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ビッグモーターが他人事じゃない…20~60代の4割以上がブラック企業での勤務経験があった!

次々と明らかになった中古車販売大手ビッグモーターの不祥事。勤務体系や給与制度などが明るみに出て、自身の職場についても考えさせられた人が多かったのでは? そこで今回は、20代~60代の男女566人に「ブラック企業」についてのアンケートを実施。その結果、4割以上の人がブラック企業に勤めた経験があることが明らかに。その実態はいかに……!? みんなの会社や職場環境についてまとめてみました。       

ブラック企業の特徴、1位「就労時間無視」2位「残業代なし」

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まずはじめにみんなが思う「ブラック企業」について、その特徴を尋ねてみました。「ブラック企業」と聞いて当てはまるものすべてを答えてもらったところ、かなり多岐にわたるイメージがあがってきました。

【「ブラックな会社・職場」の特徴ランキング】

1位 「就労時間を無視する」・・・415人(73.3%)

2位 「残業代が出ない」・・・375人(66.3%)

3位 「パワハラ、セクハラが横行している」・・・359人(63.4%)

4位 「無理なノルマがある」・・・328人(58.0%)

5位 「上司が無茶ぶりをする」・・・327人(57.8%)

6位 「休日が少ない」・・・300人(53.0%)

7位 「謎なルールがある」・・・223人(39.4%)

8位 「自社製品を自腹で購入させられる」・・・220人(38.9%)

9位 「昇給がない」・・・214人(37.8%)

10位 「社長がワンマン」・・・212人(37.5%)
10位(同率) 「若手が定着しない」・・212人(37.5%)

10位以下でしたが、「下っ端の意見を全て無視する」「産休・育休の形骸化(とらせてもらえない)」「墓場部署(追い出し部屋)がある」「BBQなどイベント参加を強要される」なども3割近い人があげていました。

ちなみに、厚生労働省の労働条件情報サイトによると、「ブラック企業」に明確な定義はないものの、一般的な特徴としては、極端な長時間労働やノルマを課したり、賃金不払残業やパワーハラスメントの横行、企業全体のコンプライアンス意識が低いなどがあげられるようです。

20代~60代の半数近くが「ブラック企業」で働いた経験あり

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では実際にみんなが働いている会社や職場について、「ブラック企業だと思ったことがあるか」を尋ねてみると、「ある」と答えた人は4割程度。しかし「ない」という人も半数以下だったことから、実際は半数近くの人が「ブラック企業」で働いた経験があることがわかりました。

【あなたはこれまでに、ご自身が働いている会社・職場について、「この会社(職場)、ブラックだな……」と思ったことはありますか?】

「ある」・・・236人(41.7%)
「ない」・・・270人(47.7%)
「わからない」・・・60人(10.6%)

就労時間無視、残業代無し…次々出てくるブラックな風潮

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さらに「ある」と答えた人には、その理由について具体的に尋ねてみると、最も多かったのは、勤務体系について疑問視する声。特に残業や休日就労などの扱いが不当と思っている人が多いことがわかりました。

【「ブラックだな」と思った理由】

就労時間を無視する

「定時で帰ろうとすると嫌味を言われて帰れない。残業しても月に10時間までしか残業手当が支給されない。有給休暇がとれない。朝のお茶入れは業務時間前に終わらせないといけない」(52歳女性/主婦)

「朝から深夜まで仕事なうえ、喫煙者は煙草休憩があるが、吸わない人は休憩なし。休日なし。個人的な事を全て知らせないといけない(特に生理)。仕事中トイレにも行かせてもらえなく、行くと後でネチネチ言われる。深夜のまかないを食べないと怒鳴られる」(35歳女性/営業・販売)

「看護師時代、夜勤(夕方16時から朝10時まで)で仮眠時間が一切ない。寝てはいけない規定だった」(28歳女性/その他)

「普通に残業時間が月230時間あった。死ぬかと思った」(55歳男性/その他)

「社長が帰るまで深夜でも帰れない。仕事が間に合わなければ徹夜、休日出勤は当たり前で手当てはつかない」(48歳男性/会社経営・役員)

給料に関する不満

「給料が遅配した時には、やばいと思った」(60歳男性/その他)

「給料を少なく渡される。タイムカードを勝手に切られる」(27歳女性/主婦)

「最低賃金ぶっちぎり下の給与」(45歳女性/その他)

「残業手当が月150時間で3000円」(55歳男性/その他)

「ハローワークの求人票に書かれている条件と実際が異なり過ぎ。月収20万円台で福利厚生や各種手当が付いていると書かれていたのに、入社したら、月収4万円、手当一切無し。日本に住む人だったら誰でも知っている大きな会社」(52歳女性/その他)

ビッグモーターは、除草剤で街路樹を枯らすなどの疑惑もありました。

社内での怒鳴り声、いじめ、暴力…心身ストレスにもう限界

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ブラック企業に多い傾向といえば人間関係の悪さ。上司のパワハラやセクハラ、社内のいじめなど、精神的なストレスに耐えられず、うつ病を発症してしまう人も多いようです。さらに社内の独自のルールなど、嫌な風習も社員たちの大きなストレスの原因になっているでしょう。

上司のパワハラ系

「上司があまりにヒステリックすぎるのに、会社が容認していること」(27歳女性/その他)

「毎日上司からお客さんや他の従業員の愚痴を聞かされる。同意しないとキレられる。交際を迫られる、性的に触られる。本当に酷い職場だった」(35歳女性/営業・販売)

「社長、専務のハラスメント王国で、休めないし、勝手に有休を消化されているし、給与明細が1年に2回くらいしかもらえない。休みは月に5日くらい」(46歳男性/営業・販売)

「仕事でミスをすると、その場で社長に怒鳴られ、翌日の朝礼で吊し上げられる」(61歳女性/主婦)

「上司がガラスをたたき割った。椅子を蹴り飛ばして怒鳴り散らした。社長が、転職するならお前の悪いうわさを流す、と言い放った……など。実際に手に怪我を負わされた女子社員もいました」(48歳男性/デザイン関係)

社風など

「学歴がない人が出世できなかった」(39歳男性/その他)

「社長が社員とデキている」(67歳男性/その他)

「毎朝社訓やスピーチを三唱させられる。普通に話せることを怒鳴る」(52歳女性/技術職)

「言葉遣いが悪い人が多い」(30歳女性/主婦)

3人に2人は「ブラックな会社」とわかって会社を辞めていた

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では「ブラック企業」とわかってから、みんなどうしたのでしょうか。ブラックな企業とわかりながら働き続けているのでしょうか? 実は7割近い人がすでに「辞めた」と回答。一方、4人に1人はまだ継続して働いていることがわかりました。

【あなたは今でもその「ブラックな会社」で働いていますか?(または、お付き合いがありますか?)】

「働いている」・・・60人(25.4%)
「辞めた」・・・157人(66.5%)
「付き合いがある」・・・9人(3.8%)
「その他」・・・10人(4.2%)

「ブラックな会社」とわかっても、自分や家族の生活がかかっていると、なかなか転職をする決断を下すのは難しいことかもしれません。しかし過剰な労働やストレスによって体調を崩したり、メンタルが壊れてしまってからではますます環境を変えにくくなるもの。現状を変えたいと思っているなら、勇気を出して一歩踏み出すことが大切でしょう。

パワハラを立証するには第三者の目による認定も重要です。

ちなみに会社を辞めるという選択肢以外に、会社の組織改革を試みるという手もあります。ブラックな会社をクリーンにするためには、内部の人間が協力して改革していかなければなりません。あなたが、その一歩に貢献する選択肢もあるということも覚えておくといいかもしれません。

ちえ
ちえ

エディター・ライター歴20年以上。女性誌やアウトドア雑誌、情報誌、スポーツ誌(自転車雑誌、水泳雑誌)などで執筆。2017年から主人の仕事に帯同しアメリカに移住。小学生の男児、中学生の女児とともに、異国の地での生活に奮闘しながら、執筆活動も継続中。現在はニュースや海外生活情報などを担当。アウトドアと旅行が大好き。趣味はパン作り。

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