチエイジングで“不老美肌”を手に入れる』(幻冬社刊)がある。