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「重複」の読み方、分かりますか?注意が必要な点は?意味と使い方を解説

“重複”という単語は、どのような場面で使われているのでしょうか。【あらためて知りたい頻出ビジネス用語#97】では、“重複”の意味や使い方、類似の表現などを掘り下げていきます。

“重複”について解説していただいたのは、『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など、多数の著書を持つ国語講師の吉田裕子さんです。

「重複」の意味とは?

「重複」の意味とは?

重複(読み方:ちょうふく)”は、同じ物事が重なることを意味しています。事務手続きを二重に行ったり、同じ説明を繰り返したりすることを表す言葉です。

“ちょうふく”と読むのが一般的ですが、“じゅうふく”と読んでも間違いではありません。

「重複」はどんなシーンで使う?

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ビジネスシーンでは、事務手続きや予約、説明など、同じことを繰り返してしまったときに使う言葉です。

具体的な例をあげると、以下のような場面です。

・同じ手続きを2回繰り返してしまったとき
(例文:売上処理の重複が見つかりました)

・説明の中で、同じ話を2度するとき
(例文:先ほどの話と内容が一部重複しますが……)

・役割が重なっているとき
(例文:彼と私の業務範囲が重複しています)

このように、同じことを繰り返したり、重なってしまったりしたときに使われています。どちらかといえば、ネガティブな状況で使う言葉だといえます。

「重複」の使い方の注意点は? よく見かける間違った使い方

「重複」の使い方の注意点は? よく見かける間違った使い方

“重複”の使い方は2つあります。

(1)「反復」「繰り返し」と同義ではない

“重複”は、同じ物事が重なっているときに使う言葉です。“反復”や“繰り返し”と完全に同義ではありません。

【NG例文】

・同じ曲を何回も重複して聞いているよ。

・同じ失敗を重複しないようにね。

→“重複”は、人を主語にして「同じことを繰り返す」の意で使うことはない

(2)「ちょうふく」と読むが「じゅうふく」とも読む

“重複”は“ちょうふく”と読むのが一般的ですが、“じゅうふく”という読み方も間違いではありません。

「重複」の例文は?

「重複」の例文は?

“重複”を用いた例文を通じて使い方をイメージしていきましょう。

・リストの重複を修正してください。

・先方のミスで、注文が重複していたようです。

・「腹痛が痛い」という表現は意味が重複している。

・この一文は、同じ言葉が重複して使われているので修正してください。

「重複」を言い換えると?類語は?

「重複」を言い換えると?類語は?

“重複”と類似の意味を持つ言葉をご紹介します。

(1)「重なる」

同じような物事が加わること。同じ日に同じことを繰り返したり、同様の出来事が続いて起こったりする様子を表して使います。

【例文】

・ご連絡が重なってしまい申し訳ございません。

・不測のできごとが重なり、今回の事態を招いた。

(2)「繰り返し」

同じことを何回もすること。「繰り返す」という動詞でも、「繰り返し」という副詞でもよく使われます。

【例文】

繰り返しお尋ねして恐縮です。

(3)「バッティング」

物事や予定がかち合うことを表します。親しい相手との会話の中でしばしば聞かれる言葉です。

【例文】

・潜在顧客のバッティングを避けるために、営業二課と情報交換をしました。

(4)「ダブルブッキング」

約束・予定を二重に入れてしまうこと。

【例文】

・手違いで出張先のホテルをダブルブッキングしてしまった。

「重複」の対義語はある?

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“重複”と全く逆の意味という対義語はありませんが、対の場面で使われている言葉をご紹介します。

(1)「単一」

1つの種類だけで混じりのないもの。

【例文】

・単位がバラバラなので、単一にそろえてください。

(2)「MECE」(ミーシー)

コンサルティング用語としてしばしば使われる言葉です。「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を略した言葉で、日本語だと「漏れなく、重複なく」といった意味で使われています。

【例文】

MECEの原則を活かして、フレームワークを行いました。

 

以上、国語講師の吉田裕子さんに“重複”の意味を解説していただきました。

先ほどの説明と重複しますが、同じ物事を繰り返して“しまった”ときに使われることが多い言葉です。使い方を覚えておくと便利な言葉です。


 

【取材協力・監修】

吉田裕子

国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒

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