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「ご厚意」と「ご好意」はどう使い分ける?意味と使い方を解説

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“厚意”という言葉は、感謝を表す際に使われる言葉です。【あらためて知りたい頻出ビジネス用語#85】では、”ご厚意”の意味や使い方の注意点などを掘り下げていきます。

“ご厚意”について解説していただいたのは『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など、多数の著書を持つ国語講師の吉田裕子さんです。

「ご厚意」の意味とは?

厚意(こうい)”は、思いやりの深い心のこと。

尊敬の接頭語“ご(御)”をつけて、“ご厚意”という形で使われています。自分の心ではなく、相手の心について使うのが一般的です。

「ご厚意」はどんな場面で使うといい?

ビジネスシーンにおいて以下の場合に使われています。

(1)感謝の気持ちを示すとき

取引先や目上の相手に対して感謝の気持ちを示すときに用います。相手に親切にしてもらったときに使うほか、いつもお世話になっている相手に使うこともあります。

【例文】

・常日頃のご厚意を感謝いたします。

(2)断るとき

相手の提案を断るときに相手の親切に感謝の意を示しながら断ることがあります。

【例文】

・せっかくのご厚意ですが、現在は在庫が十分にございます。

「ご厚意」の使い方の注意点は?「好意」との違いは?

“ご厚意”の使い方の注意点は、以下の2点です。

(1)「厚意」と「好意」を混同しない

“厚意”と同じ読み方で、類似の意味を持つ言葉に“好意”があります。“好意”は親切な心や好きな気持ちを表す言葉で、“厚意”は思いやりの深い心を表す言葉です。

ビジネスシーンで相手に対する感謝を示す際には“ご厚意”という言葉を使うのが一般的ですが、2つの言葉を混同して、以下のような使い方をしないように気をつけましょう。

【NG例文(1)】

ご好意に感謝いたします。

→相手の手厚い親切に感謝するときには“ご厚意”を用いる。

【NG例文(2)】

・彼から厚意を寄せられている。

→好感や親愛の気持ちを表すときには、“好意”を用いる。

(2)自分・自社の親切心を「ご厚意」とは言わない

“ご厚意”は、尊敬語“ご”の付いている通り、相手の気持ちを表す言葉です。自分や自社の親切な行いについては“ご厚意”という言葉を使うことはありません。

【例文】
・当社のご厚意により、送料を割引いたしました。

→“ご厚意”は、相手の気持ちを指す。自分たちがしたことについては“ご厚意”という表現を使わない。

「ご厚意」の例文は?

“ご厚意”の例文を通じて使い方をイメージしていきましょう。

・いつも変わらぬご厚意に感謝いたします。

・皆様のご厚意痛み入ります。

・せっかくのご厚意ですが、お応えできず大変恐縮です。

ご厚意に甘えて、喜んで頂戴いたします。

・御社のご厚意にあずかり、新商品を世に送り出すことができました。

「ご厚意」を言い換えると?類語は?

続いて“ご厚意” と類似の意味を含む言葉をご紹介します。

(1)「ご厚誼(こうぎ)」

厚い親しみの心。“ご厚意”と同様に相手の親切に感謝を示す際に使われています。手紙やかしこまったメールなど、書き言葉で使う言葉です。

【例文】

・格別のご厚誼を感謝いたします。

(2)「ご厚情」

心からの親切のこと。相手の厚意に感謝して使う言葉。書き言葉の中で使われています。

【例文】

ご厚情を賜り、感謝いたします。

(3)「お心遣い」

相手のためを思って気を配ること。話し言葉でも頻繁に使われる表現です。

【例文】

・いつも細やかなお心遣いをいただきありがとうございます。

(4)「ご配慮」

心をくばること。相手の気遣いや親切に対して、広い場面で使われています。

【例文】

・皆様のご配慮に深く感謝いたします。

 

今回は、“ご厚意”の意味や使い方について国語講師の吉田裕子さんに解説していただきました。

お世話になっている相手に感謝を示す際に使う言葉なので、感謝の気持ちを表す際の語いのひとつとして覚えておきたいですね。


 

【取材協力・監修】

吉田裕子

国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。

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