「しっかり」の意味は?
「しっかり」の意味は?「しっかり」は、漢字で表記すると「確り」。確実、堅固、安定、着実といったイメージを伴う言葉です。
以下のような意味があります。
(1)堅実で信頼できる様子
→例:あの人はしっかりしているから、まかせておいても安心だ。
(2)気を引き締めて確実に行う様子
→例:もっとしっかり取り組んでください。
(3)簡単に揺らいだりしない様子
→例:書類はクリップでしっかり留めてください。
「しっかり」を言い換えたほうがいいのはどんなとき?注意点は?
「しっかり」を言い換えたほうがいいのはどんなとき?注意点は?例えば、部下や後輩に対して「しっかりやってよ」と伝えた場合、指示が漠然としており、相手が困惑する可能性があります。具体的な指示や説明が必要な場合に「しっかり」は適切な言葉ではありません。
また、目標の宣言や改善案など、これから何かに取り組むという意志を示す際には「しっかりやります」という表現では不十分です。何にどのように取り組むのか、具体的な内容を添えたほうがいいでしょう。
【こんな言い方には注意!】
・こんな資料じゃダメだよ。もっとしっかり作ってよ。
・これからは、同じを繰り返さないようにしっかりやります。
続いて「しっかり」の言い換え表現をご紹介します。
堅実に進めていくことを表す「しっかり」の言い換え表現
堅実に進めていくことを表す「しっかり」の言い換え表現堅実で信頼できる様子を表す「しっかり」の言い換え表現です。
【確実に】
「確実」は、手堅く確かであること。
◆例文:時間がかかってもいいから確実に処理してください。
【着実に】
「着実」は、危なげなく確実に物事を行うこと。
◆例文:新入社員は、着実に成長しています。
【堅実に】
「堅実」は、危なげなく安定していること。
◆例文:彼の堅実な仕事ぶりが高い評価を集めています。
【手堅い】
「手堅い」は、やり方が確実で危険がないこと。
◆例文:今回は、危ない橋を渡らず、手堅く進めていきましょう。
気を引き締めて行う様子を表す「しっかり」の言い換え表現
気を引き締めて行う様子を表す「しっかり」の言い換え表現真剣に取り組む様子、気が引き締まっている様子を表す際の「しっかり」の言い換え表現です。
【気を抜かずに】
緊張をゆるめずに、気を引き締める様子。
◆例文:先方から承諾をもらえるまで、気を抜かずにね。
【真摯に】
「真摯(読み方:しんし)」は、まじめでひたむきな様子。
◆例文:真摯に取り組んでまいります。
【鋭意】
「鋭意(読み方:えいい)」は、懸命に努力する様子。
◆例文:サンプル品につきましては、現在、鋭意作成中です。
【誠心誠意】
「誠心誠意(読み方:せいしんせいい)」は、真心を尽くして取り組むこと。
◆例文:最良のものをお届けできるよう、誠心誠意努めます。
簡単に揺らがない様子を表す「しっかり」の言い換え表現
簡単に揺らがない様子を表す「しっかり」の言い換え表現容易に揺らいだり崩れたりしないという意味の「しっかり」の言い換え表現をご紹介します。
【安定】
物事が落ち着いていて、揺らがないこと。
◆例文:この建物は、土台が安定していますね。
【盤石(磐石)】
「盤石(磐石)」(読み方:ばんじゃく)は、
◆例文:A社の経営は、盤石ですね。
ポジティブな意気込みを伝えるコツ
ポジティブな意気込みを伝えるコツ職場では、計画やノルマに向かって、前向きに取り組む意気込みを語る機会があります。
相手との関係性や職場内の立ち位置によっては「がんばります」や「しっかりやります」「ちゃんとします」という漠然とした言葉が前向きに受け止められることもあるかもしれません。
しかし、多くの場合、どんな改善策を講じるのか、どんな数値を目指したらいいのかなど、具体的な情報を盛り込むことが求められます。あいまいな表現で論点をごまかすことのないよう、意気込みを伝える際の語彙力や伝達力を養っておきたいものです。
取材・文/北川和子
国語講師。「大学受験Gnoble」やカルチャースクール、企業研修などで教えるほか、「三鷹古典サロン裕泉堂」を運営。10万部突破の著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)など、言葉や敬語、文章術、古典に関する発信も多い。近著に『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)、『見るだけ・聴くだけで語彙力アップ デキる大人の話し方』(主婦の友インフォス)。東京大学卒業。