「おざなり」と「なおざり」の違いは?
null【おざなり】
意味:その場しのぎのいい加減な態度、言動。
例文:おざなりな企画書はいらないから、じっくり考えて提出し直してくれる?
【なおざり】
意味:物事を真剣に考えず、放っておいている。
例文:ユーザーからの問い合わせをなおざりにするなんて、もってのほかだ。
「宿題」を例に考えると2つの違いがわかりやすくなります。「宿題をおざなりにする」ならば、その場しのぎではあるけれど、一応取り組むということです。
おざなりは漢字で書くと「お座成り」となりますが、この「お座」というのは「お座敷」から来ています。お座敷、つまり宴席ではみんな取り繕ってお愛想を言ったりしますが、そこから「いい加減な品質ではあるが、一定の対応はする」という意味になるわけです。
一方、「宿題をなおざりにする」と言うと、「『別にやらなくていいよ、どうせ先生は宿題のチェックなんてしないし』などと考えて宿題をやらない」ことになります。その場しのぎで人の答えを写してでも宿題をするのが「おざなり」なら、不誠実な態度で、ろくに宿題をしようともしないのが「なおざり」です。
信頼されて人間関係が円滑に!「思いが伝わる語彙学」
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・「延々」と「永遠」
・「脅威」と「驚異」
・「琴線に触れる」と「逆鱗に触れる」
・「権力」と「権威」
・「厚意」と「好意」
・「批判する」と「非難する」
など、日常生活でよく目にするけれども、違いを曖昧に捉えがちな言葉をピックアップしています。
ぜひ区別して、自分のものにしてくださいね。
『明日の自信になる教養4 池上 彰 責任編集 思いが伝わる語彙学』(著者:吉田裕子 責任編集: 池上 彰 税込1,870円・KADOKAWA)
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国語講師。「大学受験Gnoble」やカルチャースクール、企業研修などで教えるほか、「三鷹古典サロン裕泉堂」を運営。10万部突破の著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)など、言葉や敬語、文章術、古典に関する発信も多い。近著に『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)、『見るだけ・聴くだけで語彙力アップ デキる大人の話し方』(主婦の友インフォス)。東京大学卒業。