「ちなみに」の意味は?どんなときに使う?
「ちなみに」の意味は?どんなときに使う?「ちなみに(因みに)」は、それまでの話に簡単な補足をつけ加えるときの接続詞です。
それまで述べてきたテーマの本筋から少し離れた関連情報を補足する際に使います。昨今では「ちなみに」に続く内容に重要な情報を含ませるケースも見受けられます。
口語やインターネット上では「ちなみに」と同様の意味で「ちな」「ちなむと」と言った言葉を使っているケースが見受けられますが、そのような言葉はありません。正しくは「ちなみに」です。
「ちなみに」を使うときの注意点は?どんなときに言い換える?
「ちなみに」を使うときの注意点は?どんなときに言い換える?「ちなみに」は、補足情報を伝える際の言葉です。
とても便利な言葉ですが、1つのテーマで何度も使うと、情報の羅列となり、話の要点が伝わりにくくなってしまいます。「ちなみに」を繰り返さないように、事前に伝える情報を整理しておきましょう。また、補足情報をつけくわえる際の語彙をいくつか用意しておくといいでしょう。
かしこまった場面で使える「ちなみに」の言い換え表現
かしこまった場面で使える「ちなみに」の言い換え表現ビジネスシーンやかしこまった場面で使うことができる「ちなみに」の言い換え表現をご紹介します。
【なお】
あるテーマの話を終えた後で、別の情報を添える際に使うことができます。
◆例文:これで本日の会議を終わります。なお、議事録は今週中に共有いたします。
【余談ですが(余談ながら)】
「余談」とは、本筋とそれたの話のこと。「余談ですが」「余談ながら」と前置きをして、関連情報を伝えるときに使います。
◆例文:新商品の売上が絶好調です。余談ですが、私も愛用しています。
【付け加えると】
足りない情報を後から補う際に使います。
◆例文:新商品のスペックについては、概ね鈴木が申した通りです。一言付け加えると、来月の展示会ではこの商品が展示される予定です。
【補足すると】
補足の情報を追加する際に用います。
◆例文:先月の実績の資料はこちらです。補足すると、例の案件の売上は含まれていない数字です。
【蛇足】
「蛇足(読み方:だそく)」は、よけいなものの意。説明やあいさつの後に一言、付け加える時に「蛇足かもしれませんが」「蛇足ながら」と前置きをして伝えます。
◆例文:蛇足かもしれませんが、この部分は念のために修正しておいたほうがいいと思います。
【追伸】
「追伸(読み方:ついしん)」は、メールや手紙で使う言葉。最後に追記の文を加える際に使います。
◆例文:(メール末尾に)追伸 弊社内では風邪が大流行しております。どうぞご自愛ください。
【そういえば】
それまで話していたことに関連して、ふと思い出した事柄について話すときに使います。
◆例文:そういえば、部長はA社のBさんと学生時代の友人ですよ。
【また】
別の事柄を付け加える際に使われています。
◆例文:彼は顧客からの評価が高い。また、社内の人望も厚い。
補足情報を伝えるときのポイントは?
補足情報を伝えるときのポイントは?今回は、補足情報を伝える際の言葉をご紹介しました。不足していた情報を伝える際には、長々と述べずに「有益な情報をコンパクトに」を心がけます。相手に伝わりやすいよう、伝える順番を工夫したり、大切な補足情報は強調するなどの配慮も大切です。
特に、補足の内容が聞き手の物事の判断を左右するような情報である場合には、判断の根拠になるような情報を示すことも求められます。
取材・文/北川和子
国語講師。「大学受験Gnoble」やカルチャースクール、企業研修などで教えるほか、「三鷹古典サロン裕泉堂」を運営。10万部突破の著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)など、言葉や敬語、文章術、古典に関する発信も多い。近著に『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)、『見るだけ・聴くだけで語彙力アップ デキる大人の話し方』(主婦の友インフォス)。東京大学卒業。