「えっ、普通は所属部署で一人前の働きができるようになってから、他部署とも連携していくのが順番なのでは」と思うかもしれません。
けれど、思い返してみてください。これまで在籍していた企業で、普段の業務に追われる中、自分の部署と直接関わりがない部署の人と積極的に交流したことはありましたか?
会社側が意図的に部署間交流の機会を設けないかぎり、そうした機会はなかったのではないでしょうか。
これからの時代、変化のスピードはどんどん速くなり、組織内で持ち上がってくる課題に対して自分の部署だけでは解決できないことも増えてくるはずです。そうした中で、課題解決法になるべく早く辿り着き、成果を挙げるためには、社内のさまざまなリソースを活用していく力が必要です。そのためにも、社内ネットワークを築いておくことが大切です。
「猶予期間」のうちにアクションを起こす
nullでは、なぜそうした社内ネットワークづくりを「入社3カ月以内」に行うとよいのでしょうか。それは、「入社したばかり」だからこそ、比較的柔軟に動きやすいからです。
会社側は、入社後3カ月程度はソフトランディング期間……つまり、自社への理解を深め、組織になじむ期間と見てくれている可能性が高いといえます。業務についても、まずはアシスタント的な役割から始め、徐々に引き継いでいくケースが多いと思います。
つまり、“勉強期間”が与えられているわけです。
この期間を利用して、「会社への理解を深めるため、他の部署のお仕事も見学させていただきたい」と言えば、受け入れられる可能性大。本来の担当業務以外のアクションを起こすことも容認してもらいやすいといえます。
しかし入社から3カ月も経てば、“猶予期間”は終了。現実的なミッションや目標が課せられ、本来業務に集中しなければならなくなります。そうして何年かが過ぎると、「他の部署を知りたい、他の部署の人と交流したい」と思ったとしても、「なぜこのタイミング?」と疑問や違和感を抱かれるため、アクションを起こしづらくなるかもしれません。
各部署の「キーパーソン」にアプローチ
nullでは、他部署との交流の機会を得るために、どうアクションを起こすか。
まずは、各部署の“キーパーソン”と接点を持つことを目指しましょう。
キーパーソンとは、その部署のマネジャーのほか、成果を挙げているエース級の社員などです。自分の部署の上司や先輩、あるいは人事担当者にお願いして、紹介してもらいましょう。
「早くこの会社のことを理解したい。各事業部門の役割や仕事の流儀といったものをキャッチアップしておきたいので、他の部署の方のお話もお聞きしたいです」などと伝えれば、理解を得られるかと思います。
キーパーソンにアプローチする際には、「この度入社しました○○と申します」と自己紹介の挨拶をし、「ご挨拶がてら、ランチをご一緒させていただけないでしょうか」「勉強のため、そちらの部署の会議に出席させていただけないでしょうか」「取引先を訪問される際、同行させてください」などと頼んでみます。
こうした形で他の部署のメンバーに自分を知ってもらえば、その後、自分の業務を遂行していくにあたり、必要に応じて相談を持ちかけやすくなるでしょう。
繰り返しますが、これは“入社したばかり”というタイミングだからこそ、実行しやすいこと。「会社を早く理解したいんだな」と納得、承諾を得やすいと思います。入社して何年も経ってから同じ行動を起こしても、「突然どうしたんだ。何を考えているんだ?」と警戒されてしまうかもしれません。
ぜひ、“新人”の立場を活用してください。