「目端が利く」の意味とは?
「目端が利く」の意味とは?「目端が利く」(読み方:めはしがきく)は「機転が利く」「物事を見抜く力がある」の意。
目の端に見えるような小さなことまで抜け目なく気づき、気の利いた対応ができる様子を表す言葉です。多くの場合、ほめ言葉として使われる表現です。
“目端”とは、その場の様子をみはからう機転の意。
「目端が利く」の使い方の注意点は?「目鼻が利く」は間違い?
「目端が利く」の使い方の注意点は?「目鼻が利く」は間違い?「目端が利く」と類似の慣用句がいくつかあるため、混同しているケースが見られます。よくある誤用が「目鼻が利く」です。「目鼻が利く」という表現はありませんのでご注意ください。
日本語には“目”“鼻”を用いた表現が多数あります。「目端が利く」と混同しやすい表現をピックアップしましたので、それぞれの意味を正しく把握しておきましょう。
◆目が利く
【意味】物の価値を見分ける力があること。鑑識眼があること。
【例文】古美術に目が利く人に鑑定をお願いしたい。
◆鼻が利く
【意味】わずかなヒントを嗅ぎつけ、役に立つ事柄を見つけ出す能力があること。
【例文】その刑事は、鼻が利くことで定評がある。
◆目鼻が付く
【意味】物事のおおまかな見通しがたつこと。
【例文】ようやくプロジェクトの目鼻が付いたので、細かいところを詰めていこう。
◆目から鼻へ抜ける
【意味】とても賢いこと。視覚と嗅覚が敏感に動き、連動しているような様子から。
【例文】新しい担当者は、目から鼻へ抜けるようなやり手ですね。
「目端が利く」の例文は?
「目端が利く」の例文は?「目端が利く」を用いた例文をご紹介します。
・彼女は目端が利くので任せておいても安心だ。
・彼のような目端が利く人材が理想的だ。
・あの人は、のんびりしているように見えて、思いのほか目端が利く。
「目端が利く」を言い換えると?類語は?
「目端が利く」を言い換えると?類語は?「目端が利く」と類似の意味を持つ表現をご紹介します。
(1)「機転が利く」
「機転が利く」(読み方:きてんがきく)は、その場の状況を判断し、機敏に心を働かせること。
【例文】
・後輩はとっさの機転が利くので、安心して仕事を任せられる。
(2)「如才ない」
“如才ない”(読み方:じょさいない)は、気が利いて、
【例文】
・彼の如才ない対応に助けられた。
(3)「要領を得た」
「要領を得た」(読み方:ようりょうをえた)は、物事の大切な点を心得たうえで、対応することができること。
【例文】
・部長は長年の経験によってトラブル対応の要領を得ていた。
(4)「気が利く」
「気が利く」は、その場その場で適した判断や行動をとることができること。日常会話でも広く使われている表現です。
【例文】
・あの課の新入社員は、よく気が利きますね。
(5)「神経の行き届いた」
「神経の行き届いた」「神経が行き届いた」の“神経”は、他人への気配りや配慮のこと。細かいところまで、配慮が行き届く様子を表します。
【例文】
・神経の行き届いた対応ができるところは、君の強みだ。
以上、今回は国語講師の吉田裕子さんに「目端が利く」の意味や使い方について解説していただきました。
「目端が利く」の漢字の表記と意味を正しく覚えておきたいですね。
取材・文/北川和子
国語講師。「大学受験Gnoble」やカルチャースクール、企業研修などで教えるほか、「三鷹古典サロン裕泉堂」を運営。10万部突破の著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)など、言葉や敬語、文章術、古典に関する発信も多い。近著に『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)、『見るだけ・聴くだけで語彙力アップ デキる大人の話し方』(主婦の友インフォス)。東京大学卒業。