今回『kufura』では、20~50代の男女348人を対象に「カタカナのビジネス用語」についてのアンケート調査を実施しました。みんなはカタカナのビジネス用語に対してどのような印象を抱いているのでしょうか。
何のこと言ってるの?困った経験のある人が8割以上!
nullまず、「カタカナのビジネス用語」で意味がわからないものがあるかを聞いたところ、以下のようになりました。
【「カタカナのビジネス用語」で意味がわからないものはありますか?】
ある・・・216人(62.1%)
ない・・・18人(5.2%)
わからない・・・114人(32.8%)
「ある」と答えた人は半数をこえる結果に。シンプルな言葉であれば何となく意味を想像することもできますが、専門的な用語になると難しいですよね。
また、カタカナのビジネス用語の意味がわからず困った経験の有無については、「よくある」「ある」を合わせると8割以上もの人が困った経験があることが明らかになりました。
【カタカナのビジネス用語がわからずに困ったことはありますか?】
よくある・・・64人(29.6%)
ある・・・112人(51.9%)
ない・・・31人(14.4%)
わからない・・・9人(4.2%)
意味を知らないと話についていけなくなったり、内容がつかめないままになってしまう恐れも。すぐに聞いたり、調べたりできない場合、ビジネスシーンでは非常に困りますね。
意味のわからない「カタカナビジネス用語」、1位は「KPI」
null続いて、意味のわからない「カタカナのビジネス用語」にはどのようなものがあるのかを調査。わからない用語をすべて答えてもらったところ、トップ10のほとんどは2人に1人以上が選択するという結果に。みなさんはいくつご存知でしょうか?
【意味のわからない「カタカナビジネス用語」TOP10】
第1位:KPI・・・251人(72.1%)
第2位:ローンチ・・・231人(66.4%)
第3位:ブレスト・・・224人(64.4%)
第4位:ナレッジ・・・206人(59.2%)
第5位:アライアンス・・・205人(58.9%)
第6位:バッファ・・・201人(57.8%)
第7位:アサイン・・・197人(56.6%)
第8位:メンター・・・190人(54.6%)
第9位:PDCA・・・175人(50.3%)
第10位:アジェンダ・・・168人(48.3%)
11位以下には「スキーム」「サマリー」「リスケ」「クロージング」「OJT」などがランクインしていました。
普段から使っている言葉があった人、聞きなれない言葉ばかりだという人もいるでしょう。ちなみに、上位5つの日本語の意味を簡単に説明すると以下のようになります。
KPI・・・重要業績評価指数。ゴールや目的に向かう過程の目標数値のこと
ローンチ・・・立ち上げ、公開、開始。新製品の発表や新サービスを開始すること
ブレスト・・・ブレインストーミングの略。複数の参加者がひとつのテーマに沿って自由にディスカッションし、アイデアを出し合うこと
ナレッジ・・・企業や組織にとって有益な情報
アライアンス・・・企業同士の業務提携や戦略的同盟を意味する経営手法
日常生活ではあまり馴染みのない言葉が多いのではないでしょいか。しかし、仕事内容によっては、これらの言葉の意味をしっかり理解しておく必要がある場合も。
「カタカナビジネス用語」、どう思ってる?
null最近のビジネスシーンでは、「カタカナのビジネス用語」を使う機会が増えている傾向にあります。そんな「カタカナのビジネス用語」について、どのように感じているの聞いたところ、最も多かったのは「日本語でいいのではないか」「わかりにくい」という声でした。
長い、複雑、言いにくい…
「日本語で話した方がわかりやすいのに、わざわざ英語(カタカナ)で表現する意味が理解できない」(59歳男性/営業・販売)
「なんとなく意味がわかることも増えたが、わかった気になっていて後で認識の齟齬が起きるのが怖い」(35歳男性/学生・フリーター)
「意味が曖昧であったり、同じ言葉でも業界や企業によって異なる解釈があったりすることがあり、コミュニケーションの障害になることがあると思う」(39歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)
「話の途中で出てくると遮りづらいので後でこっそり調べている。誰でもわかる言葉にしてほしい」(44歳女性/研究・開発)
「ちょっとかっこよく聞こえるけど、相手に伝わらなければ、使っていても意味がない」(51歳男性/総務・人事・事務)
カタカナのビジネス語を使ったほうが便利な場面もありますが、日本語のほうが簡潔に済むことも。例えば「アジェンダ」は「議題」、「エビデンス」は「証拠」と、日本語のほうが短くわかりやすい言葉もあります。
また、多用されると「難しい言葉を並べてごまかしてない?」と感じてしまうこともあるようです。スマートに使いこなせているのであれば問題ありませんが、本当に意味を分かって使っているのか怪しく感じるという意見も目立ちました。
多用には注意!
また、あまりにもカタカナビジネス用語を使いすぎる人に対しては、「仕事ができると勘違いしている」などの厳しい指摘もありました。
「多用する人がいますが、カタカナビジネス用語をたくさん知っているから凄い!とか思ってるんだろうなあと思ってしまいます」(52歳女性/その他)
「特に違和感はないが、得意げに話するのはちょっと引く」(50歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)
「日本人は欧米への憧れが強いので、横文字だとカッコいい気がするのかなぁと思う。かといって漢字ばかりだと保守的なオジサンみたいなので、それはそれで嫌だ」(41歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)
必要なら覚えたい
カタカナビジネス用語の過剰な使用には否定的な意見が多かったものの、必要なシーンでは使うべきなので覚えていきたいといったポジティブな声もありました。
「勉強すれば良いだけだと思うので特に問題はないと思う」(43歳男性/その他)
「時代だからしょうがないので、頑張って覚える」(57歳男性/その他)
「主なカタカナビジネス用語の日本語対応一覧のようなものがあると助かる」(53歳男性/その他)
「職場でカタカナビジネス用語の講座をしてほしい」(53歳男性/総務・人事・事務)
仕事上必要なものは別として、自己満足なカタカナビジネス用語は歓迎されていないことがわかりました。しかし、使いこなすことができれば意外に便利だと感じるかもしれません。無理に使うのではなく、相手に正しく伝わるかを意識することが大切なのではないでしょうか。
エディター/ライター。大学在学時からライターとして活動、気付けばもうすぐフリーライター歴20年。webサイトや書籍の編集・ライティングなどを担当。料理と暮らしまわりの手仕事が趣味。根っからのインドア派だが、3児の母となりアウトドアの楽しさにも目覚めたところ。